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公開国:アメリカ
時 間:92分
監 督:ティム・バートン
出 演:マイケル・キートン、アレック・ボールドウィン、ジーナ・デイヴィス、ウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラ 他
受 賞:【1988年/第61回アカデミー賞】メイクアップ賞(スティーヴ・ラ・ボート、ロバート・ショート、ヴェ・ニール)
【1988年/第23回全米批評家協会賞】 主演男優賞(マイケル・キートン『偽りのヘブン』に対しても)
ニュー・イングランドの田舎町に住む若い夫婦アダムとバーバラは、買い物の帰路、橋から自動車ごと落ちて死んでしまう。二人はいつのまにか自宅に戻っていたが、しばらくは自分が死んだことが自覚できずにいた。しかし、家から出ようとして異世界に紛れ込み、蛇のような怪物に襲われ、命からがら戻ると、屋根裏部屋に「新しく死者になった者へのガイドブック」というガイドブックが置かれていた。観念して自分たちが死んだことを受け止めると、金持ち一家がニューヨークから引っ越してくる。金儲けばかりを考えている父親チャールズ、前衛芸術家きどりの継母デリア、根暗な娘リディアの3人を見て、こんな人たちに自分の家に住んでほしくないと考えた二人は、一家を追い出そうと手を尽くすが、一向に効果がない。そこで、ハンドブックに書いてあった死後の世界のカウンセラーに相談してみようとするのだが…というストーリー。
荒削りでいかにもティム・バートンらしさが満開な本作だが、アメリカでは大変ヒットした。もちろん日本でも公開されたわけだが、デビュー作の『フランケンウィニー』は短編だったし、次の『ピーウィーの大冒険』は日本未公開だったので、実質本作がティム・バートンの初お目見え作品だといってよい。日本語吹き替え版の扱いを見ればゲテ物扱いされていたのがよくわかる。ハリー・ベラフォンテの「The Banana Boat Song 」の歌詞訳や、死後の世界のクリーチャーの名前など、小手先で笑いを取ろうとしているところなど、苦笑モノではある。
しかし、そのゲテもの扱いが、西川のりおのアフレコという奇跡を生んだわけだ。ビートルジュース演じているのが、マイケル・キートンだと分からないほどで、まさに怪演なのだが、吹き替えの怪演がそれを上回るという秀逸な出来映え(まあ、嫌いな人は嫌いだろうけど…)。純粋に振り切った演技を見せてくれている。『じゃりン子チエ』のアニメ版で声優の経験はあったわけだが、別にそれが生かされているとか、そういうレベルの話ではない。
翌年の『バットマン』で一躍メジャー監督になるわけだが、長編映画3作目で、スポ~ンと第一線に躍り出たのは、なかなかハイペースな出世だ。それだけに、ティム・バートンの手作り感が溢れる本作こそ、最後のハンドメイドという気がして、数あるバートン作品の中でも大好きなのだ。
この急激な出世は6年後の『エド・ウッド』によって、まるで先祖帰りのように、反メジャー的に作風として現れる。その後の『マーズ・アタック!』など、必ずしも一般ウケするとは言いがたい方向に傾いていくが、それは「自分の居場所はココだよ!」という彼の叫びに聞こえる。その“ココ”こそ、本作だと、私には思えて仕方がないのだ。
ストーリーの独自の世界観も秀逸だと思う。人は幽霊が見えないのではなく“見ない”とか、家から出られず自縛霊として100年以上もこのまま過ごさねばならないとか、何か東洋的な感覚との親和性も感じられる。なんだか判らないグダグダな展開で終盤を迎えながらも、なんとなく大団円で終わるあたりも、実にティム・バートンらしい。
愉快な娯楽映画という意味では、傑作だと思う。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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