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公開年:2008年
公開国:韓国
時 間:113分
監 督:チャン・フン
出 演:ソ・ジソプ、カン・ジファン、ホン・スヒョン、コ・チャンソク、ソン・ヨンテ、チャン・ヒジン 他
コピー:つかの間でもいい。違う人生を生きてみたい。
映画スターとギャングスター。全く別の世界を生きる男たち。“映画”の中でだけ2人の人生が交差する──
人気俳優のスタは、新作映画のアクションシーンの撮影中に相手に重症を負わせてしまう。短気で傍若無人なスタの振る舞いが原因で、今回で二度目。とうとう彼の相手役を引き受けてくれる役者はいなくなり、撮影が中断するハメに。切羽詰ったスタは、以前に出会った、昔、俳優志望だったヤクザのガンペに話を持ちかける。ガンペは、ケンカのシーンは本気でやり合うことを条件に出演を承諾するが…というストーリー。
キム・ギドク製作。私はキム・ギドク監督作品があまり好みではない。彼の演出は、意図はわかるのだがわざとらしかったり作為的な感じが過ぎると感じる。巨匠ぶったところもあって、鼻につくことも多い。ところがどっこい、本作は非常におもしろかった。彼は直接現場演出するよりも、原案・製作ぐらいのほうが能力を発揮するのかもしれない。
昨今の韓国映画はバイオレンス表現が過ぎるところがあって、もうそんなのハリウッドでもヨーロッパでも(それこそ日本でも)散々やられているので、追いかけなくていいよ…って感じで辟易していたのだが、本作はちょうど良い。
コメディ要素もあるんだけれど、変にチョケた感じもなくて不快ではない。
周囲からは一流扱いされているけれど、実のところは、本物になりきれていない役者と本物になりきれていないヤクザ。そんな二人が出会う。偶然であったというよりも、一瞬の出会いでお互い内面の臭いを感じ取った感じ。
表情の薄いヤクザなんだけれど、もしかしたら今の自分じゃない自分になれるかもしれないという思いと、ヤクザとしての本分の間で揺れる様子がよく表現できている。
役者が役者らしい顔になり、次は自分がヤクザらしいヤクザになる番だ…ってことでラストを迎えるが、こういう展開の内容だと、お茶を濁すようなものが多くなるんだけど、これしかないっていうか実におさまりのよい具合。私が今まで観た韓国映画のなかで一番デキがよく、愉しめた作品。
全然、有名じゃないけれど、もっと評価されて知ってもらいたい作品。いやー本当に満足した。強くお薦めしたい。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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