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公開年:2007年
公開国:スペイン、メキシコ
時 間:108分
監 督:J・A・バヨナ
出 演:ベレン・ルエダ、フェルナンド・カヨ、ロジェール・プリンセプ、ジェラルディン・チャップリン、マベル・リベラ、モンセラート・カルーヤ、アンドレス・ヘルトルディクス、エドガール・ビバル 他
受 賞:【2008年/第22回ゴヤ賞】脚本賞(セルヒオ・G・サンチェス)
コピー:愛を信じたら、本物の光が見える。
海辺に建つ古い孤児院を買い、医師である夫カルロスと7歳の息子シモンと暮らすことにしたライラ。彼女は昔、この孤児院で生活しており、里親に引き取られて30年が経つ。現在は閉鎖されているこの孤児院を、障害を持つ子どもたちのための施設として再建するつもりだ。開園準備を進めるさなか、シモンがに見えない子供たちが見えるといい始め、さらには彼ら遊ぶようになる。不安を覚えつつも、施設のオープンは近づき、開園を祝うパーティが催されたが、その場でシモンが忽然と姿を消してしまう。警察も加わって捜索が行われたが発見に至らず。ラウラは精神的に衰弱しながらも、必死にシモンの行方を追い続ると、孤児院に秘められた過去にたどり着く…というストーリー。
スペインの映画観客動員記録を塗り替えて、7つのゴヤ賞を受賞して、フランスのジェラールメール・ファンタスティック映画祭でグランプリを獲得したという、華々しい肩書きの本作。ここまで評価されているのだがから、さぞや…とハードルがあがりまくったのがいけなかったか。それとも根本的に趣味が合わなかったか。結果を言ってしまうと、可もなく不可もなくという評価である。
ばぁさんが女性にアタックしてくる点は『スペル』と同じなんだけど、足場が違うというか、監督の境地が違うというか。
緊張感をずっと維持できていることと、ジャパニーズホラー的な情愛とかの絡め方はよい点だとは思う。そう、ジャパニーズホラー的というキーワード。効果音の大きさとか、どっきりポイントのズラし具合とか、前半の引っ張りに比べて後半がしぼむ感じとか、西洋ホラーとか趣が異なる。もしかすると、そういうテイストがスペインではウケたのかもしれない。
ただ、それだけなら、同様に評価できたのだが、どうも気になる点が散見され、乗っかりきれなかった。
(以下、ネタバレ)
色々あるので箇条書きになってしまうが…。
・幽霊でした、、で片付けられて、ふわーっと終わってしまうと、「はあ、そうですか」としか言いようが無い。
・閉じ込めてしまったというオチは、鉄パイプが「ガンッ」ってなったところで、多くの人の頭をよぎったと思われる。
・広い屋敷で行方不明になったのだし、さらに子供は病気で倒れている可能性があるのだから、見取り図で入ることが可能な部分はすべて捜索するのが警察の仕事では?いや、それも霊の仕業だったんだよ…と、思い込もうとしたが、どうしても納得できず。
・ベニグノが犯行に及んだ心情・経緯をもっとクローズアップしたほうがよい。どう考えても第一容疑者なのに、逃げ切れている状況も説明してほしい(はじめは容疑者だったが、別の有力な容疑者が浮上して放免になったとか)。
・「母の愛」はわかるが、なぜ異様なまでに情愛を発揮するのか、バックボーンのエピソードがあってもよい。
私は、ラウラが子供たちの死に実は関わっているとか、もっと危機一髪な状況だったとか、下手に演出がうまいせいで、後半はたくさん想像してしまったのだ。でも、その結果、閉じ込めちゃってました、幽霊でした…と、想像を遥かに下回る凡庸なオチに。軽く落とし穴にはまった気分。
そう考えると、同じように杜撰なら、『スペル』のほうが割り切っていてよかったかな。だけど、決してお薦めできないわけではない。おそらく好みの問題。女性のほうが母性的に共感できて、良いと感じるかもしれない。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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