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公開年:2002年
公開国:フィンランド、ドイツ、フランス
時 間:97分
監 督:アキ・カウリスマキ
出 演:カティ・オウティネン、マルッキィ・ペルトラ、マルック ペルトラ、アンニッキ・タハティ、ユハニ・ニユミラ、カイヤ・パリカネン、ユハニ・ニエメラ、カイヤ・バカリネン 他
受 賞:【2002年/第55回カンヌ国際映画祭】審査員特別グランプリ(アキ・カウリスマキ)、女優賞(カティ・オウティネン)
【2003年/第38回全米批評家協会賞】外国語映画賞(アキ・カウリスマキ)
コピー:人生は前にしか進まない
ヘルシンキを訪れた一人の男が、公園のベンチで突然暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負う。彼は病院で奇跡的に意識を取り戻すが、一切の記憶を失っていた。身分証もなく自分の正体がわからぬ彼に、コンテナで暮らす一家が手を差し伸べ、彼らと共に穏やかな生活を送り始める。ある日、救世軍の炊き出しを貰いに行くと、そこで救世軍の女性イルマと出会い、好意を抱くのだが…というストーリー。
昨日の『ヴェラ・ドレイク』と同様、場面の繋ぎ方に非常に特徴のある作品。観ていただければわかるのだが、場面の切り替わり直前に、見得を切ったような演技とか、突然中空を見つめてスタスタと動いたりとか(ジョジョ第三部のラストのコマみたい)、とにかくキメようとするのが実に面白い。こういう書き方をしちゃうとコミカルな映画かと誤解されるかもしれないが、そうではなく、実の味のある表現。
随所随所のセリフもかっこいいのが多く、「俺がうつ伏せに死んでいたら仰向けにしてくれればそれでいい」とか「バカだなあ」とか、とにかく、ワンシーンのどこかでキメようキメようとする。
記憶を失くした男の話なんて、けっこう凡庸だとは思うが、これら演出の波状攻撃と、コピーにあるように、とにかく前に前に展開するのが小気味良い。記憶を失くしたからこそ発揮される裸の人間性。実にステキ。
#めずらしく、うまいことつけたコピーである。
気付く人も多いかと思うが、主演のマルック・ペルトラは、『かもめ食堂』にちらりと出ている。本作でも、離婚が判明して新たな門出…という時に入るレストランが日本レストランで、箸で寿司を食べ、バックには日本の歌が流れる(ホノルル~♪、、、(笑))。フィンランドと日本の文化交流だね(そうか?)。
中年男女(それも十人並みの容姿)の恋愛なんてちょっと気持ち悪いと思うかもしれないが、ものすごく味のある、映画らしい映画なので、是非是非観て欲しい。強くお薦め。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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