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公開国:アメリカ
時 間:99分
監 督:トム・ヴォーン
出 演:キャメロン・ディアス、アシュトン・カッチャー、ロブ・コードリー、トリート・ウィリアムズ、デニス・ミラー、レイク・ベル、クイーン・ラティファ、ジェイソン・サダイキス、ディードル・オコンネル、ミシェル・クルージ、デニス・ファリナ、ザック・ガリフィアナキス、クリステン・リッター 他
ノミネート:【2008年第29回ゴールデン・ラズベリー賞】ワースト主演女優賞(キャメロン・ディアス)、ワースト・スクリーン・カップル賞(アシュトン・カッチャー、キャメロン・ディアス)
コピー:恋も、お金も、人生も。幸運は、前向きな人の味方。
ウォール街の証券会社で働くジョイは、仕切り屋の性格が仇になって、婚約者にフラれてしまう。一方、不真面目な仕事っぷりのために、父親が経営する家具工場を解雇されてしまったジャック。そんな彼らは、それぞれ親友を連れて、気晴らしにラスベガスを訪れたのだが、部屋をダブルブッキングされてしまう。これも何かの縁と、一緒に大酒を飲んでバカ騒ぎ。翌日、目が覚めると、ジョイとジャックの指には、結婚指輪が。二人は勢いで結婚してしまったのだ。事の重大さに気付いた二人は、お互いにその気がないことを確認しあい、婚姻無効の手続きをすることで合意。その矢先、何気にジョイから受け取った25セントをジャックがスロットマシンに投入すると、なんと300万ドルが当たってしまい…というストーリー。
過ちで結婚してしまったとしても、お互いにその意思がなかったのだから、婚姻無効だろうが離婚だろうが、とっとと手続きをして財産分与すりゃあいいだろう…とだれでも思う。だけど、判事は離婚を婚姻無効も認めずに、結婚生活を真摯に継続すること…って、そこの意味というか仕組みがわからん。
まあ、アメリカの法律だし、判事に与えられる裁量も日本とは違うんだろうけど、財産を供託して様子をみましょうなんて、さすがに不自然さを感じる。でも、そうしないと、単なる強欲同士の戦争になってしまい、恋愛モノとはベクトルの違う作品になってしまうからね。そう、所詮は恋愛コメディ。そう割りきって観るべき。
反目しあっていた二人が次第に惹かれあっていく展開はお約束。坊主頭の友達が弁護士なのは、ちょっと都合が良すぎかも…とか、工場の同僚とか元カレとか、主役二人以外のキャラがちょっと弱かったり…とか、根本的に恋愛モノに興味が無い私としては、だんだん退屈になってくるが、そこはいたし方あるまい。
ジャックはいつも人生において勝負を避けていて…という設定と、恋愛が花開いていく過程が、いまいちシンクロしていないのも、シナリオ的に残念ではあるが、割り切ってしまえば、それほど鼻に付く演出もないし、無理に笑わせようと媚を売っているところも無いので、極めてさらっと愉しめるライトな作品に仕上がっていると思う。
キャメロン・ディアスは、さすがに若い独身女のアイコンとしては無理があったかもしれない。下着姿はきびしいものがあって、年増女が若い青年をたぶらかしてるようにも見える(実際6歳上だしな)。いっそのことちょっと年上っていう設定にすればよかった気もする。とはいえ、コケティッシュさとビッチさを内包するキャリアウーマンという、地味に難しい設定をうまくこなしたと思う(そこはキャリアの成せる技かと)。なので、ラジー賞が何を指して彼女をノミネートしたのはわからない、それほど悪い仕事はしていない。
それはアシュトン・カッチャーについても同様。モラトリアム体質だが若気の至りで跳ねっかえりの若者をうまく演じたと思う。
ラジー賞は、批判をしても文句のでなさそうな役者をあげつらってみただけで、本気の批判精神でノミネートしているわけではなないように感じる。惰性で人を貶しているように感じられ、そういう姿勢は軽蔑に値する(というか、もう納得できるラジー賞の結果なんか最近ないので、賞自体止めてしまえばいいのに)。
麦茶みたいなみたいな口当たりの映画。アイスティーのつもりで麦茶だったら腹も立つけど、麦茶と判って飲めば普通に飲める。そんなレベルの作品(特段、褒めるところはないけど)。
公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:103分
監 督:マーク・ローレンス
出 演:ヒュー・グラント、サラ・ジェシカ・パーカー、サム・エリオット、メアリー・スティーンバージェン、エリザベス・モス、マイケル・ケリー、ウィルフォード・ブリムリー、セス・ギリアム、ケヴィン・ブラウン、スティーヴン・ボイヤー、シャロン・ウィルキンス、キム・ショウ 他
ノミネート:【2009年/第30回ラジー賞】ワースト主演女優賞(サラ・ジェシカ・パーカー)
コピー:「浮気したけど、妻が好き」そんなのアリですか?
弁護士ポールと不動産会社社長メリルのモーガン夫妻は、各々が雑誌の表紙を飾るほどの有名人で、理想のセレブカップルとしてニューヨーク中から注目を浴びていた。しかし、ポールの浮気が原因で、現在は別居中。なんとかメリルの気持ちを取り戻そうと躍起になるポールだったが、メリルはつれない態度を取り続ける。なんとかレストランでの食事をすることができたものの、その帰り道、二人は殺人現場を目撃。犯人に顔を見られてしまい、殺し屋から狙われるハメに。警察は二人に証人保護プログラム適用し、身分を隠してワイオミングへ移送するが、そこはとんでもないド田舎で…というストーリー。
アメリカ国内では評判がよろしくなかったらしい。確かに、タイトルもキャスティングもありがちなラブコメ然としてるし、私もまったく期待していなかった。しかし、ハードルが下がりきっていたせいかもしれないが、かなり愉しんだぞ。
冒頭の別居云々、ヨリを戻す云々のくだりははっきりいって陳腐だったが、いきなりの殺人現場目撃に証人保護プログラムという馬鹿馬鹿しい展開は、良い意味で“くだらない”。
サラ・ジェシカ・パーカーに『セックス・アンド・ザ・シティ』に通じる何かを求めて本作を観たなら、それはちょっと違う…と感じてしまうのかもしれない。でも、ヒュー・グラントの格好の良さも劣化しまくっていて完全にコメディ側に倒れちゃってるし、サラ・ジェシカ・パーカーだって単なるヒステリックで凝り固まった頭のヴィーガンの役。先入観を捨てれば、それなりにコメディ俳優に徹していて好感が持てる。
ラジー賞ワースト主演女優賞にノミネートされてるけど、私は他の作品の彼女よりよいデキだと思う。少なくとも『セックス・アンド・ザ・シティ』の彼女よりはいいと思う。
田舎のライフスタイルにに四苦八苦する様子をコメディ調に見せたかったんだろうけど、ワイオミングの大自然の美しさや“いい人”たちに癒されてしまい、そっちの方を楽しんでしまった。下卑た笑いじゃなくってほっこりした笑いという、予期せぬ方向性に。いい副産物ってかんじかな。
プロテスタントの共和党員に、アメリカン・アイドルを目指す少女。リアルなアメリカのド田舎ってあんな感じなんだと思う。特に、サム・エリオットとメアリー・スティーンバージェンの保安官夫婦がとてもいい味。その他のワイオミングの人たちも適度に田舎者で適度にいい人。
ベタベタなストーリーだし、ベタベタなキャスティング。だけど、ラブコメと殺し屋をこういう風に絡めたのって、案外ほかには無いかもしれない。ちょっと新鮮かも。
メリルが別の男と寝ていたことが判明した後のポールの反応。男なら「わかるわ~」って感じで、男性でも愉しめるライトなラブコメだね。お薦めしたい。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:104分
監 督:ジム・フィールド・スミス
出 演:ジェイ・バルシェル、アリス・イヴ、T・J・ミラー、マイク・ヴォーゲル、ネイト・トレンス、クリステン・リッター、ジェフ・スタルツ、リンゼイ・スローン、カイル・ボーンハイマー、ジェシカ・セント・クレア、デブラ・ジョー・ラップ、アダム・ルフェーヴル、キム・ショウ、ジャシカ・二コール、ヘイズ・マッカーサー、アンドリュー・デイリー、シャロン・モーン、トレヴァー・イヴ、アダム・トメイ 他
空港職員のカークは全然イケてないパっとしない青年。ある日、絶世の美女が、手荷物検査場に携帯電話を忘れ、それを届けることに。それをきっかけにその美女・モリーと付き合うことになる。自分に自信が持てないカークは、まさかそんな美女が自分に好意を抱くはずがないと、素直に彼女の愛情を受け入れることができず…というストーリー。
主人公の人は『魔法使いの弟子』の人ですな。残りはダレがだれだかわからないような役者陣なので、日本未公開なのも仕方が無い。それに、いまさら『ボビーに首ったけ』調のジャケットデザインっていう、本当に売る気があるんだか無いんだかって感じなんだけど、観てみたらどうしてどうして、なかなかの佳作だった。
女性向け作品に見えるかもしれないけれど、これはどちらかといえば男性向け作品で、世のイケてない男性が共感することまちがいなし。確かに見た目はイケてないかもしれないけど、本当にイイやつで、誰もが自分との共通点をどこか見つけるんじゃなかろうか。そんな彼の恋の行方と、自信を得ていく過程を、一緒になってみていくような作品。
ただ、なんとも割り切れないのは、“絶世のイケてる女”っていう設定のヒロイン役の人が、私には微塵もいい女に見えなかったという点。いや、別にブサイクだなんて思わないけど、街ゆく人がみんな色めき立っちゃうほどには…。ま、いいか。
単純なロマンスコメディなんだけど、全然最後飽きなかった。次回作で何かやってくれそうな気もするので、この監督は覚えておこうと思う。もうちょっと評価されてもいいんじゃないか…とは思うので、軽くお薦めしたい。
負けるな日本
公開年:2005年
公開国:アメリカ
時 間:103分
監 督:ノーラ・エフロン
出 演:ニコール・キッドマン、ウィル・フェレル、シャーリー・マクレーン、マイケル・ケイン、ジェイソン・シュワルツマン、ヘザー・バーンズ、クリスティン・チェノウェス、ジム・ターナー、スティーヴン・コルバート、デヴィッド・アラン・グリア、スティーヴ・カレル、エリザベス・モンゴメリー、ディック・ヨーク、リチャード・カインド、エイミー・セダリス 他
受 賞:【2005年/第26回ラジー賞】ワースト・スクリーン・カップル賞(ニコール・キッドマン)
コピー:愛という、永遠の魔法。
普通の恋。それは、たったひとつ叶わない夢。
魔女のイザベルは、普通の生活・恋がしたいと人間へ。一方、落ち目の俳優ジャックのもとに、TVドラマ『奥さまは魔女』のリメイクでダーリン役が舞い込んでくる。このドラマに復活をかけるジャックは、自分が目立つようにサマンサ役に新人女優を起用するよう要求するが、オーディションを繰り返すものの、なかなかイメージ通りの女性が見つからない。困っていると、偶然にもイメージにぴったりのイザベルを街で目撃し、声をかける。なんとか口説き落としてオーディションを受けさせると、彼女は大抜擢されるのだった。こうして本当の魔女であることを隠して撮影に入るサマンサだったが…というストーリー。
実は、以前鑑賞したものの、あまりのつまらなさに途中で観るのをやめた作品である。なぜ、もう一度観ようと思ったかというと、昨日の『魔法使いの弟子』と似ているような気がしたから。“魔法つながり”とか、そういう単純なことではない。元になるメジャーな作品があり、それをそのままリメイクするのではなく、かなりカスタマイズしている点。大筋のプロットはしっかりしているのに、端々の味付けがてんでなっていない点。盛り上がるべきとところで盛り上がらず、時間とともにキレイに尻すぼみになる点…である(要するに企画倒れってことかな)。
くたびれたダメ男の役が登場するのは悪いとは思わないが、ウィル・フェレルなのは納得いかない。ダメ男だけど女性からみたら可愛いところもあって憎めないわ…っていうキャラがよいのであって、ウィル・フェレルは本当にくたびれてるおっさんである。イザベルが恋に落ちるのも判らないでもない…っていう部分がないと成立しないと思うのだが、女性の方々は共感できたのだろうか。
#ウィル・フェレルに、私は“日本未公開男”の称号を与えている。
では、恋愛要素がだめなら、ドタバタ要素で愉しませるしかない。しかし、勝手に勘違いして、勝手に変な魔法をかけて、勝手に騒いで、これじゃただのノイローゼ人間の所業。おもしろくもなんともない。魔法のお話というのは、オールマイティーな能力なだけに、話をどうにでももできちゃうという落とし穴がある。だから、魔法じゃどうしようもない条件や弱点を付けたり、もっと強い敵の設定をつくったり、その落とし穴にハマる危険を避けるように腐心するのが普通である。それなのに本作は、安易に話を転がして、次々と落とし穴にハマり続け、観進める度に、もうどうでもいいや…という気分にさせてくれる。
終盤は網膜に画像が映っているだけで、内容が一切頭に入らなかった。父親とおばさん女優の関係はどうなった?ドラマはその後どうなった?結局、お互いをどう理解したんだっけ?思い出そうとしてもしっかり思い出せないくらい。
結局は、メッセージ性が何もないと、人を二時間集中させることは難しいってこと。『魔法使いの弟子』も同様だね。もちろんお薦めするわけが無い。
#まあ、ニコール・キッドマンがかわいいと思える、最後の作品ではある。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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