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公開年:2005年
公開国:アメリカ、フランス
時 間:122分
監 督:トミー・リー・ジョーンズ
出 演:トミー・リー・ジョーンズ、バリー・ペッパー、ドワイト・ヨアカム、ジャニュアリー・ジョーンズ、メリッサ・レオ、ドワイト ヨーカム 他
受 賞:【2005年/第58回カンヌ国際映画祭】男優賞(トミー・リー・ジョーンズ)、脚本賞(ギジェルモ・アリアガ)
コピー:俺が死んだら故郷ヒメネスに埋めてくれ
ある日、メキシコからの不法労働者のメルキアデスが他殺死体で見つかる。トミー・リー・ジョーンズ演じる親友のカウボーイのピートは、その犯人が新任の国境警備隊員マイクだと知ると、彼を拉致して、メルキアデスの死体を掘り起こさせ、彼の故郷メキシコへ埋葬するための旅に出る…というストーリー。
脚本は、『21グラム』のギジェルモ・アリアガだが、本作は、時間軸バラバラのフラッシュ編集ではない。やはり『21グラム』の極端な編集は、監督の仕業だったに違いない。
なぜそこまでして、親友をメキシコに埋葬しなければいけないか?友情か、哀れみか、それとも何か別の理由が?という感じで引っ張っていくのだが、それが徐々に解っていくほど、心の中から聞こえる、カサカサとさびれた音が大きくなってくるようだった。
ダイナーの女に対してピートが電話で求婚したときに、女が返した言葉「どうせあなたにはわからないわよ」。そしてラストシーンで、立ち去るピートにマイクが投げかける言葉「一人で大丈夫か?」。結局、人間は孤独なのだなということをいやでも浮き彫りにする台詞たちで、本作は溢れている。
さびれた街の住人たちは、人間が孤独なんてことは百も承知で、それを補うかのように繋がりあってるだけであると、自らはっきり認識している。しかし、登場人物の中で唯一、ピートだけが、人間の繋がりの中にやすらぎがあると思っているのだ。ダイナーの女は、何が「どうせあなたにはわからないわよ」といっているのか。私が旦那を愛する気持ちがあなたにはわからないといっているのではない。あなたは本気で人と人との繋がりの中に愛や安らぎがあると思っているけど、所詮、人間はすべて孤独なのよ。その上で繋がっていることがあなたには判らないのね…と言っているのだ。最後のサムも、人間はすべて孤独であるということを噛み締めてしまったピートの背中を見て、哀れんでいる。
『21グラム』のときもそうだったが、登場人物の心はすべて孤独だ。ギジェルモ・アリアガの人間観なのだろう。共感はしたくもないが否定もできない。ただ、心で鳴るカサカサが、必ずしも不快かというと、そんなことはない。何かあなたにも通ずるものはあるはずだ。皆さんもこのカサカサを味わってほしい。お勧めの作品だ。さすがカンヌ脚本賞。トミー・リー・ジョーンズがシナリオに惚れ込んで、自ら製作・監督に乗り出したのもうなずける。
ただ、女性はどういう感想を持つのだろう。その点は、興味がある。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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