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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:106分
監 督:スティーヴン・ソダーバーグ
出 演:ジュード・ロウ、ルーニー・マーラ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、チャニング・テイタム、アン・ダウド、ヴィネッサ・ショウ、カルメン・ペラエス、マリン・アイルランド、ポリー・ドレイパー、ジェームズ・マルティネス、メイミー・ガマー、ケイティ・ロウズ、デヴィッド・コスタビル 他
コピー:事件に潜む、もう一つの“副作用(サイド・エフェクト)”



収監されている夫の元を訪れるエミリー。4年もの間、孤独に耐え続けていた。夫マーティンは、ウォール街で金融関係の仕事をしていたが、結婚式の当日にインサイダー取引で逮捕されたのだ。ようやく出所したマーティン。一緒に生活をするはずだった豪邸は没収されており、二人はニューヨークの質素なアパートで新たな人生を歩みはじめることに。そんな中、エミリーは地下駐車場の壁に車を激突させて病院に運び込まれる。軽症ではあったが、診察した精神科医バンクスは、ブレーキ痕のない現場の状況などを鑑みて、自殺を図ったのではないかと推測する。エミリーは、過去に鬱病に発症しており、再発したと考えたのだ。エミリーが強く退院を希望したため、抗鬱薬の摂取と定期的なカウンセリングを受けることを条件に許可を出すバンクス。しかし、エミリーは地下鉄のホームで自殺未遂を起こしてしまう。憂慮したバンクスは、かつてエミリーを診断したシーバート博士に相談すると、エミリーがかつて抗鬱薬の副作用で睡眠障害や吐き気に苦しんでいたことを知る。折りしも、バンクスは新薬アブリクサの臨床試験に参加していたため、その薬の処方を提案。エミリーの同意の元、投与を開始すると、みるみるうちに症状が改善していった。ところが、ある日、マーティンの刺殺体が自室で発見される。通報したのは目覚めたエミリーで、凶器の刃物はもちろん部屋の中には、エミリーの指紋しか残されてしなかったのだ。彼女は殺人容疑で身柄されることになるが、アブリクサが原因ではないかという噂が広まり、製造元のサドラー・ベネルクス社の株価は暴落。処方したバンクス宅にも多くのマスコミが押し寄せることに…というストーリー。

虚虚実実。いつものソダーバーグ作品よりも、じっくりと緻密のまとめあげられていると感じる。極端に特異なキャラクターが登場しないし、派手なアクションもないというのも、他作と比較すると特徴的かも。ソダーバーグは本作で監督業から退くと聞いている。彼が監督した作品は、私にとってはほぼハズレ無しだったので、本当に残念。

イニシアチブをとっていると思っていたら、実は手の平の上で転がされていた…。何かおかしいと気付き、真相を突き止めるも時すでに遅し。家族との生活を維持しようと思えば思うほど、深みにハマっていく。
ダブルジョバティの禁止ということで、もう、法的に事実が表ざたになることもないし、主人公の生活が元に戻るわけではない(職場や妻の誤解を解くことは不可能)ところまで堕ちていく。ゼタ演じるシーバートが何でこんなに絡んでくるのか、なんでゼタがこの役なのか…と考えると展開が想像できてしまいそうなものだが、前作『ドラゴン・タトゥーの女』でリスベット役だったルーニー・マーラの演技が、それを覆い隠してくれる。彼女は、いずれなんらかの賞を獲るような女優になるだろう。

そこまでとことん追い詰められてしまうと、後はドラスティックな“狂気の反撃”。そういう展開か?なんて、凡人の私はそう考えてしまうわけだが、短絡的な展開ではなく、じっくりと反撃する大人のテイストになっている。金が目的だったのならば、殺人ではなくそっちの方向でハメ返してやる!ということだ。予想を上回るいい展開になっている。

難点をいうと彼女たちの“儲け”の手口が、いまいちすっきりしないことか。エミリーが投資の手口(というかインサイダー取引のノウハウ)を指南したというのはいいが、医者が大儲けしちゃったらやっぱりインサイダー取引とか疑われるんじゃないのかな? それに、カラ売りとかプットオプションとか、株価が暴落しても設ける手法があるということを、観ている人がわからないと、なんかモヤモヤしてしまうと思うだろう。

絶望的に破滅的な展開だったわりには、救いのある終わり方も好み。お薦めしたい。
#エンドロールが、ロールアップしないのも、なかなか新鮮。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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