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公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:95分
監 督:ヤン・サミュエル
出 演:ラッセル・クロウ、カン・リー、ルーシー・リュー、バイロン・マン、RZA、リック・ユーン、デヴィッド・バウティスタ、ジェイミー・チャン、ダニエル・ウー、パム・グリア 他
コピー:鉄の拳でぶっつぶせ!!
19世紀の中国。武装グループの猛獅会と群狼団による抗争が続く叢林村。そこで鍛冶屋を営む黒人の男性ブラック・スミスは、両グループから特注の武器の製作を注文される。鍛冶屋の男は、娼館で働くレディー・シルクを愛しており、彼女を身請けするために金を稼ぐ必要があったのだ。そんな中、政府の総督から猛獅会が近海の輸送を依頼される。しかし、猛獅会の首領・金獅子が、部下の銀獅子と銅獅子に裏切られ殺されてしまう。銀獅子は叢林村一帯の独占を目論んで群狼団を襲撃し殲滅。おそらく自分を復讐しにくるであろう金獅子の息子ゼン・イーにも暗殺部隊を差し向ける。“X刀”の名手ゼン・イーは善戦したものの、全身を真鍮に変化させる特殊能力を持つ殺し屋・金剛によって瀕死となるが、ブラック・スミスに匿われて一命を取り留める。一方、金塊輸送の噂を聞きつけて、各地から無法者が叢林村に集まってきて…というストーリー。
ルーシー・リューは、まあわからんでもないけど、ラッセル・クロウが出るようなレベルの作品か?と誰しも思うところ。
監督で主演のRZA(主演だよね?タイトルになってるアイアン・フィストをつけているのは彼だし)は、なにかラリってるような目線と、いまいち締まりの無いお顔。脇役ならまだしも、彼が主役級を演じることで、だれが主役なのかわからなくなって、話がボケてしまうという悪影響が生まれていると思う。本当に“顔じゃない”を地でいっている。同様にメインキャストのリック・ユーンとかバイロン・マンという東洋系の俳優たちが、中途半端な演技でだらしない。所詮は“キワモノ”扱いなのだから、爪痕を残してやる!くらいの、ユニークな演技をしてほしかった。
そういうキャスト面での難点を差し引いても、群像劇っぽく描こうとしていることが仇となっていると感じる。もっと主役の鍛冶屋を“太く”描くべきで、それが難しいなら、ラッセル・クロウを演じるジャック・ナイフのエピソードを濃くするとか、複数になってもいいから話の奔流を太く描くべきだった。マダム・ブロッサムの話だって、掘り下げようとすれば、そこだけで一本映画ができそうなくらい濃そうなんだもん。なんでもかんでも盛り込みすぎなんだろう。
実は、振り返ってみると、よくできたお話だったりする。原案も脚本もRZAによるもので、かなり思い込みもあったのだろう。むちゃくちゃだけど、逃げてきた黒人奴隷という設定も悪くないし、母親が地味にパム・グリアが演じているのなんて、嫌いじゃないわ。
この人は脚本の才能はあるのだと思う。ところが、なぜか安っぽさだけが際立ってしまった。香港映画の“チープさ”の再現は、あえてやっている…という感じを出さねばいけなかったのだが、普通にチープに見えてしまっている。なぜか。
やりたいことはものすごくわかる。深夜とかに突然放送されるカンフー映画、たいして面白いストーリーじゃないし、穴だらけの設定だったりするけれど、独特の世界観のせいなのか、魅入っちゃうアレ。アレを再現したくなる気持ち、あの世界に入り込みたくなる気持ちは理解できる。
作り物ゆえの小奇麗なセット、普通にきれい過ぎる画質、が逆にうそ臭い。汚れたお話なのだがら、画面をも汚すべきだった。結局は“空気”、雰囲気を作ることに失敗しているのだと思う。なんでもかんでも自分でやらないで、自分のやりたいことを理解してくれる同志にまかせるところはまかせないと、いけないんじゃないのかな。
本作自体は凡作中の凡作だけど、ロバート・ロドリゲス監督でリビルドさせたら、シリーズ化できそうな気がする。そのくらい脚本自体は悪くない。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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