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公開年:2009年
公開国:ロシア
時 間:106分
監 督:ドミトリー・キセレフ、アレクサンドル・ヴォイティンスキ
出 演:グレゴリー・ドブリギン、エカテリーナ・ヴィルコワ、ヴィクトル・ヴェルズビツキー、ワレーリー・ゾロトゥーヒン 他







大学生のディマは、貧しい家の生まれ。真面目で正義感は強いがいまいち野暮ったくて、女性にはモテない。新入生のナスティヤに一目惚れするが、高級車を持っている金持ち同級生にかっさらわれてしまう。自分も車が欲しいと思うがもちろん手が出ない。そんなある日、誕生日に父親から車をプレゼントされる。しかし、ボロボロのソ連時代の国民車ヴォルガ。乗っているのを友人に見られるのも恥ずかしいほどだったが、プレゼントしてくれた両親の手前、乗らないわけにもいかない。しかし、ひょんなことから、そのヴォルガが、空を飛べる能力を備えたスーパーマシンであることを知ってしまい…というストーリー。

“ナイトライダー”なんていうタイトルだから、あのアメリカドラマのリメイクかと思ったら、ぜんぜん違った(笑)。だってジャケット画像、黒い車だよ?(まあよく見たら、古臭い車なんだけどさ)。さらに、観始めたら舞台はロシア。っていうか根本的にロシア映画。
まあ、同じように騙された(?)人は多数いるだろうが、騙された人の半分は、案外満足したんじゃないかな。絶対B級作品だと思うだろうけど、本作のVFXやCGは侮れない。もう5年以上前の作品だけど、日本映画でこのクオリティ、出せないだろう。

監督の一人ドミトリー・キセレフは、『ナイト・ウォッチ』『デイ・ウォッチ』の人だし、製作のティムール・ベクマンベトフは『ウォンテッド』の監督で、それなりに一線で仕事をしている人だから、このクオリティも頷けるというもの。

共産時代のロストテクノロジーが飛ぶ車とか、主人公の貧乏学生のコンプレックスとか、ストーリーは結構よくある流れというか、王道路線。
ボルガに乗ってる人はだれだ?のくだりとかおもしろい。父親のくだりとか、完全にスパイダーマン入ってるけど、むしろ、スパイダーマンより不自然さはない。ロシア映画界、中々やるじゃんって感じ。ナイトウォッチから断然成長してる。

ただ、いつも言うことだけど、悪役が弱い。都市の下にある岩盤の下に大量のダイヤモンドがあるから、スーパーテクノロジーを使って掘るとか意味不明。次世代燃料などの資源があるとかならわかるけど、ダイヤモンドみたいな嗜好品が大量にあったって、値段が暴落するだけじゃないか。なぜ必死に掘ろうとするのかまったく理解できない(っていうか、製作側も深く考えていない)。
そして、ヒロインがはじめは金持ちになびいていたことと、勘違い展開があまりにアホすぎるせいで、いまいち恋愛方面のストーリーが応援できない点。まあ、難点はそこくらい。

燃料切れの後は少しだけ活動できるという説明とか、あまりにもわかりやすい伏線だけど、ティーンを鑑賞対象にしているなら程よい線だろう。軽い娯楽作品としては、十分すぎる出来映え。ハリウッドに寄ってはいるが、微妙に違う雰囲気も愉しめる。

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