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image0679.png公開年:1999年 
公開国:アメリカ
時 間:105分  
監 督:ティム・バートン
出 演:ジョニー・デップ、クリスティナ・リッチ、ミランダ・リチャードソン、マイケル・ガンボン、キャスパー・ヴァン・ディーン、イアン・マクディアミッド、マイケル・ガフ、クリストファー・リー、ジェフリー・ジョーンズ、マーク・ピッカーリング、リサ・マリー、クリストファー・ウォーケン、レイ・パーク 他
受 賞:【1999年/第72回アカデミー賞】美術賞(リック・ハインリクス、Peter Young)
【1999年/第25回LA批評家協会賞】美術賞(リック・ハインリクス)
【1999年/第53回英国アカデミー賞】プロダクションデザイン賞(リック・ハインリクス)、衣装デザイン賞(コリーン・アトウッド)

18世紀末、NY郊外の村・スリーピー・ホロウにて人間の首が切り落される猟奇連続殺人事件が発生する。科学的な捜査を信条とする市警捜査官のイガボットが派遣されるが、村人から自分の首を求めてさまよう伝説の首なし騎士が犯人と聞かされ…というストーリー。

T・バートン&J・デップの『アリス・イン・ワンダーランド』が公開中ということだが、そちらは観にいかないで、本作を観るという…。多分『アリス』はDVDで観るんだろうな(とてもバートンファンとは思えない発言)。

本作は5度目くらいの鑑賞で、なぜか何度も繰り返し見てしまう作品の一つなのだ。ゴシック・ホラーなんていわれるが、ゴシックというか画の中に漂う空気自体が灰色に感じるくらい。

今回はいつもと違う視点で…と思って観始めたのだが、なぜこれを私が好きなのか気付いてしまった…
私は金田一耕介シリーズが好きなのだが、本作と妙に共通点があるとは思わないか?時代遅れの田舎。因習に縛られた閉塞的な村。猟奇殺人。その解決の役割を担う若い男。一族への恨み。家族への愛憎。あやしい村人達。腹に一物を抱える妻。純真な若い娘。
違いは、この世のモノではない霊的な存在が実際にいるかいないかだけ。ヘタすりゃオマージュですか?リスペクトですか?って言いたくなるぐらい同じ。あとはパートナーが、変な小僧じゃなくってハナ肇で、最後はだまって立ち去ってくれたら、完璧だったろう。

本作のクリスティーナ・リッチを観ていたら、公開中の“アリス”の質感と共通点があるような。バートン監督の中にある、少女と大人の中間にいる女性像のアイコンなんだろうな(クリスティーナ・リッチがかわいくみえるのは本作くらい。他の作品ではちょっと気持ち悪いものね)。
また、その対比として、元パートナーのリサ・マリーがとても綺麗に写っているが、これはこれでバートン監督の中の母親像の投影なのだろう。あまりバカにはしたくないが、女性観としてはちょっと幼い感じがしないでもない。そういうバランスの悪さが、彼のいいところでもあるか。
しかし、その後、ヘレナ・ボナム=カーターが彼を略奪するわけだが(表現が悪いか?)、その後の作品にはリサ・マリー的な母親像はとんと出てこない。影響されやすい人なのね。

バートン作品では、あまり“情念”的な部分は強く出ていないことが多いが、本作と『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』は、そっち寄り。未見で横溝正史好きなら、お薦めする。どうぞ。

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