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image0953.png公開年:2006年 
公開国:アメリカ
時 間:143分
監 督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出 演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子、アドリアナ・バラッザ、エル・ファニング 他
受 賞:【2006年/第79回アカデミー賞】作曲賞(グスターボ・サンタオラヤ)
【2006年/第59回カンヌ国際映画祭】監督賞(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)
【2006年/第64回ゴールデン・グローブ】作品賞[ドラマ]
【2006年/第60回英国アカデミー賞】作曲賞[アンソニー・アスクィス映画音楽賞](グスターボ・サンタオラヤ)
コピー:神は、人を、分けた。

モロッコ。山羊飼いのアブドゥラは知り合いから一挺のライフルを買い、ジャッカルを駆除するようにと二人の息子アフメッドとユセフに与える。兄弟は遊び半分で射撃の腕を競い合い、一台のバスを撃つ。そのバスには、アメリカ人夫妻リチャードとスーザンが乗っていたが、二人は3人目の子供を亡くしたことで関係が悪化し、その関係修復のための旅行の最中だった。そして、銃弾が運悪くスーザンの肩を直撃し、バスは医者のいる村へと急ぐ。一方、夫妻がアメリカに残してきた子供マイクとデビーの面倒をみるメキシコ人不法滞在者である乳母のアメリアは、息子の結婚式に出るため帰郷する予定だったが、夫妻が戻らず困り果てる。彼女は仕方なく、マイクとデビーを連れてメキシコへと向かう。日本。妻が自殺して以来、父娘関係が冷えきっている東京の会社員ヤスジローと女子高生の聾唖者チエコ。チエコは満たされない日々に絶望する生活を送っているが、そんな中、モロッコの銃撃に使用されたライフルの所有者がヤスジローであることが判り…というストーリー。

モロッコ人、アメリカ人、メキシコ人、日本人の4つのストーリーは、奇異ともいえる繋がりを見せながらも、別々の流れで展開。完全に並行ではなく、時間軸はずらされているが、もうすでに、『21グラム』『クラッシュ』とにたような味付けの作品を見ているので、目新しくも感じないし、あまりよい効果を得られているようにも思えない。群像劇だが、最後に話をつなげて一つの流れにする気はないらしく、4つの悲劇の羅列といってよいくらい。

だが、いろいろ批判はあるようだが、個人的には嫌いなセンスではない。
人間は不完全で愚かで、偶然によってふれあい、ちょっとした思いやりのなさで離れる。世界は人のぬくもりを乞うが得られない人でできあがっている。その刹那な空気感を愉しむ映画かなと。この映画が伝えたいことって何かな?って、色々考えたくなるんだけど、あまり社会的な意味とか政治的な意味を考えないほうがいいような気がする。世界各地で、同じ人間が同じ時間を過ごしているのに、どうして世界はこんなにばらばらなのか、それだけを味わえばいいんじゃなかろうか。それ以上のことを期待すると“バベル”というタイトルが、あまりにも仰々しくなっちゃう。軽く考えることにする。

実に、日本のパートは不要だという意見が多い。たしかに、モロッコとアメリカの出来事と日本のエピソードは、テイストにかなりの乖離が見られる。日本パートとそれ以外のパートの2軸といってもいいくらい。加えて、日本パートの性的倒錯要素が濃すぎて、そのおかげで、全体のテーマのバランスが崩れてしまったように見える。またまた加えて、違和感を感じる日本描写が多すぎて集中できない。もうすこし、細かい部分に違和感を感じないように、日本人のアドバイスをうけることはできなかったのだろうか。話の主筋とは関係ない部分で無駄な引っかかりを残しすぎ。例えば、いかにもアメリカ人的に中指立てたり、渋谷のクラブ名“J-POP”だとか、いくら外国のできごととはいえ未成年の容疑者の顔を報道したりとか、自分名義の猟銃を海外に持ち出して、さらに海外に置いてきてしまうとか、猟銃で妻が自殺した事件を所轄の刑事が知らないとか。
#おそらく、モロッコ人にも文句をいいたい部分があるんだろうなあ(笑)

まあ、昼間から屋外で薬物摂取してるとか、チエコの行動がいくらなんでも不自然に感じられるという点は、性的虐待があるのかな?と匂わせている感じなので百歩譲ってよしとするけど、なにやら、日本はそういう性的に倒錯した人間の巣窟みたいな(それこそ女体盛りが日常行われてるような)目線でつくられてるような気もして、なんかしっくりこないけど。

監督は、チエコ役には、幼さが残る高校生の未熟な肉体を期待したと予測されるが、菊池凛子の裸は、アメリカ人から見れば子供にみえるのかもしれないけど、不健康な成人女性にしか見えない(肌のコンディションがよろしくない)。そういう部分も含めて、思うことは、彼女は演技がよかったからノミネートされたんじゃなく、いろんな意味で監督の意図を超えちゃったからノミネートされたのではないかと。ただ、それが、偶然なのか計算なのかが把握できなかった。明確にこりゃあ計算ずくでやってるな、、、とアカデミー会員に伝わっていれば、受賞したのではないかと思われる。
#その後の菊池凛子の仕事を見ると、どうやら偶然らしいと思われるので、受賞させずに正解だったかも、、とは思う。

日本パートとモロッコパートで子供の性に焦点を当てているが、はじめはもっとこの要素が強くて、製作過程で変遷していったのかなとも思える。また、鶏の血と撃たれた血をリンクさせるような稚拙な演出と感じる部分もあり、よく練られているようで、練りきれていない部分も散見される。そのくせ尺は長い。もう一回、腕まくりして編集しなおせば、すっきりとよい作品になった気もするが、まあ、それもこの監督の味というかクセというか。これでも『21グラム』よりは、よくなってると思う。

監督のメッセージを読み取ろうみたいな感じで、肩肘張って見なければ、十分愉しめると思う。それなりにお薦め。10%くらいの人がよかったといい、50%くらいの人が文句いいながらも、まあまあだったという、そんなところかな。

#役所広司の無駄遣い。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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