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公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:122分
監 督:ヤン・サミュエル
出 演:ジェームズ・マカヴォイ、ロビン・ライト、ケヴィン・クライン、エヴァン・レイチェル・ウッド、ダニー・ヒューストン、ジャスティン・ロング、アレクシス・ブレデル、ジョニー・シモンズ、コルム・ミーニイ、トム・ウィルキンソン、ジェームズ・バッジ・デール、トビー・ケベル、ジョナサン・グロフ、スティーヴン・ルート、ジョン・カラム、ノーマン・リーダス 他
コピー:彼女の罪。それは、最期まで秘密を守ろうとしたこと――。
1865年。南北戦争の終結直後、リンカーン大統領が南軍の残党に暗殺される。主犯の有名俳優ジョン・ウィルクス・ブースは逃亡中に射殺されたが、他に8人が共犯として逮捕される。その中の唯一の女性メアリー・サラットは、下宿屋の経営者で2人の子供を育てる未亡人だった。世間の声は一刻も早く被告たちを処刑することの望んでいたが、元司法長官のジョンソン上院議員は、彼女がただ犯人達に宿を貸したという理由だけで逮捕されたことと、彼らが民間人であるにも関わらず軍法会議で裁かれようとしていることに意義を唱え、弁護を引き受ける。しかし、ジョンソンは南部出身で、メアリー・サラットも南部出身だったため、裁判が北部対南部という構図になっては、勝ち目がないと考えた彼は、元北軍大尉で弁護士の資格を持つフレデリック・エイキンに弁護を依頼する。しかし、エイキンも、暗殺者たちに強い憎しみを抱いており、一旦はその依頼を固辞するが、押し切られてしまう。エイキンと面会したメアリー・サラットは、毅然と無罪を主張。そんな彼女の態度に、何かを感じ取ったエイキンは…というストーリー。
スピルバーグの『リンカーン』は暗殺された直後に終了するが、まさにその時点から本作はスタートする(『リンカーン』は2012年で本作のほうが早く公開されている)。『リンカーン』がオバマ政権で調子にのった民主党支持者によって作られた作品だとすれば、本作はたとえリンカーン個人が立派だったとしても、民主党のやつらなんかクソ人間ばっかりだ!と主張するような内容になっている。
リンカーンは、憲法修正を戦時下に行うことに執心したわけだが、民主党のやつらは、犯人達を軍事法廷で裁こうとする。戦争はすっかり終わっているのだから、そんなことをする道理はない。正確な手続き上は終結していないとか、最高司令官である大統領が殺されたのだから軍事法廷でもいいんだ!とか色々理由はつけられるのだろうが、三権分立を標榜している国家がそれをやっちゃあおしまいだ。リンカーンが死んだその瞬間から、憲法違反をやりまくる。民主党なんざ理念もなにもない恥知らずの無能集団だ!と、まさに本作はそう主張しているように見える。
そして、現在のオバマ政権の無能っぷりを見るに、私も民主党は、リベラルというもっともらしい外套を羽織った無能な腰抜けだと思っている。
本作は、北部の民主党勢力がいかにもっともらしいことをいっているだけの人間か。たまたま勝っただけで、鬼の首でもとったかのようにエラそうにしている、品性のない人間たちだ…ということを主張する作品なので、判事や検事だけじゃなく、民衆たちまでも、クソ人間だらけ。アメリカ合衆国憲法の理念に則って、法の精神に則って、エイキン弁護士は行動するのに、白い目で見られ、暴行され、社交クラブからは排除さら、恋人も離れていく。軍事法廷で負けても、人身保護礼状を取って民間裁判を受けさせようとするが、無視されて死刑が執行されてしまう。なんと、リンカーンが血を吐くようにして修正した憲法は、その直後に“死”んでしまっていたという皮肉。
エンドロールの前に、その後の最高裁判決で、メアリー・サラットに対して行われた軍事法廷は憲法違反であることが確認され、息子のジョン・サラットは釈放されたという顛末が語られる。一応、憲法も司法もなんとか回復されたという内容で終わっている(息子を守ろうというメアリー・サラットの希望がかなったという捉え方もできる)。
まあ、本作がやりたいことはわかるのだが、とにかく、エイキン弁護士はこれでもかこれでもかと、いじめられまくる。全編にわたって逆転できそうな雰囲気が一切ない。ということで、観ているのがものすごく苦痛なのだ(長さが3時間くらいに感じるほど)。そう、意義のある内容だとは思うが、作品としては、とてもとても観ていられない内容。本当は『リンカーン』の直後に連続して観るつもりだったのに、あまりに苦痛で途中でやめてしまったほど。さすがにお薦めできないなぁ。
#“声をかくす人”という邦題は、まったく意味不明。なんのことやら。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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