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公開年:2011年
公開国:日本
時 間:114分
監 督:石井克人
出 演:妻夫木聡、永瀬正敏、松雪泰子、満島ひかり、安藤政信、津田寛治、森下能幸、寺島進、松田翔太、大杉漣、阿部力、我修院達也、テイ龍進、島田洋八、清川均、高嶋政宏、小日向文世、土平ドンペイ、友光小太郎、結田康太、江藤純、山本竜二、田中聡元、松原誠、城明男、加治木均、黒石高大、戸井悠太、松山尚子、川村寧麿、前野朋哉、近藤フク、山口あゆみ、南優、眼鏡太郎、星野あかり、夏川亜咲、外川貴博、内ヶ崎ツトム、伊方勝、もてぎ弘二、天乃大介、歌川椎子、紺野萌花 他
25歳の青年・砧涼介は、役者の夢に挫折して、日々ダラダラと過ごしていたところ、つまらないパチスロの儲け話にひっかかり、300万円の借金を追わされてしまう。返済のため、裏社会の便利屋・山岡のに斡旋する秘密の運送屋“スマグラー”の仕事をするハメに。仕事を仕切るジョーとその相棒ジジイとともに、ワケありのブツを運ぶ仕事に。しかし、初仕事で運ぶ荷物は、田沼組組長の死体だった。一方、組長が殺された田沼組では、幹部の西尾、河島らが躍起になって犯人を捜索。やがて、チャイニーズマフィアの伝説の殺し屋、“背骨”と“内臓”の仕業であることが判明する。組長の若妻・田沼ちはるは、組員たちの様子を冷ややかに見ていたのだったが…というストーリー。
マンガ原作らしいのだが、だからといっていかにもマンガだなぁ…という“臭さ”を残す必要はない。どの部分を言っているかというと、終盤の安藤政信演じる“背骨”を永瀬正敏演じるジョーが銃で襲撃するシーンである。シュタタターと銃弾を避けて天井までゴキブリのように高速で登る。興醒め。台無し。
そのシーンの前にも“背骨”の常人を超えたムーブを見せる場所は多々あったが問題はなかった。いや、むしろ、アクションシーンとしては、素晴らしい(アクション監督はなかなかの才能だと思う)。だが、このCGによるアクションは“クソ”。おそらく経験が浅く安価だったんだと思うが、つまらないところでケチってしまったなと思う。安藤政信も永瀬正敏も非常に良い演技だっただけに、残念なシーンだ。
妻夫木聡演じる主役の砧は、巻き込まれ系のキャラクターだが、主役というほど軸でもないし、狂言回しという役回りでもない。彼が主役であるためには、映画の中で変化、成長をする必要がある。何でも諦めちゃうダメ青年が、どう成長するか…という部分。
大杉漣と松田翔太演じる警官にバレそうになったときに、火事場のクソ力を発揮するシーンでは、変化、成長の片鱗が伺えるが、それ以降はさっぱり描かれない。終盤で高嶋政宏演じる河島に拷問されるわけだが、そこに到達するまでは周囲に流されるだけ。で、最後の最後で、一皮向けるという演出なのだが、なんで拘束具が外れるのか…という肝心の部分がよくわからん。
主人公による軸が作れないなら、群像劇のようにすればいいのだが、その他のキャラのバックボーンを描こうという演出は特にない。シナリオの構成が悪いってことなんだろう(って、シナリオも石井克人が書いてるんだけど)。
一方、松雪泰子のゴスロリキャラをはじめ、脇を固める役者陣は、かなりいい仕事をしている。高嶋政宏はちょっとやりすぎか?と思わせるところだが、ギリギリの線を探った仕事だと思う。“現場”清掃のおばちゃんたちまでいい演技だ。妻夫木聡はいつもどおりの凡庸な演技に見えるが、逆に何の色もない若者を演じさせたら右に出るものはいないんじゃないかと思い始めてきた。案外、長くやっていける人なのかも。
唯一、イマイチだったのが、満島ひかり。無表情で抑揚のないしゃべり方で、ちょっとツンデレというキャラクター。そういう演技を求められたのかもしれないが、正直、また同じかよ…って感じで、この手の演技は飽きた。旬な人ではあるけど、今一つ変化がないと、このまま消耗して終わってしまう予感がする。
役者陣のいい仕事と、アクション監督のいい仕事によって救われて、なんとか凡作に留まった作品。もう一度言うが、シナリオの構成さえしっかりできていれば、間違いなく快作になっていたはず。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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