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公開年:1998年
公開国:アメリカ
時 間:104分
監 督:ガス・ヴァン・サン
出 演:ヴィンス・ヴォーン、アン・ヘッシュ、ジュリアン・ムーア、ヴィゴ・モーテンセン、ウィリアム・H・メイシー、ロバート・フォスター、リタ・ウィルソン、チャド・エヴェレット、フィリップ・ベイカー・ホール、アン・ヘイニー、ランス・ハワード、ジェームズ・レグロス、ジェームズ・レマー 他
受 賞:【1998年/第19回ラジー賞】ワースト監督賞(ガス・ヴァン・サント)、ワースト・リメイク・続編賞
恋人との結婚を望むマリオンは、出来心で会社の大金を横領して逃亡する。逃亡中に、豪雨にあったため人里離れたモーテルに宿泊する。そこは青年ベイツが年老いた母親の面倒を見ながら、一人で経営しているさびれたモーテルだった。彼女がシャワーを浴びた時、突然侵入してきた人物が彼女に襲いかかり…というストーリー。1960年のヒッチコック監督による古典サスペンス『サイコ』のリメイク。
前日のオリジナル『サイコ』に続いて、リメイク版を。
オープニング、カメラアングルやカット割り、ストーリー展開にセリフ、事件の展開を音声だけでかぶせる演出までまったく同じ(変わったのは、物価とか、車の値札がついてるとか、覗き穴を見ている様子とか、本筋とはあまり関係ない部分)。それはもう同じというより複製の域。『椿三十郎』のリメイク版を思い出してしまった。リメイクの意味は?と問いかけずにはいられない。大学生の卒業研究作品とか、TV局制作ドラマのイチ企画モノっていうなら許すけど、これならフィルムに着色しただけのほうがよっぽどよくはないだろうか。
とはいえ、1960年にはすでにカラー技術が確立されていたにもかかわらず、ヒッチコックはあえてモノクロにした、、、と聞いたことがある。だから、カラーすることを含め現代の技術を加えたいなら、もう一押し、いや二押しくらいしないと、まともな“リメイク作品”として評価を得るのは難しいだろう。リスペクトのあまり完コピしてしまうという罠に陥り、監督自らのイマジネーションを存分に発揮できなかったこと。これが失敗原因のすべてである。
#リメイク版『椿三十郎』が最後の最後の演出だけが違うように、本作も女装したノーマンが背後から襲ってくるシーンの繋ぎとか、分析医の回りくどい説明とかを治したかっただけなのかも…
オリジナルでアンソニー・パーキンス演じる神経質ぽかったノーマンは、本作では短髪のぽちゃぽちゃ大男に。さらにジュリアン・ムーアが妹って…(まあ、すごく若作りしてるけど)。オリジナルをまったく知らずに観れば、もしかしたらOKか?と思えなくもない。でもそれはリメイク版のデキがいいという意味ではなく、完コピのおかげで要所要所のツボが押さえられているからであり、ヒッチコックのすごさを証明しているにすぎない。
オリジナルを未見ならば、本作でもいいかもしれないが、さすがにお薦めはしない。
#血はなぜか白黒のほうが血に見えるから、不思議だねえ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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