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公開国:フランス
時 間:120分
監 督:グザヴィエ・ボーヴォワ
出 演:ランベール・ウィルソン、マイケル・ロンズデール、オリヴィエ・ラブルダン、フィリップ・ロダンバッシュ、ジャック・エルラン、ロイック・ピション、グザヴィエ・マリー、ジャン=マリー・フラン、オリヴィエ・ペリエ、サブリナ・ウアザニ、ファリド・ラービ、アデル・バンシェリ 他
受 賞:【2010年/第63回カンヌ国際映画祭】審査員特別グランプリ(グザヴィエ・ボーヴォワ)
【2010年/第36回セザール賞】作品賞、助演男優賞(マイケル・ロンズデール、オリヴィエ・ラブルダン)、撮影賞(カロリーヌ・シャンプティエ)
コピー:さよならを言わなければならない時に──ともに生きる
1996年。アルジェリアの郊外にある田舎村。アラブの国だが、そこにカトリックのアトラス修道院があり、7人のフランス人修道士と医師1人が、イスラム教徒の地元民と穏健に暮らしていた。特に、医師リュックの元には、診察を希望する村人が毎日たくさん訪れていた。しかし、アルジェリア国内では、イスラム過激派による内乱が激しさを増し治安が悪化。修道院から20キロほどの場所で、クロアチア人が殺害される事件も発生する。以後、武装した過激派がたびたび修道院に押しかけてくるように。なんとか説得して追い返すことができたが、修道士たちは、殉教覚悟で留まるか、フランス政府の指示に従って帰国するかで意見が別る。何度も話し合いを重ねた結果、留まることに決めた彼らだったが…というストーリー。
奇しくも、今、アルジェリアで邦人が拉致されたとニュースが入ったところ。本作は、1996年のアルジェリアで、7人のフランス人修道士がイスラム原理主義者ににより誘拐され殺害された実際の事件が元になっているらしい。でも、どこまで実話に近いのかよくわからん。
アルジェリアの歴史も情勢もよくわからないが、フランスの植民地だったようで、位置的にも地中海を挟んで対面で近い。本作はほぼ前編フランス語だが、現地はほとんどアラブ語でフランス語も通じるらしい。だから、予備知識がないと舞台がどこなのかさっぱりわからなかった。さらに観客を混乱するのは、アラブ顔の人々が住んでいるところに、カトリックの教会があるという、日本人には見慣れないシチュエーション。はじめ、カトリックの教会だと思わなくて、イスラムでもこんな坊主がいるんだな…と思った。修道士さんがコーランを読んで勉強していたりするシーンもあったし。
彼らはイスラム圏のアルジェリアに布教に来ているのだ。普通のムスリムさんたちは寛大だし、元々同じ神を崇める民同士なので、うまいことやってるんだろう。イスラム過激派のイメージで、彼らが異教徒に常に攻撃的なように思われてるけど、本来のイスラム教は他宗教を攻撃したりしないからね。
イスラム原理主義者が無茶をしだしたので、フランス政府も彼らに帰国指示を出すが、彼らはすぐに帰ろうとしない(というか修道士の間で意見がまとまらない)。まあ、フランスはアルジェリアで核実験やら好き勝手やってたわけだし、好かれるわけはないんだけどね。
まあ、一般のイスラム民と過激派は分けて考えないといけないがよくわかる作品ではある。作中でも、修道士が「まともにコーランも読まない」と嘆いている。
で、テロリストに襲撃されて、さぞやのっぴきならない状況に陥るのかとおもったのだが、1時間半を超えてもも、情勢こそ悪くなるが、全然襲撃されたりせず、教会の神父さんたちが帰国するか逃げるかを侃々諤々、議論し続けるだけ。
何で、これがカンヌで受賞してるのか、正直さっぱりわからない。危険な土地にとどまって布教した姿を称えたいのか。それならもっとピンチな状況を演出すればいいのだが、それほどでガチガチに緊迫した状況だったり、神経が衰弱するような状況に見えない。そりゃ、最後は誘拐されちゃうけど、ちょろっと押しかけられてさらわれるシーンがあるだけ。葛藤する彼らの苦悩する姿が見所なのかもしれないが、何だかんだいって腹をくくって布教にきているんだし、留まることがそれほど苦難ということもなかろう。さっき書いたように、ヤバそうだな…程度の状況で、それほどのっぴきならない状況にも見えない。
キリスト教徒は、彼ら修道士の姿を見て随喜の涙を流すのだろうか。もうしわけない。悪い作品ではないのだが、私にはよくわからない。そういう事件がありました…以外に私の心には何も残らなかった。すまぬ。
#とにかく、イスラム過激派の所業に正義はない。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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