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image0972.png公開年:2001年
公開国:アメリカ
時 間:131分
監 督:リドリー・スコット
出 演:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア、ジャンカルロ・ジャンニーニ、レイ・リオッタ、フランチェスカ・ネリ、ゲイリー・オールドマン 他
ノミネート:【2001年/第10回MTVムービー・アワード】作品賞、キス・シーン賞(アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア)、悪役賞(アンソニー・ホプキンス)
コピー:沈黙は、悲鳴で破られる。


“バッファロー・ビル事件”と呼ばれた連続猟奇殺人の解決後に、ハンニバル・レクターが脱走してから10年後。その事件でレクターの協力のもと犯人を逮捕した当時FBI訓練生だったクラリス・スターリングも、今やFBIのベテラン捜査官に。しかし、彼女はとある任務中に指名手配犯を射殺したことで窮地に追い込まれる。レクターに深い恨みを持つ大富豪メイスンは、そんな彼女を利用しようと考え、司法省のクレンドラを買収し、クラリスをレクター捜査へ復帰させる工作を行う。その頃、レクターはイタリアのフィレンツェに潜伏し、偽名で司書の仕事に就いていた。これまで、クラリスの行動を注視していたレクターは、窮地に陥った彼女にコンタクトをはかり…というストーリー。

ハンニバル・レクターシリーズには、必ず、彼にとって“はじめて”の人が登場する。
『ハンニバル・ライジング』は、はじめて愛を交わした人。『レッド・ドラゴン』は、はじめて彼を逮捕した人。『羊たちの沈黙』は、はじめて共感した人。本作は、はじめて生き残った人。最後はちょっと弱いけど、その弱さはグロさで補ってるって感じかな。

本作は、衝撃的な頭パッカーンにばかり目がいってしまうけれど、フォレンチェでのパッツィ刑事の顛末、メイスンとの因縁と執着、クレンドラとの軋轢等々、盛りだくさんのエピソードを納まりよくまとめている。それらが下劣な人間を決して許さないレクターの美学によって、きれいに整頓されているのが、実に秀逸。構成や編集がすばらしい。

『羊たちの沈黙』からクラリス役がジュリアン・ムーアに変わってしまった。公開当時は落胆した人もいたと思うが、観終わった感想をいえば、正直そんなことはどうでもいいレベル。それは、クラリスに対するレクターの普遍の愛があれば、その愛の影として現れるクラリスの姿に、何一つ違いがないということを証明している。
レクターの様子を見ていると、男女の間に友情が成立するとすれば、それが父性に基づいたときだろうな…とまで感じさせてくれる。猟奇的で極めてクレイジーなのだが、哲学的な思索を湧かせてくれるのも事実である。

演者で光っているのは、高慢で下品なクソ野郎を演じさせたらピカイチなレイ・リオッタ。存在感を放ちつつも小物をしっかりと演じられる力は、改めて感服する。

重ね重ね残念なのは、飛行機で向かっていると思しき日本での続編エピソードをかすかに期待しても、エンドロール最後の「Bye Bye H.」で、もうそれは無いんだな…と思い知らされることである。

難点はセリフと効果音の音量のバランスが下品なことくらい(音で驚かす演出は無用だと思うな)。受賞歴もあまりなく評価も高くないのだが、それはあくまでレクターシリーズの一本として見られているからだと思う。純粋にこの一作のクオリティは高い。秀作だと思う。

#FBI指定の凶悪犯10人の中にウサマ・ビン・ラディンがいるのに、隔世の感があるね。





負けるな日本

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