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公開年:2007年
公開国:韓国
時 間:125分
監 督:ウォン・シニョン
出 演:キム・ユンジン、キム・ミスク、パク・ヒスン、チャン・ハンソン、チェ・ミョンス、チョン・ドンファン、ヤン・ジヌ、オ・グァンノク、イ・ラヘ、イ・ジョンホン、オク・ジヨン、チョ・ドッキョン 他
無罪を勝ち取り続け、勝率9割以上を誇る有名弁護士のユ・ジヨン。私生活では8歳の娘と2人暮らしのシングルマザー。ある日、娘が何者かに誘拐され、翌週に二審が開かれる殺人事件の裁判の弁護を引き受け、無罪を勝ち取れという指示が。しかし、事件の状況からみて、どう考えても無罪にできる要素はない。しかし、選択の余地もなく、旧友のキム刑事の力を借りて、事件の再検証を開始するのだが…というストーリー。
いきなりネタバレ注意。
観始めるとすぐに、デビッド・フィンチャー?と思わせる演出がグイグイ。ん?だからタイトルも“セブン”が付いてるわけ?最後の殺しのシーンもなんか『ソウ』みたいだぞ。この監督はハリウッド映画が好きなんだね。ウマく真似ているよ。
でも格好悪い。インスパイアとパクりの差が判っていないのかな。観ていて「ああ、この人はデビッド・フィンチャーが好きなんだな」とニヤりとできるのがインスパイヤ、リスペクトであって、何かムカっとくるのがパクり。この映画は後者だね。先日『テコンV』を観たからかもしれないけど、なんか韓国不審になりそうだ。
でも、引っ張るだけ引っ張った末の事件の真相がTVのサスペンスドラマレベルだったりする割には、かなり魅せたと思う。パクりのセンスが悪いだけで、この監督の基本的な能力は非常に高い。緊迫感やスピード感の表現力はピカイチ。
ここまでできたら、最後にもう一段階ブラッシュアップしてほしかったと思う。まず、こういうオチにするなら、子供をあんな危険な形で返却する意味はまったくない。そこでも『セブン』のラストをダブらせたかったのだろうが、固執しすぎなのだ(もうちょっと自分のオリジナル性に自信をもってほしい)。
また、そこまでして自分の手で始末したいというモチベーションがあるなら、火をつけることを選択するのはおかしい。火をつけるという行為は若干距離感があって、自分で手を下そうとする場合に、選択する殺害方法とは思えない。
それに、録音したテープでどんでん返しするなら、証拠主義を振りかざして雄弁に立ち回る意味もあまりない。逆にちょっと滑稽。また、母親が有名弁護士の顔を知らないのも、ちょっと不自然でオチに気付く人はそこで気付く。
それから、“7日”に固執する意味が途中から無くなっている。だって、公判の日程が未決定だったりするんだもん。マザーグースの詩のアイデアを思いついてしまって捨てることができなかったのだろう。
映画というのは、ひととおり出来上がった段階で、苦労したとかはじめに思いついからとか、そういう感情は脇に寄せておいて、全体の流れを阻害する部分は、ズバっときる勇気がなければいけない。いや、むしろそれが映画監督の仕事でしょう。“削ぐ”ことを覚えたら、この監督はきっと無敵状態になるだろう。
もしかすると、この監督は大化けするかもしれない。そこそこ不満はあるんだけど、あえてお薦めしようと思う。たぶん同好の人な気がするので、ちょっと応援したいような…。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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