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公開年:1969年
公開国:アメリカ
時 間:113分
監 督:ジョン・シュレシンジャー
出 演:ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマン、シルヴィア・マイルズ、ジョン・マッギーヴァー、ブレンダ・ヴァッカロ、ギル・ランキン、バーナード・ヒューズ、ルース・ホワイト、ジェニファー・ソルト、ゲイリー・オーウェンズ、ジョーガン・ジョンソン、アンソニー・ホランド、ボブ・バラバン、ポール・ベンジャミン 他
受 賞:【1969年/第42回アカデミー賞】作品賞、監督賞(ジョン・シュレシンジャー)、脚色賞(ウォルド・ソルト)
【1969年/第19回ベルリン国際映画祭】国際カトリック映画事務局賞(ジョン・シュレシンジャー)
【1969年/第4回全米批評家協会賞】主演男優賞(ジョン・ヴォイト)
【1969年/第35回NY批評家協会賞】男優賞(ジョン・ヴォイト)
【1969年/第27回ゴールデン・グローブ】有望若手男優賞(ジョン・ヴォイト)
【1969年/第23回英国アカデミー賞】作品賞、主演男優賞(ダスティン・ホフマン)、監督賞(ジョン・シュレシンジャー)、脚本賞(ウォルド・ソルト)、編集賞、新人賞(ジョン・ヴォイト)
【1994年/第23回アメリカ国立フィルム登録簿】新規登録作品
テキサスに住む青年ジョー。彼はカウボーイスタイルに身を包み、ニューヨーク行きのバスに乗り込む。彼は自分の容貌を武器に、さみしいニューヨークの金持ち婦人達を相手に男娼として一儲けしようと考えていた。しかし現実は厳しく、客は見つからない。ようやく一人の女性を引っかけるが、相手は実は娼婦で、逆にお金を巻き上げられる始末。そんな中、スラム街で足の不自由なペテン師ラッツオと出会う。ラッツオが売春を斡旋している人間だということを知り、手数料として10ドルを手渡したのだが、実はラッツオはホモ専門の手配師だった。騙されたと知ったジョーは激怒したが、始終咳き込んでいて無一文の彼に、それ以上怒る気力も失せてしまう。手持ちの金が無くなったジョーはホテルを追い出されてしまう。ラッツオは自分の室へ来るように薦め、男娼の仕事も自分がマネージャーをやるという。次第にジョーとラッツォの間に友情のようなものが芽生えていくが、仕事は一向に見つからず、おまけにラッツォの体調は悪くなる一方で…というストーリー。
なんで“カウボーイ”じゃなくて“カーボーイ”なのかは不明。車は無関係。最後、バスには乗るけど、タイトルにするほど重要じゃないし。むしろカウボーイスタイルこそ、ジョーのトラウマの表出であり、重要なポイントなのにな。邦題なんか後で変える例はいくつかあるんだから、真夜中のカウボーイに変えて再販すべきだね。
全然、本編と関係ないんだけど、ジョーがTVをザッピングするシーンで、画面に『ウルトラマン』が一瞬出てくる。スカイドンとジャミラ。そして本物のBGMも。権利無視だな。日本での放送から2年も経ってないと思うんだけどね。あと、一瞬『ジャズシンガー』の場面も出てくる。まあ、映画トリビアかな。
ダブル主演扱いだと思うが、完全にジョン・ヴォイドはダスティン・ホフマンに喰われちゃった感じ。外国人の美醜の感覚はよくわからないけれど、ジョーの容姿を見るに、なんで男娼で大儲けできると思った?と小一時間説教した気分になってしまった。まあ、稼ぐホストとかも必ずしも美男子というわけではないから何とも言えんのだが。
まあ、その辺の勘違いを含めてジョーという人格だということなのかもしれないが、それならば、ジョーをもうちょっと丁寧に描くべきだったかな…と感じる。
誰しもが、「仕事しろよ」と言いたくなるわけだが、頑なに他の仕事はしない。何故そこまで男娼にこだわるのか、それも何故カウボーイスタイルにこだわるのか。何故ニューヨークなのか。何度も挟まれるジョーの回想シーンから、それを判断しろ…ということなんだと思うが、いまいち腑に落ちない…というか、スパっと繋がらない。おばあさんの恋人のこと?自分の恋人がレイプされたこと?大体にして自分が犯人扱いされたことは、事実なの妄想なの?等々。
逆にラッツオの生い立ちが全然語られない。ジョーの回想がおもしろくもなんともなかったこともあり、そっちが気になってしかたがなかった。情報を与えられた方の興味を失ってしまい、逆に情報が不足している方に興味が沸いてしまうという、情報ツンデレ現象だな。
殺伐としやニューヨークの片隅で、ドブネズミのように生きる、2人の奇妙な友情を描いているのだが、いかにのニューシネマという感じ。ノンポリで、観客をどこに誘導するでもない。ニューシネマ作品は、意外と政治的なメッセージ性が直接的に出ているものが多いから、個人的には好みの匙加減に仕上がっていると感じた。
あのパーティってアンディ・ウォーホル主催っていう設定なんだね。そこは1970年前後のサイケな雰囲気が満載。だけど、その他は古いと感じさせないね。だからなんだ…ってストーリーなんだけど(まあ、それがニューシネマ)、目が離せない演出。お薦めかな。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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