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公開年:2007年
公開国:アメリカ、イギリス
時 間:117分
監 督:シドニー・ルメット
出 演:フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、マリサ・トメイ、アルバート・フィニー、ブライアン・F・オバーン、ローズマリー・ハリス、マイケル・シャノン、エイミー・ライアン、サラ・リヴィングストン、アレクサ・パラディノ、ブレイン・ホートン、アリヤ・バレイキス 他
受 賞:【2009年/第33回ロサンゼルス映画批評家協会賞】助演女優賞(エイミー・ライアン)
【2009年/第28回ボストン映画批評家協会賞】キャスト賞
コピー:その瞬間、一つめの誤算。
日々の生活にも困窮する冴えない男ハンクは、離婚した元妻に娘の養育費すら払うことができない。そんな彼を見かねた兄のアンディは強盗計画を持ちかける。アンディは会計士として成功し贅沢な生活していたが、緊急に金を必要とする理由があった。その計画とは、実の両親が営む宝石店へ強盗に入ること。ためらうハンクだったが、店には保険が掛かっていて誰も傷つけないと言葉巧みに説得される。しかし、怖気づいたハンクは、実行犯を雇い自分は車で待機する役に。すると、宝石店から銃声があがり、雇った男が銃殺されたのを見て、逃走するハンクだったが…というストーリー。
“死んだことが悪魔に知られる前に、天国へ行けますように”っていう、いかにもキリスト教的な原題。実際は微塵も悪事をしたことのない人間なんかいないから、悪魔に気付かれる前に天国に到達しちゃおうっていう、半分ジョークみたいな言葉。これはキリスト教でもかなり古いというか厳格な考えがベースになっていて、この発想だと懺悔なんて意味を成さなくなるよね。
閑話休題。
ただ、『その土曜日、7時58分』ってインパクトが無さすぎというか、面白みのない題名。ワタシなら、あえて、直訳の長々としたタイトルのまま勝負するかな。
『十二人の怒れる男』『オリエント急行殺人事件』『デストラップ・死の罠』の監督さん。シェークスピア劇みたいな古典悲劇的内容で、玄人ウケしそうな内容。はじめは、フィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン・ホークが兄弟っていくらなんでも…とか思ったけど、それも必要なファクターだったことが後でわかる。フラッシュバック的な手法も、単に奇を衒っているわけではなく、必然の演出。巧みというか老獪というか、しっかり練られていることがよくわかる。正直、プロット自体はさほど手が込んでいるとは思わないんだけど、脚本も構成も俳優もみんなうまくて、観てるこっちの心まで不安が溢れてくる、よいデキだと思う。
しかし、ある悪事が一つの誤算を引き金にガラガラと崩れていき、登場人物がテンパっていく…っていうと、コーエン兄弟が思い出される。軽妙さを兼ね備えるコーエン兄弟の作品と比較してしまうと、やはり古臭さは否めない。重苦しい空気をガス抜きする箇所もまったくない。この軽妙さの欠如がシェークスピア劇みたいに感じられる所以か。また、やろうと思えば舞台劇に転用できなくもない内容で、“映画”というメディアを生かしきっているとはいえない点も、古臭さを感じさせる理由かもしれない。
派手な作品や刺激的な作品に慣れてしまっている人にとっては物足りなさを感じるかもしれないが、及第点は超える内容だと思う。ちょっと落ち着いた作品を観たいときにはお薦めかも。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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