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公開年:2003年
公開国:アメリカ
時 間:90分
監 督:ジェームス・マンゴールド
出 演:アリアンヌ・フィリップス、ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、アマンダ・ピート、ジョン・ホークス、アルフレッド・モリーナ、クレア・デュバル、ジョン・C・マッギンリー、ウィリアム・リー・スコット、ジェイク・ビジー、プルート・テイラー・ビンス、レベッカ・デ・モーネイ、カーメン・アルジェンツィアノ、マーシャル・ベル、マット・レッシャー、ホームズ・オズボーン、フレデリック・コフィン、スチュアート・M・ベッサー 他
コピー:ここに集まったのではない。ここに集められたのだ。
激しい豪雨の夜、郊外のモーテルに、交通事故で大ケガをした妻アリスを運び込む男ジョージが舞い込む。救助を要請するが豪雨のせいで電話は不通。アリスをはねたのは女優キャロラインの運転手のエド。エドは助けを呼ぶために病院へ車を走らせる。途中で車が故障した娼婦パリスを乗せ、病院へ向かうが、道路が冠水しており引き返すことに。さらに引き返す道で新婚夫婦ルーとジニーの車も合流。4人はそろってモーテルへと向かうのだが…というストーリー。
ジェームズ・マンゴールドは「17歳のカルテ」の監督だ。狂気の匂い的な部分は共通していなくもないが、同じ監督と感じさせる部分はほぼ無いように思える。雇われ監督的な仕事だったかも。まあ、その点は、この映画のイイところとは無関係なので、気にしなくてよいだろう。
この作品は、紹介するのが非常に難しい。その理由は『シックス・センス』と一緒。“星新一”的というか、オチを説明せずして作品のエッセンスを語ることが容易ではないから。でも、私はとても好きな作品で、見終わったとき(というか意味が判ったとき)のカタルシスは、『シックス・センス』以上だったかも。
(以下ネタバレ)
なぜなら、私は『24人のビリー・ミリガン』(書籍)や『ファイト・クラブ』が大好きだから。
『24人のビリー・ミリガン』は解離性同一障害(多重人格)の症例を紹介した本だが、その後半では、複数の人格が統合される様子が書かれている。もっとも同書では、その場面はぼんやりとしたイメージで表現されているだけなのだが、それに着想を得てたのは、間違いない。でも、パクりという以上に、大きく昇華できている。いい膨らませ方だと、評価していいだろう。正直、やられた!と思ってしまったくらい。
一部、気になる点はある。それは、解離性同一障害の症例として、こんなのはありえるのか?という部分。複数の人格は、小学生くらいのが一人、あとは成人した人格が多数である。分離した人格の年齢は、分離した時点の年齢になりそうなものなのだが、そうならば、小学生くらいに一度分離した後、成人するまで分離は行われずに、相当成人してから何度も繰り返し分離したことになる。また、現実の患者よりも年齢が上なのでは?と思える人格も存在するが、そういうことも在り得るのか?
このような点を度外視したとしても、この仕掛けと、最後のオチで、十分楽しめると思うので、強くお勧めする作品である。犯人はだれだ?実は自分だ…的な作品が頻発した時期があって、食傷気味になっている方も多いだろうが、そういった作品群からは、頭一つ抜き出ていると思ってよい。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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