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image2018.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:106分
監 督:ロジャー・ドナルドソン
出 演:ニコラス・ケイジ、ジャニュアリー・ジョーンズ、ガイ・ピアース、ハロルド・ペリノー、ジェニファー・カーペンター、ザンダー・バークレイ 他
コピー:“代理殺人”の契約から始まる、危険な罠――




ニューオーリンズの高校教師ウィルは、音楽家の妻ローラと幸せな毎日を送っていたが、ある日、ローラが帰宅途中に暴行され病院に搬送される。突然の出来事にウィルは激しく動揺する。ローラの治療が行われている病院の待合室で狼狽していると、見知らぬ男が近寄ってくる。その男は、ウィルの代わりに犯人を捜しだし殺してやると持ちかける。代金は不要で、いつか簡単な頼みごとをするだけだという。傷ついた妻のことを思い、怒りが溢れていたウィルは、その提案を受け入れてしまう。ほどなくして、保険屋を名乗る男が、暴行時にローラが奪われたネックレスの入った封筒をウィルに渡した。それは復讐の完了を意味していた。それから半年後、約束の頼みごとのために、あの男がやってくるのだった…というストーリー。

昨日に『ダーク・フェアリー』とはガイ・ピアースつながり。

復讐の対価はとらないが、いずれなにか手伝って欲しいことをお願いする。『ゴッド・ファーザー』もそんな感じだったけど、本作のそれにはミステリアスさと危うさが漂う。
マフィアのような脱法組織とは異なる、自警団ならぬ私刑団という設定は、現代社会において非常に魅力的に映る。民主主義社会において、市民を守るための権力は、与えられた力の行使にはデュー・プロセスが必須である。それはその権力の暴走にキャップをかけるためであるが、デュー・プロセスに不備があれば犯罪者は野放しになるし、根本的に犯罪者が増えれば裁き切れなくなる。現代社会では往々にして裁きの日まで時間を要するし、裁いたとしても被害者が満足のいく結果になることは多くない。その満たされない市民の怒りを代行する組織であり、民主主義国家が揺籃してくると、無意識に渇望されるもの。日本でいえば必殺仕事人のようなものである。

一見、庶民の味方のような組織が、なぜか自分を嵌めようとしているようにしか思えない恐怖。それに、自分も人の死を不法に求めてしまった後ろめたさがあいまって、実に緊迫感のあるシナリオになっている。ニコラス・ケイジ作品はポンコツシナリオの作品が多いが、今回は比較的当たりである。
護身用に催涙スプレーを買うことも、主人公が国語教師であることも、ストーリーを進める上で、しっかり意味をもっていて、なかなか小技が聞いている。

(以下、ネタバレ)
組織が『ファイトクラブ』のように一般社会にまぎれているのも魅力的。しかし、“ハングリー・ラビット”自体が、実は正義とは程遠い組織なのか、本来の組織から逸脱した一部のグループが暴走しているのかが重要ポイント。結果的には後者なのだが、そうだとするならば、その他のメンバーはウィルを援護するような動きをしてしかるべきで、なぜかウィルは要所要所でピンチをすり抜けることができる…という部分を強くだすべきだったと思う。そうすることで、謎はもっと深まったと思う。
さらにそうすることで、ウィルの最期の足掻きのシーンも不要になったと思う。最期のあれはいらない。だって、ウィルはある意味裏切り者になったわけだから、立場が悪くなっちゃうじゃん。

まあ、その点以外は、おおむね満足、なかなかの良作。軽くお薦めする。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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