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公開年:2003年
公開国:フランス、ベルギー
時 間:94分
監 督:ヤン・サミュエル
出 演:ギョーム・カネ、マリオン・コティヤール、チボー・ヴェルアーゲ、ジョゼフィーヌ・ルバ=ジョリー、ジェラール・ワトキンス、ジル・ルルーシュ、ジュリア・フォール、レティシア・ヴェネチア、エロディー・ナヴァール 他
コピー:なぜだか いつも、からまわり
肺癌に犯されて余命わずかな母親を持つジュリアンは、ポーランド移民という理由でイジメられているソフィーに手を差し伸べる。それがきっかけで、あるゲームを始めることに。それは、相手が出した“条件”を何がなんでもクリアする。それを交互に繰り返すというもの。相手が仕掛けてきたら絶対にのる…それが鉄則。このゲームのおかげで、イジメられていることも、母親の病気のことも忘れられる2人だったのだが、次第にエスカレートしていき、授業中に汚い言葉を乱発したり、校長室でわざとおしっこを漏らしたり、ソフィーの姉の結婚式をめちゃめちゃにしたりと、周囲から白い目で見られるように。やがて大人になり、その友情は愛情に変わっていたのだが、お互いそれを認めることはかなった。相変わらずゲームだけは続けており、それは本心を隠して友情を継続するために儀式になっていた。やがて、それぞれ恋人をつくり結ばれるのだったが…というストーリー。
フランスらしい雰囲気の、ちょっとクレイジーだけど微笑ましいファンタジー調のコメディかな…と思っていたが、大人になってからテイストが一変する。
ジュリアンの母が死んだあと、息子の悲しみを緩和するために、ソフィーを泊まらせるジュリアンの父だったが(ものすごくソフィーを嫌っていたのに)、大人になってもそのまま一緒に寝ているという奇妙さ。あら、付き合ってるのかな?と思いきや性的な関係は一切なく、以前と同様にゲームは継続している。一風変わった“ゲーム”と表現されているのだが、これは交互に攻守を切り替えるSMプレー以外の何物でもない。この快楽におぼれた二人は、その“プレー”の快感から逃れられなくなっている。
どうやら、ソフィーのほうは自分の本心に気付いている模様なのだが、ジュリアンはソフィーとそういう関係になるなんてことは微塵も考えていない模様。この認識の差がさらなるすれ違いを生む。こんなプレーを延々と続けるわけにはいかないと(無意識に)考えたジュリアンは、別の女と結婚しようとするが、プレーの快感から逃れられないと考えたソフィーは結婚式をむちゃくちゃにする。
これによって、彼女の意図に反して別れ別れになる。絶望したソフィーは割り切って別の男(有名人)と結婚し、幸せな生活をおくることになる。むしろ本心を自覚していたおかげで、割り切ることができたといえる。
一方ジュリアンは、望んで普通の生活を選択したものの、その後で自分の本心に気付いてしまう。次はジュリアンが苦しむ番だ。まるで例のゲームが継続されているようだ。
あとは観ていただきたいが、すったもんだでゲームは再開されるが、お互い家庭をもった後に再開されたゲームは、子供の戯言では済まない。どういう結末を迎えるのか…。ラストの展開は、賛否両論だと思うが、私は嫌いじゃない。
現実逃避するための行いが、快感に変貌してしまい、その快感から逃れられなくなた二人。ただただ快楽に溺れた人間の先に待っている運命とはどういうものなのか。
世の中には、自分は無条件に庇護されるべきだとマイノリティを暴走させている者たちがたくさん存在するが、その末路はどういうものなのか示しているラストであるともいえる。
フランス作品の良さと悪さが、メーターを振り切って混在したような作品。収拾がつかなくなったお話を、ドラスティックなラストシーンでなぎ倒してくれた。悪趣味ではあったが、そこまでやってくれたら、逆に気持ちがよかったかも。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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