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公開年:2007年
公開国:アメリカ
時 間:148分
監 督:ショーン・ペン
出 演:エミール・ハーシュ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ウィリアム・ハート、ジェナ・マローン、キャサリン・キーナー、ヴィンス・ヴォーン、クリステン・スチュワート、ハル・ホルブルック、ブライアン・ディアカー、ザック・ガリフィナーキス 他
受 賞:【2007年/第65回ゴールデン・グローブ】歌曲賞(曲/詞:エディ・ヴェダー“Guaranteed”)
コピー:そして僕は歩いて行くまだ見ぬ自分と出会うために
大学を優秀な成績で卒業した青年クリス。両親からの卒業祝いの新車を断り、口座に残っていた学費をすべて慈善団体に寄付し、何も告げることなくアラスカへ向けて旅に出る。道中、サウスダコタでは彼の無鉄砲を諫めてくれる荒くれ男のウェインと親交を深めたり、ヒッピーのコミュニティーに身を寄せたり、様々な経験を重ねる。その一方、彼の家族は祈る思いで彼の帰りを待っていたのだが…というストーリー。
若さゆえの純粋さや危うさを、うまく表現した作品…と評価してあげたいところだが、個人的にはしっくりこなかった作品。
まず、多くの人が引っかかったと思うが、荒野での生活を求めたにも関わらず、いきなりバスを見つけて居ついてしまうのは、腰砕けも甚だしい。いや、これが実話なのはわかっているので、実際、あの状況になったら、バスに入るのは理解できるのだが、コレは映画にまでする話なのだから、そんなトコで折れられてはたまったものではない。それに、物質社会を嫌うだけ嫌っておいて、相当数の弾丸を持ち込んでいるし、そこそこの量の米ももってきていて、けっきょく物質文明から離れられない矛盾に、何の違和感も感じていないのが、理解に苦しむ。
アラスカでの一冬だって、予想の範囲を超えた自然の厳しさだったっていうだけの問題であって、本人としては、ちょっとしてハードなキャンプ感覚だったのではなかろうか…そう頭をよぎると、なんかくだらなく思えて仕方がない。
社会から距離をおくために、紙幣を焼くシーンがあるが、大学出のいい年齢の人間がする行いではない。根本的に紙幣というものは、人が他人への施しをした対価であって尊い物である。それが拝金主義の根源みたいにしか見えないのだから、見識が浅いにもほどがある。また、旅の先々で出会った人が、いろいろ手を差し伸べているにも関わらず、丁重にお断りするという姿勢ならいざ知らず、その手を無碍に払うようなまねをしている。加えて、人の話は聞かないは、中途半端に知識だけはあって弁は立つは、闇雲に冒険心だけは強いは、危険を恐れる感覚は薄いは、こういう遺伝子をもった人間は、そりゃあ死ぬ確率は高かろう。
孤高の存在でありたいと思っていたのだろうが、孤高と孤立は違う。孤高というのは人と人と繋がりを理解した上で自立することであって、単に今の自分の周りにある繋がりがイヤだからといって忌避するのは孤高ではない。さらに、中途半端なものだから、どこかから離れても、すぐに別のだれかとの繋がりを求めてしまう。
結局、最後の主人公の感情だって、作者の予測でしかないんだし、「これ、真剣に付き合わないといけないわけ?」 そんな気持ちになってしまった。
内容を脇に置いたとしても、テンポが良くないと感じる。アラスカまでの道中(最後のじいさんに出会う前くらい)までは、若さゆえの疾走感みたいなものを表現して、もっとサクっと展開させるべきだと思う。そしてアラスカとの時間の流れのコントラストを表現してほしかった。そうすれば、上映時間ももう少し短くできただろう。申し訳ないが、これは、ショーン・ペンの監督としての力量の問題かと。
実話ベースの弊害の最たる作品だと思う。物質文明や家族内でのしがらみから逃避して、自分を見つめなおしたくなるのも理解できるよ~ってエピソードがもうちょっとあれば、バランスが取れたんだろうけど、実話だから創作エピソードを盛り込むわけにいかないものね。世の評価は結構高いが、凡作から半歩ほど足がはみ出た程度のデキだと思う。音楽の評価も高いんだけど、私の好みではなかった(楽曲の歌詞が理解できれば、違ったかもしれないけど、私のヒアリング能力はポンコツだから)。あまりお薦めしない。
#そんなに蝿を避けたいなら、川の中で解体するとか、生き死にを左右する場面なのに、もうすこし知恵は出ないものか…と冷めた目で見てしまった。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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