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image1459.png公開年:2008年 
公開国:日本
時 間:121分  
監 督:押井守
出 演:菊池凛子、加瀬亮、谷原章介、山口愛、平川大輔、竹若拓磨、麦人、大塚芳忠、安藤麻吹、兵藤まこ、下野紘、藤田圭宣、長谷川歩、杉山大、水沢史絵、渡辺智美、望月健一、西尾由佳理、ひし美ゆり子、竹中直人、榊原良子、栗山千明 他
受 賞:【2008年/第32回日本アカデミー賞】アニメーション作品賞



“ショーとしての戦争”がビジネスとして成立する世界。戦争企業ロストック社に所属する戦闘機パイロット、カンナミはヨーロッパの前線基地ウリスに配属される。しかし、彼にはここに赴任する前の記憶がなく、自分が思春期の姿で成長を止め、戦士しない限り生き続ける“キルドレ”であることと、戦闘機の操縦法だけを覚えていた。やがてカンナミは、同じくキルドレで、かつてエース・パイロットだった司令官クサナギに惹かれていく。一方、戦況は、“ティーチャー”と呼ばれるラウテルン社のパイロットに翻弄され、日増しに厳しくなっていく…というストーリー。

“キルドレ”のようなデザイナーズチャイルド的な設定は、もう使い古されている(『ブレードランナー』しかり)ので、それだけの要素で引っ張り続けるというレベルの低いことはしないはず…と思っていたが、ほぼそのままで他の目をひくような要素はなかった。色々、押井守の彼なりの哲学で繰り広げられるのはかまわないが、ゲームマニアを揶揄してるようなところとか、いろいろ摘んで入れすぎて、ぼやけまくっている。思わせぶりな間がすごく目立つのだが、そういう“ぼやけ”を実は意味があるんだってばぁ、としたり顔で主張していうようで、若干腹立たしい。

元々アニメの登場人物っていうのは、子供っぽいものだから、僕達子供だもんといわれても、別に特別子供には見えない。タバコは吸うはSEXはするは、普通の大人にしか見えない。かといってもっと少年少女にしてしまうと問題があるんだろうけど。もしかして、大人と子供の違いって何?って問いかけているのかな?とも思ったけど、そういう意図でもないみたい。もう、なんだか深く考えるのをやめてしまった。

そこを考えるのをやめてしまったら、技術的な問題が目について目について。
本職声優じゃない俳優を起用することが批判されることがよくあるが、本作については、男優陣はまあまあ。しかし、肝心の菊池凛子のデキが非常に悪い。
さらに映像技術的な問題が。まず、誰でも気付くとおもうが、背景(構造物等)と人物の質感があまりにも差がありすぎて興醒めすること。いかにもCG的な背景といかにもアニメちっくな人物の差、という点についてはこんなもんだと思うのだが、人物の着色が平板すぎる。原画レベルで影の書き込みがしっかりできていないので、薄っぺら。
CG部分の表現も問題あり。大きな構造物は、白っぽく見える…という表現はフィギュアの着色なんかでよく言われることだが、これは元々、絵画の着色テクニック。本作では構造物の大きさに関係なく、全部同じような白いもやがかかっていて違和感を感じる(そこが、映画とゲームの差だと思う)。海外のCGはこんな違和感はとっくにクリアしているのに、日本ではまだこんなレベルである。もっと美術の根本を勉強したうえでCGを駆使してほしい。そういう技術者が増えてくれることを望む。そこに気付かなければ、アメリカ映画のCG技術には追いつけないと思う。

最終的にいうと、観た時間が勿体なかったと感じている。よほど押井ファンでなければ観なくてよいだろう。公開当時日テレが提灯番組で煽っていた内容が、非常にバカバカしく思い出される。
#コピーがつけられていないんだけど、この程度の映画でなにかっこつけてんだって、感じです。

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image0210.png公開年:1984年 
公開国:日本
時 間:80分  
監 督:出崎統
出 演:斉藤惇夫、野沢雅子、水城蘭子、堀絢子、大塚周夫 他






町ネズミ・ガンバたちのもとに、冷酷でズル賢いノロイが率いるイタチたちによって全滅の危機に瀕しているノロイ島から忠太が助けを求めてやってきた。ガンバたち6人は忠太の求めに応じて、ノロイ島に向かうが…というストーリー。

有名な名作アニメであるが、私はきちんとみたことがなかった。なつかしアニメを紹介する番組で見た程度で、実はよくストーリーを知らない。
見始めてすぐに、出崎監督らしさというか東京ムービーらしさが全開。とてもとてもいい味である。最近の日本アニメには、この味が欠落している。

特にアニメでなくてもいい作品が散見されるが、本作は、アニメでなければ表現できない。とことんアニメらしいアニメだ。世界的に日本アニメは評価されているのだろうが、今こそ、本作のような、(原点とまではいわないが)いい時代のクオリティに戻るべきである。いい味さえ確立できていれば、内容の不条理など、すっ飛ぶ。本作ではそのいい例がある。ノロイ島に上陸するために鳥の協力を得るのだが、いざ上陸する際、ネズミたちは自作のパラシュートで落下していく。鳥に地面に降りてもらえばいいのにね。でも、作品独特のノリのおかげで全然アリだし、それをツッコむこと自体がヤボなのだ。それが作品の味。作品のノリ。作品の力だ。

本作は、アニメ映画のお手本だと思う。昨今の何か深い意味がありそうに見せかけて、ただただ思わせぶりなだけで、小難しいノリのアニメ作品にうんざりしている方々は、本作をみて、よき時代の風を思い出してもらいたい。お薦めする。

#ちなみに、DVDには本作の7年後に製作された『ガンバとカワウソの冒険』(1991)が収録されているが、いい味は失せかけている。ある意味、日本アニメのクオリティ(というか作り手側のクオリティ)が下がっていく過程を見せられている感じ。


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image0195.png公開年:2007年 
公開国:日本
時 間:138分  
監 督:原恵一
出 演:田中直樹、西田尚美、なぎら健壱、ゴリ、冨沢風斗、横川貴大、松元環季、植松夏希 他
ノミネート:【2007年/第31回日本アカデミー賞】アニメーション作品賞
コピー:人間の友達ができちまった。


小学生の上原康一は、学校帰りに不思議な石を拾う。持ち帰って水で洗うと、なんと何百年ものあいだ地中に埋められていた河童の子どもが姿を現わした。クゥと名付けられたその河童を家族は受け入れ、周囲に気づかれないようにら一緒に暮し始めるのだが…というストーリー。

日本映画ベスト10を作れといわれれば、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』を入れる私である。原恵一作品に期待しないわけがない。しかし、そのわりには、公開時に劇場にもいかなかったし、レンタルが始まってすぐに観なかったのはどういうわけか。おまけに夏休みどころかもう冬休みだし。
それは、あの原恵一が!的な期待に、きちんと応えてくれていなかった場合に、がっかりしてしまうのがこわかったからかもしれない。

冒頭の江戸時代のシーンはすごく味があっていいシーンだったが、現代になると途端にそのいい味は消える。原画のデッサン(特に顔)が、意図的なのかどうかわからないが、どうも崩れている気がしてならなかった(特に妹の顔)し、話が動き始めるまで、どうもモタモタしている気がして、一回観るのを中断してしまった。

ところが、河童の存在が周知されてくるあたりから、急に動き始めて、こちらに先読みさせることなく、展開していく(これが、キャラが勝手に動き始めるというやつだろう)。ちょっとスロースタートの感はあるが、さすが原恵一(よかった…)。原作があるので、好き勝手ができないことは理解できるので、大目にみましょう(エラそうに)。

これ以上やると、単なる説教くさい作品になるところをギリギリで抑えており絶妙だ。人が人を無意識に殺していく時代である。毎年何万人も自殺者がいる時代である(まあ、統計的な問題で、実は昔からそのくらいの数はいたのかもしれないから、“現代が”とはいわないでおくが)。それに対する警鐘とはまではいわないまでも、もしかして、自分の心無い行動が他人を追い詰めているかもしれないという、気付きに繋がる作品かもしれない。
わたし的には、大衆のバカさ加減ごうまく表現できていている点も評価したい(実際、今の日本人たちはこういう行動をとるからね)。

難点を挙げると、CGは、あまりよろしくない。主に構造物や水などのテクスチャ貼りに使用しているのだが、原恵一の作風に合っていない。もうすこし、さりげなく(わからないように)使うことに意味があると思う。CGをCGでござーいという時代ではないのだから。特に水の揺らぎは不自然だ。小さい川で風も吹いていないのに、あんなに光がゆらぐわけがない。興醒めするよ。
もう一つ注意しておくと、一見子供向けっぽくかんじて、一緒に観れそうな印象を抱くかもしれないが、私は大人向け作品だと思うので、一人でじっくり観ることをお薦めする。
地味に、けっこう長い作品なので、連休の前の日とかに借りて、じっくり観て欲しい。私はこれからも原恵一ワークスに着目し続けます(だったら、劇場に観にいけってのね…)。
 

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クボタカユキ
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映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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