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公開年:2011年
公開国:イタリア
時 間:83分
監 督:アントニオ・マネッティ、マルコ・マネッティ
出 演:エンニオ・ファンタスティキーニ、フランチェスカ・クティカ、ジュリエット・エセイ・ジョセフ、アントネット・モローニ 他
コピー:拷問反対。
中国語翻訳の仕事をしているガイアのもとに、中国語の同時通訳の依頼が入る。厳しいスケジュールだったのではじめは断ろうと考えたが、2時間2000ユーロという高給を提示され、引き受けることに。しかし、待ち合わせの場所へ出向くと、目隠しされて謎の地下施設に連れて行かれてしまう。そこでは“ワン”と呼ばれている中国系の人物への厳しい尋問が行われていたが、尋問者であるイタリア秘密警察のキュルティが中国語を解さないため、彼女が通訳として呼ばれたというわけだ。しかし、ワンは暗闇の中に座らされており、ガイアはその顔を見ることができないまま仕事を続ける。文化交流のためローマに来たというワンの態度は非常に友好的で愛嬌すら感じられるほど。しかしキュルティは、その応えをまったく信用せず、ただただ厳しく尋問するばかり。おまけに、キュルティの質問は荒唐無稽で、その意図がまったく見えないガイアは混乱していく。そして次第に尋問がエスカレートし、拷問に発展していき…というストーリー。
設定を思いつき、オチも明確にイメージしていることがよくわかる。オチに向けてグっと集約させていく、良いシナリオの作り方だと思う。ただ、邦題が邦題まだけに、ワンさんが宇宙人であることが明白。DVDのジャケットや裏パッケージを見れば、そのまま内容が明確に載っているので、冒頭のワンさんの姿が現れるまでの演出が、わずらわしくてしょうがない。
タイトルやジャケット画像の雰囲気はコメディ然としているが、まったく違うシリアスなノリ、雰囲気で始まる。その後もコメディ要素は薄い。
エスプリとまで言ってよいかはわからないが、移民がヨーロッパを侵食していく現在の様子が反映された作品なのかなと思う。はじめは友好的にマイノリティらしく殊勝にしているが、しばらくすると、元のコミュニティを破壊して、自分たちのルールを当然の権利として主張してく。
そういう裏に潜む製作意図はよくわかるのだが、演出自体があまりおもしろくない。ずっと尋問が続くんだけど、尋問の丁々発止がぜんぜん面白くない。機関側が何かをつかんでいて、それを執拗に探っている感じじゃない。。一応、宇宙人が何かをつくっていた“らしい”とか、二週間も潜伏していたっていう、疑いたくなる事象はあるんだけど、ただそれだけで、ずっと手さぐり。宇宙人もただ来ただけですってノリ。
通訳のガイアが、宇宙人が正しいのか、尋問している機関が正しいのか揺れるような展開にしたほうがよさそうなものだが、攻める機関、ただ攻め続けられるかわいそうな宇宙人という構図が一切変わらない。飽きる。
(以下ネタバレ)
最後のオチがはっきりしているのはわかる。ガイアがすっかり宇宙人に騙されるというオチ。ワンさんが「お前バカだな」というシーン。そこだけがやりたかった作品。
移民を受け入れて、軒を貸して母屋を取られている人に対して「お前バカだな」と言いたい。障碍者を“聖人”扱いして、むやみに尊重して、トータル的に住みずらい社会にしてしまっているエセ人道主義者に対して「お前バカだな」と言いたい。その一ネタだけで引っ張った作品。
でも、映画の演出ってそれだけでいいのかな。もっと正しいのか間違ってるのかの間をガイアが揺れる様子を見せるべきじゃないかな。簡単に言えば、秘密警察側も正しいのかも?と思わせる何かがあるべきで、それでも宇宙人の方が上手でした…という展開があるべき。
また、真実がわかったあとの展開を何一つ用意していないのもセンスがない。思いつきだけで、走り切ってしまった作品だな…と。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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