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image1221.png公開年:1984年 
公開国:アメリカ、イギリス
時 間:136分
監 督:ローランド・ジョフィ
出 演:サム・ウォーターストン、ハイン・S.ニョール、ジョン・マルコビッチ、ジュリアン・サンズ、クレイグ・T・ネルソ 他
受 賞:【1984年/第57回アカデミー賞】助演男優賞(ハイン・S・ニョール)、撮影賞(クリス・メンゲス)、編集賞(Jim Clark)
【1984年/第50回NY批評家協会賞】撮影賞(クリス・メンゲス)
【1984年/第10回LA批評家協会賞】撮影賞(クリス・メンゲス)
【1984年/第42回ゴールデン・グローブ】助演男優賞(ハイン・S・ニョール)
【1984年/第38回英国アカデミー賞】作品賞、主演男優賞(ハイン・S・ニョール、サム・ウォーターストン)、撮影賞(クリス・メンゲス)、プロダクションデザイン賞、編集賞、音響賞、新人賞(ハイン・S・ニョール)

1973年。アメリカを後楯にしたロン・ノル政権とポル・ポト率いる革命派勢力赤いクメールによるカンボジア内戦を取材するアメリカ人シドニーと現地記者のプラン。赤いクメールが台頭し、アメリカ軍は撤退を決定したため、シドニーはプラン一家をアメリカに亡命させようとするが、プランは記者としての使命を全うしようと考え、自分だけは残ることを決める。その後も取材活動を続ける二人だったが、赤いクメールによる支配が進み、記者たちも退避を余儀なくされる。しかし、カンボジア人であるプランは一緒に出国できないため、偽造パスポートを作成して亡命させようと画策するのだが…というストーリー。

実話ベースだが、あくまで記者(シドニー)の目線で書かれた書籍が原作であり、人間関係や現場の状況がどこまで正確かは微妙だろう。公開当時、赤いクメールの台頭の過程など、カンボジアの政局については、描写が不足しているという指摘があったようだが、別にそれを追ったドキュメンタリーでもあるまいし、映画としてはさほど重要ではない。大筋は間違っていないだろうし(現在70歳すぎくらいの、当時知識人といわれた共産かぶれの方々の考え方は、私にはさっぱりわからないので、そんな瑣末な指摘なんかどうでもいいのだが)。

実話ベースの話といっても様々であるが、本作のように淡々とイベントを羅列していき、主義主張をみなまで言わない手法は非常によろしい。淡々とすることで、かえって、ダイレクトに戦争のことを考えさせてくれる。映画というのは、考えの押し付けではなく、考えさせることに美徳があるのだ。それは、社会問題だろうが環境問題だろうが、はたまた娯楽作品でも同じ。笑いのツボまで手取り足取りで、ほら笑うところはここですよ…なんてのは、クズなのだ。
#改めて『オーシャンズ』がクソ映画であることを確信。

本作は、前半と後半で趣を大きく異にする。前半はかなりモタモタしているように感じられ、個人的は好きではないのだが、後半のプランの逃走過程は、不謹慎だとは思うが純粋に映画として愉しめてしまった。プランを演じているハイン・S・ニョールは演技経験のない素人だったらしいが、それが何ともいえない緊迫感に繋がっている。事実との照らし合わせとなると、突っ込みどころが多々あるんだろうけど、とにかく最後は、「よかったねえ」と素直に感じてしまい、めずらしくピュアな自分を発見してしまった(笑)。

それにしても、こういう映画が自国でつくられ、どれだけ批判があったとしても、他国のことに首を突っ込んでは後始末もできずに去っていくことを何度も何度も繰り返すアメリカ。遺伝子レベルでアホなのか。シドニーが帰国したアメリカのショットには、ワールドトレードセンターが写っている。アメリカは他国に軍を送るたびに、もっともらしい理由付けるけれど、実は単に本能で行動しているだけなんだな…、理性でどう思っても本能ゆえの行動だから抑えようが無いんだな…と。

こういうと誤解する人もいるかもしれないので、一応断っておくけど、キリングフィールドに累々と横たわる死者はアメリカとの戦争の被害者ではなくって、ポルポト政権下の労働キャンプと粛清(内ゲバ)による虐殺によるものである。原始共産主義を標榜したボルポトと毛沢東がが闊歩した後には、死屍累々である。ちなみ、色々な機関が、ほぼ100万人超が死んだと算定している。歴史上、こういう事例が多々あることを考えると、人類には“アポトーシス”プログラムがあるように思えて仕方が無い。その発動条件は何なのか。その探求こそ歴史教育・歴史研究の目的なんだろうな…と思う次第である。
今の日本の構造的に社会的弱者をつくる状況も、緩やかなアポトーシス”プログラム発動中なのかな…と思うと、ちょっと怖い。

まあ、それはそれとして、非常に重い内容なのに、見てよかったと思わせるすばらしい作品(いままで、こういうのは観たことがなかったかも)。未見の人は是非観ていただきたい。

#・マルコヴィッチはクソ人間を演じさせたらピカ一だなぁ。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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