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公開年:2012年
公開国:イギリス
時 間:103分
監 督:ジョー・ライト
出 演:キーラ・ナイトレイ、ジュード・ロウ、アーロン・テイラー=ジョンソン、ケリー・マクドナルド、マシュー・マクファディン、ドーナル・グリーソン、ルース・ウィルソン、アリシア・ヴィキャンデル、オリヴィア・ウィリアムズ、エミリー・ワトソン、カーラ・デルヴィーニュ、スザンヌ・ロタール、アレクサンドラ・ローチ、タニシュタ・チャテルジー、デヴィッド・ウィルモット、ルーク・ニューベリー、バフィ・デイヴィス、エロス・ヴラホス、ホリデイ・グレインジャー、アントニー・バーン、ミシェル・ドッカリー、ケネス・コラード、ヘラ・ヒルマー、ジェームズ・ノースコート 他
受 賞:【2012年/第85回アカデミー賞】衣装デザイン賞(ジャクリーン・デュラン)
【2012年/第70回ゴールデン・グローブ】音楽賞(ダリオ・マリアネッリ)
【2012年/第66回英国アカデミー賞】衣装デザイン賞(ジャクリーン・デュラン)
【2012年/第18回放送映画批評家協会賞】美術賞(Katie Spence、サラ・グリーンウッド)、衣装デザイン賞(ジャクリーン・デュラン)
コピー:時代を駆け抜けた、美しくも激しい運命の愛が、現代によみがえる――。

19世紀末の帝政ロシア。サンクト・ペテルブルクの政府高官カレーニンの妻アンナ・カレーニナは、社交界の華と謳われる美貌の持ち主。ある日、兄の浮気による不和をとりなすために、兄夫婦が住むモスクワを訪れたアンナは、若い貴族の騎兵将校ヴロンスキーと出会う。ヴロンスキーはアンナの兄嫁の妹キティと交際していたが、二人は一目見た旬かから惹かれあってしまう。一方、キティを密かに愛する地方の純朴な地主リョーヴィンは彼女に求婚するが、ヴロンスキーに恋する彼女はその申し出を断る。ショックを受けたリョーヴィンは自分の領地に戻り、農地の経営改革に没頭するのだった。その後、舞踏会で再会したアンナとヴロンスキーは、その情熱を抑えることができなくなった。もちろんヴロンスキーの心はキティから離れており、それを知ったキティは病に伏せてしまうのだったアンナは夫と一人息子の待つサンクト・ペテルブルクの戻るが、ヴロンスキーはアンナを追っていき、二人の関係は急速に深まり、やがて子供を宿すこととなる。それを知ったカレーニンは、強い失望と怒りを感じつつも、政府高官としての世間体を守るため、離婚しようとはしない。その後、アンナとヴロンスキーの関係は公然の秘密となるが、社交界のルールを侵した彼女への風当たりは強くなる一方で…というストーリー。

文豪トルストイの作品とはいえ、不倫だ愛欲だと、私の好みとはかけ離れた作品。まったく期待していなかったのだが、これが以外とするすると最後まで観進めることができた。

映像面での演出が非常に興味深い。場面転換の際、舞台装置が変化して別ステージに移動するような感じ…って、ちょっと文章で表現するのは難しいのだが、とにかく、これ良くやったなぁ…って素直に感動してしまった。『路上のソリスト』とか『ハンナ』を撮った監督さんだけど、こんなに巧みだった印象はない。

トルストイは、不貞行為に及んだアンナは当然不幸になると考えつつも、社会の規範に縛られずに生きる道を選んだ彼女をギラギラと描いた。その対比として、煌びやかながらも掟にガチガチにしばられた冷淡な社交界を描いている。さらに、その都市生活から離れ、農業と信仰と共に地に足をつけて生きるリョーヴィンの姿が並行して描かれる。理想の生活というものを提示しているが、自由に生きるアンナを100%悪いと言い切れるのか?という、問いかけがあったと思う。

しかし、本作のアンナは、あまりにもクレイジーに描かれすぎた。夫との生活は冷め切っており失望していたのはわかる。さらに世間体のために、不貞を許容する夫の変な方向性で発揮される寛容さに気が狂いそうになるのもわかる。だとしても、嫉妬や疑念を投げかけては、舌の根も乾かないうちに、真逆のことを言い始める。オペラに連れて行け!私と一緒に行動するのがはずかしいのか! ⇒ いざいってみると、社交界から総スカン&バッシング ⇒ なんでオペラなんか連れて行ったんだ!!! もう、狂人ですわ。

あまりに彼女がクレイジーに描かれすぎて、夫や社交界の冷淡さが、むしろあたりまえの反応に思えてしまうという状況。正直、後半のアンナを見ていると、もうイライラするから死ねや!って思うほどで、トルストイが考えていたであろう対立軸が崩壊している。アンナ側のエピソードが強烈すぎるものだから、リョーヴィン側のストーリーが薄く感じられてしようがないし、さほど正しいとも思えない。
でも、もしトルストイが意図したような原作の対立軸を愚直に描いたら、おそらく韓国ドラマみたいになって、クッソつまらない出来映えになったと思う。だから、このアンナの暴走と構図の瓦解は、望むところ。佳作だと思う。

で、別の角度から考察してみると、アンナのクレイジーな行動は、更年期障害以外には考えられない。人間はホルモンの虜であり、そうなってしまうと本人の意思で制御することは難しい。完全にバーサーカー状態。そんな状態の人間が発する欲求にまともに取り合っていると、周囲はもとより本人も不幸になってしまう。
とはいえ、本人もなんでこんな取り返しのつかない行動をとってしまうのだろうと、苦しんでいる。そのかすかな客観性が、彼女に最後の決断をさせるわけだ。
まあ、婦人科に通おう!(そんなオチ?)

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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