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公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:138分
監 督:マーティン・スコセッシ
出 演:レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングズレー、ミシェル・ウィリアムズ、エミリー・モーティマー、マックス・フォン・シドー、パトリシア・クラークソン、ジャッキー・アール・ヘイリー、イライアス・コティーズ、テッド・レヴィン、ジョン・キャロル・リンチ、クリストファー・デナム 他
コピー:全ての“謎”が解けるまでこの島を出る事はできない。
ボストンの沖合に浮かぶ孤島シャッター アイランドには、精神疾患のある犯罪者を収容する病院があったが、厳重な監視下にあったにも関わらず一人の女性患者が行方不明となる事件が発生。激しい嵐の中、連邦保安官のテディとチャックが派遣される。2人は、患者たちへの聞き込みを開始するが、なぜかテディは事件と無関係な“アンドルー・レディス”という人物について探りを入れ続ける。その人物は、彼のアパートに火をつけ妻を殺害した放火魔で、レディスがこの病院に収容されていることをしていたのだった…というストーリー。
先に、これから観る人へのポイントを言ってしまう。これから観ようという人は、本作は謎解き映画ではないことを把握すること。自分もシャッターアイランドの空気に浸っているように、身を委ねて観ること…をお薦めする。
以下、ネタバレ。
結局、妄想モノ&自分が犯人(っていうか原因)モノのミックスなので、どこかで観たような気になるのは否めない。トラウマの苦痛やストレスからの回避のために記憶を作り上げ、ストーリーが進むにつれて事実が見えてくる…っていうギミックなら、『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』と同じ。そっちを観ていなければ、本作の印象も違ったかもしれないが、閉塞感や狂気の具合は、『スパイダー~』のほうが上は気もするので、この謎解き部分を取り上げて、サイコスリラーの傑作というのは、私には憚られる。
スコセッシは、現実の中をうまく泳げないキャラクターをよく登場させるけれど、本作の主人公はまさに直球でそれ。十字架を背負っている役は彼なわけだが、その道程は延々と繰り返す無間地獄。スコセッシは、何度も何度も同じ妄想を繰り返さざるを得ない、この刹那くも悲しい空気を表現したいのであって、謎解きを愉しんで欲しいわけではないはず。公開時のCMでは、“驚愕のエンディング”的な感じで煽っていたが、確かにCMのデキは良かったし、私も観にいこうかな?と心が揺れたほどだったが、あまりにも謎解きを前面に出しすぎたため、逆効果のミスリードになっている。
どこか違和感を感じさせたり、錯視させる演出も効果的。各役者の演技が微に入り細を穿ちといった具合で、多数の演者に対する指導が行き届いていることが良くわかる。、この濃い霧のような空気感に漂うよに本作を観られたら、さぞかし愉しめたと思うのに、謎解きに意識を持っていかれたせいで、必要以上に懐疑的に見たりアラを探すことに注力してしまった。もう、とりあえず集客に一番効果があれば、客がどう思うかなんて知ったことか…的な仕事はやめて欲しい。日本の配給会社よ。
実は、なかなか秀作だったのに、身内の配給会社に台無しにされた残念な映画。スコセッシは日本でのプロモーションをした人間を2発くらいグーで殴る権利がある。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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