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image1351.png公開年:2008年
公開国:日本
時 間:115分
監 督:英勉
出 演:谷原章介、塚地武雅、北川景子、佐田真由美、池内博之、大島美幸、本上まなみ、佐々木希、山本裕典、伊藤明賢、住田隆、ブラザー・トム、温水洋一、中条きよし、伊武雅刀 他




海外で修行したほどの腕前を持ちながら、母親が遺した定食屋“こころ屋”を営む琢郎・33歳。料理の味もさることながら心優しい性格でご近所では人気者。しかし、その容姿はデブでブサイクなため、女性にはまったく縁がない。ある日、突然美人の寛子がバイトに申し込んでくると、一目惚れして即採用。勢いで告白してしまうが、あっさりフラれてしまう。落ち込んだ琢郎が、友人の結婚式のために紳士服店にスーツを買いに行くと、そこの店長が、着るだけでハンサム男に変貌できる“ハンサム・スーツ”を薦める。とりあえず試供品を使ってみるのだが、ハンサムの恩恵により今まで味わったことのない経験の連続で、舞い上がってしまう。そして、街中を歩いていると、モデルにスカウトされて、光山杏仁という名前でデビューすることになり…というストーリー。

リアリティがどうのこうのいうような話ではないのは、DVDジャケットの画像を見れば判るわけで、そんなことは期待していない。むしろマンガチックに振り切れてくれれば良い。しかし、笑いたくてもひっかかりが多すぎて、如何ともしがたい。

ブサイクな自分にうんざりするのまではわかる。ハンサムになれるスーツを着ておもしろいと思うのも判る。今まで自分が経験できなかったことをやってみようと思うのもわかる。しかし、それで「オレってすげー」みたいな感覚になるのがわからん。
「よーし、いい物もらったから、ストレス解消しちゃえ!」とか「悪いことしちゃおう」ならわかる。でも、他人の容姿で好きな人に告白してしまうのって、変じゃないか? だって、モテても自分じゃないのはわかってるわけだから。そういう態度って、自分自身の完全否定。主人公のアイデンティティの崩壊でしょう。
アイデンティティが崩壊しているということ、そしてそれを愉しんでるってことは、自分を捨てたのと同意。つまり自殺したのと同意である。自殺した人間に共感できるか? できるわけがない。だから、観ていても話に入り込めない…というあたりまえな話。ちょっとしたイタズラ心で他人になりすまして、戻るに戻れなくなっちゃった的な展開にすべきだった。

そういう根本設定の問題だけでなく、ストーリー展開でもイマイチな点が満載。
カリスマモデルという設定でありながら、友達の友達でした…っていう、無理やりな設定。いくら、変身後と変身前が対面させられそうになるピンチな状況をつくりたいからといって、稚拙すぎる。

北川景子もが逆スーツを着てるってのは、森山中・大島が登場したところで、9割の人間が判る。別に判ること自体は(まあ稚拙な演出だとは思うが)問題はない。しかし、まるでそれをこの物語の最大のドンデン返しみたいな感じで、長々とネタばらしするラストのくだりは、うんざりする。言わずもがなでサラっとうまいこと表現できないことが、シナリオとしてレベルが低い。

後、勝手に他人をパシャパシャ写真に撮るんじゃねえっ!とか、買ったばかりのガリガリ君が溶けかけとか、小道具くらいちゃんと仕込めや!とか、東京ガールズコレクションのステージで、モデルが立ち止まったから音楽が自然に消えるとかありえねえだろ! とか…。このシナリオに対して誰も指摘しないとか、ありえないでしょ。

バラエティ番組で、笑おうと思っても、ちょっとそれはイジメなんじゃないの?とか、やりすぎて笑えないんだけど…とか、配慮が無さすぎなんじゃない?とか、多々見られるでしょ。あれと一緒。考えが浅いんだと思う。って思って調べたら、原作も脚本も鈴木おさむだった。だれも、鈴木おさむにツッコむ人いないんだな。王様状態かよ。クリエイターとしては、かえって不幸だよなぁ。

でも、最大のトホホポイントは、北川景子が美人のアイコンとして登場するのに、森山中・大島演じる本江さんのほうが、完全に魅力的に見えてしまっているというところか。むしろ、ブスーツを脱いだほうがガッカリするという、ある意味ものすごいシュールさ(夫としてはしてやったりか?)。大体にして、本当の自分を見て欲しかったといっても、その“本当の自分”とやらを寛子の時に発揮できていないだけにしか思えないんだけどね。

日本コメディ映画で、最低の部類かもしれない(実は、途中で観るのを何度も止めてる。ブログに書くネタがなくなるから仕方なく最後までつきあっただけ)。




負けるな日本 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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