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公開年:2001年
公開国:アメリカ
時 間:120分
監 督:イアン・ソフトリー
出 演:ケヴィン・スペイシー、ジェフ・ブリッジス、メアリー・マコーマック、アルフレ・ウッダード、デヴィッド・パトリック・ケリー、ソウル・ウィリアムズ、ピーター・ゲレッティ、セリア・ウェストン、アジャイ・ナイデゥ、コンチャータ・フェレル、キンバリー・スコット、ヴィンセント・ラレスカ、ブライアン・ホウ、ピーター・マローニー 他
コピー:パックス星からやって来たという謎の男 彼には人の心を癒す不思議な魅力があった…
ニューヨークの駅。不審な態度のために警察に連行されたプロートは、自らを1,000光年彼方のK-PAX星からやって来た異星人だと名乗ったため、精神病院に送致される。プロートの治療には精神科医のパウエルがあたったが、当初は単なる妄想症と判断していたが、落ち着いた言動や理路整然とした高度で緻密な説明に疑問を抱き始める。さらに、プロートは他の患者たちにも影響を与えはじめ、患者たちがみるみる回復していく…というストーリー。
SFでもあり、ミステリーでもあり、ファンタジーでもあり、ハートウォーミングムービーでもあり、様々な要素が盛り込まれているのだが、真実は何か?ということよりも、いったいどの要素の倒れるのか?という方に気が向いてしまう。『34丁目の奇蹟』と同じギミックだが、本作のほうが巧みかも。その巧みさの裏には、“悔いのないように前向きに人生をおくれよ”みたいな、実に優等生的なテーマは潜んでいると思う。それも悪くない。
一点だけ不満を言う。世の中では、プロートの正体が、精神を病んだ人だったと捉える人と、宇宙人だったと捕らえる人とまっぷたつに別れるようなのだが、K-PAX星の軌道についての説明がができてしまったのだから、悲しい過去を背負った妄想患者だとすると、辻褄が合わない。いくら星マニアだとしても、知りうる知識には限界はある。そうなると、やはり、悲しい親友の肉体を借りたK-PAX星人という結論しか導き出せなくなってしまうので、もうちょっと、宇宙の知識に関しては、想像力が旺盛な人ならば偶然当たらなくはないかも…という表現になるように工夫してほしかった。
本作はまったく受賞歴がない。2001年のオスカーは、作品賞も脚本賞も、確かにノミネート作はに粒揃いで、食い込むのは難しかったかもしれないが、決してヒケはとっていない。アメリカ人には、このハッキリしないふわっとしたオチを受け止められないだけのことだろう。現在のオスカーのように10作品ノミネート方式なら、間違いなく選ばれていたはず。傑作とまでは言わないが、隠れた秀作である。未見の方は、是非どうぞ。お薦めする。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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