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公開年:2007年
公開国:アメリカ
時 間:102分
監 督:マイク・ニコルズ
出 演:トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス、ネッド・ビーティ、オム・プリ、エミリー・ブラント、ケン・ストット、ジョン・スラッテリー、デニス・オヘア、ジャド・タイラー、ピーター・ゲレッティ、ブライアン・マーキンソン、クリストファー・デナム、トレイシー・フィリップス、ウィン・エヴァレット、メアリー・ボナー・ベイカー、レイチェル・ニコルズ、シリ・アップルビー 他
ノミネート:【2007年/第80回アカデミー賞】助演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)
【2007年/第65回ゴールデン・グローブ】作品賞[コメディ/ミュージカル]、男優賞[コメディ/ミュージカル](トム・ハンクス)、助演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)、助演女優賞(ジュリア・ロバーツ)、脚本賞(アーロン・ソーキン)
【2007年/第61回英国アカデミー賞】助演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)
【2007年/第13回放送映画批評家協会賞】助演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)、脚本賞(アーロン・ソーキン)
コピー:たったひとりで世界を変えた本当にウソみたいな話。“Based On The True Story”
実話を元にした、たったひとりでアフガニスタン紛争を終結させたテキサス州の下院議員の話…。
ということなのだが、本作の評価云々の前に、このキャッチコピーとか配給会社や販売元が出しているあらすじの内容にあきれてしまった。本作はコメディなのか?本作を観てコメディに分類するやつの気が知れない。「たったひとりで世界を変えた本当にウソみたいな話。」だと?こんなお気楽なコピーをつけたやつは、とっとと配給会社を辞めるべきである。
すべてが壮大なシニカル(皮肉)だろう。国際情勢通を気取るつもりはさらさら無いが、普通にニュースを見ている人間が、最後のせりふを聞けば、本作のスタンスが判らない訳はないと思うのだが…。アフガンの紛争を解決してソ連を撤退させたものの、その後の戦後処理を誤って、タリバンの増長と反アメリカの構図を生み出し、結局9.11に繋がる“笑えない”話なのだから。それを実録政治コメディというか?私ならそんなこと言ってしまったら、はずかしくて街を歩けない。
ただ一介の国会議員が奮闘して大きなことをやり遂げた顛末を楽しむ映画ではなく、そのすべてが惨劇に繋がったという話。且つそれがたかだか一人の国会議員と、国家諜報組織の、それも大した権限もない人間によってなされたという、システムの恐ろしさ。民主主義とは名ばかりの権利の簒奪。ゾッとする話である。コメディ的な部分など、その恐ろしさを増幅する仕掛けにすぎない。
こうすれば成功したなどという、簡単な答えは歴史にはないが、本作を観ると国際貢献とは何なのか。今、正しいと思っていることが本当に正しいことなのか、信念の根元が揺らぐ気さえしてくる。
本作は色々ノミネートされたが受賞に至らなかった。作品の質として『シリアナ』より劣っているとは思わないので、なにかひとつくらい受賞してもよさそうなものだが、やはり、まだ生々しすぎて後味が悪く、純粋に作品として楽しむことはできない。そういう点も受賞に至らない理由だろう。
短めの作品でかつテンポもよいので、私は結構引き込まれてしまい、ふと気づくと残り30分をすぎていた。当時のアフガンの状況はあまり知られてもいなかったし、なんで、9.11が発生したのか…という遠因(直接原因な気もするが)も腑に落ちる。観ておくべき映画だと思うので、“あえて”お薦めする。もう一度いうが、これはコメディではないよ。
余談。あまりフィジカルな点をあげつらうのはよくないと思うが、ちょっとジュリア・ロバーツの眼窩にはぎょっとしてしまった。昔からあんな感じだったろうか…。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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