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公開国:ロシア
時 間:118分
監 督:アレクセイ・ゲルマン・Ml
出 演:チュルパン・ハマートヴァ、メラーブ・ニニッゼ、アナスタシア・シェヴェレヴァ 他
受 賞:【2008年/第65回ヴェネチア国際映画祭】銀獅子賞(アレクセイ・ゲルマン・Ml)、金オゼッラ賞[撮影](マクシム・ドロゾフ、リシャー・カミドコジャエフ)
1961年。医師のダニエルはソ連初の宇宙飛行計画に宇宙飛行士達の健康管理の責任として参加している。彼は妻ニーナを残してカザフスタンにきているが、現地にはヴェラいう若い愛人がいる。ロケット打ち上げの日は迫っているが、これまでの実験は失敗続き。ロケットの残骸を見るたびに、日頃友人のように接している宇宙飛行士達が、犠牲になってしまうかもしれないと考えると、心苦しくもあり、国家に対する怒りすら湧く。その結果、重度の神経衰弱に陥ってしまう。一方、妻ニーナは、夫が人命に関わる計画に参加していることに納得ができず、かねてから仕事を辞めることを望んでいた。そんなニーナは、夫の元へ向かおうとモスクワを旅立つのだったが…というストーリー。
時代とか状況を考えると、ガガーリンのことなんだろうなとピンとくる。私、『ライトスタッフ』とか『アポロ13』とか『フロム・ジ・アース 人類、月に立つ』とかDVDを購入して持ってるわけ。だから、ソ連版の『ライトスタッフ』みたいなのが観れるんだなと、ものすごく期待。いつもNASA側からの“見えない脅威”としてのソ連像しか描かれていないからね。それが、宇宙計画に参加しているお医者さんの目線で語られるに違いない…と。DVDのパッケージを見たらそう思うでしょ。
タイトルの通り、確かにお医者さんが主人公なのだが、この人、ずっと文句ばっかり言っている。おまけに奇行を繰り返すは卒倒するは、体も心も病んでいる。自分も宇宙飛行士になることを希望したのに落選。ダニエルの父はソ連一の外科医だったのに自分は大した腕もない内科医。こんな感じで、常に自分を卑下している。
有人宇宙飛行は世界で誰も成功したことはないわけだし、おまけに失敗続き。だけど、予定通りに打ち上げるしかない状況。何故か知らんけど、このお医者さん、宇宙飛行士の運動とかの指導もしている。だから、いつも一緒にいる彼らがこの残骸のようになっちゃうことを考えるとつらくてつらくて仕様が無いのはわかる。宇宙飛行士候補たちも、名誉なこととは思っても怖くて怖くて情緒不安定。
どういう話になるかな…と眺めているが、一向に宇宙飛行士にスポットが当たらず、医者と正妻と愛人との三角関係が描かれる展開に。
途中、飛行士が事故で死んだりするのだが、それはダニエルの心が一層病んでいく材料でしかない。画面だけみていたら誰がガガーリンなのかもよくわからないくらいで、完全におまけ状態。
この狂っていく様子と、三角関係の行く末になにがあるのか。ロケットの発射までをあと6週…5週とカウントダウンしていくのだが、近づいたからといってなにか劇的な事件がおこるわけでもなく。女二人が遭遇しても取っ組み合いの喧嘩が始まるわけでもなく。
この映画はいったい何を観せたいのだろう…そう考え続けるが答えは出ず、睡魔が襲ってくる。そうこうしているうちに医者ダニエルは死亡。主人公がいなくなって、このあとどうすのかと思っていると、正妻と愛人のその後が描かれはじめるが、それがなにかを示唆するわけでもない。
この映画は、一体何が言いたかったのだろう。政府の計画に翻弄された小さな人々の様子か。少なくとも私が期待した、ソ連の宇宙計画の裏側みたいな話ではなかった。
ヴェネチア国際映画祭はこの作品の何を良しとして銀獅子賞なんかをあげたのだろう。凡人の私には、何一つ良さが判らなかった映画である。本作にせよ『夏の終止符』にせよ、近年のロシア映画は無駄に芸術家をきどっているように思える。もう、ロシア映画は避けようかな…とすら思えるほど、観るのが苦痛だった。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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