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image1494.png公開年:2005年 
公開国:ドイツ、オーストリア
時 間:92分
監 督:ニコラウス・ゲイハルター
ノミネート:【2006年/第19回ヨーロッパ映画賞】ドキュメンタリー賞(ニコラウス・ゲイハルター)
コピー:「いただきます」って、だれに言いますか?
きっと、誰かに教えたくなる。食べ物があなたの食卓に並ぶまでの、驚くべき旅。



人間社会に流通する食物が、どのような過程を経て食卓まで届くのかを撮影したドキュメンタリー。野菜・果物・家畜・魚などが、高度に機械化された工場にて、システマチックに生産・処理されている過程をありのままに映し出した作品。

音楽もナレーションも字幕も何もないという、あるようでなかった形式のドキュメンタリー。今後、同様の手法のドキュメンタリーを作成しても、本作の真似といわれてしまうわけで、正にやったもん勝ちな作品。

ジャケットには牛さんの部位がデザインされてるし、PG-12ってことになっているし、もしかしてちょっとグロいシーンとかある?なんて身構えてしまったけど、多少解体の時に内蔵とか血が出る程度で、畜産のプラントならばあたりまえの光景。むしろ、ショッキングに映るかもしれない部分は意図的に排除しているような印象。よっぽど農業高校の生徒のほうが、ショッキングな経験をしているでしょう。
とはいえ、確かに動物の解体の場面は緊張してしまうし、その自分のドキドキ感とは反対に、作業している人の淡々とした感じに、はじめはものすごく違和感を感じるに違いない。畜産関係だけじゃなく、農業とか漁業関連のシーンも多いからかもしれないが、30分を過ぎると、そういった動物解体のシーンもさほど気にならなくなる。むしろ、システマチックな感じが妙に心地よく感じられ、トランス状態になってしまうという、この不思議な感覚。
何のプラントなのかくらいは字幕があったほうがいいという人もいるようだが、私は絶対に不要だと思う。外国旅行にいった先にたまたま工場や農場があったので、ふらっと立ち寄ってぼ~っと見てました…、そんな感じかな。

製作した人はあまり意識していなかったと思うが、畜産にしても農業にしても、国によって手法がかなり違うということに気付く。たとえば、ひまわりのような植物(油の原料かな)を採取するために、薬剤で枯らしてから刈り取っているが、ちょっと日本では考えにくい。個人的に一番怖かったのは、岩塩の採掘場かな。もちろん日本にはないのだが、地下深くの空間で、あんなに広い範囲を柱もなしに広げるなんて、恐ろしくて恐ろしくて。

これを観て、ベジタリアンになろうと決める人が稀にいるかもしれないが、そういう感性の人とは私は合わないだろうな。ぎゃー、人間はなんて罪深いんだ!って、そこで思考が止まる人は、その罪を背負って死ねばいいと思う。人間は、動物だろうと植物だろうと、その命を奪わないと生きていけない“業”を背負っていることを、再確認させてくれる。これは、大人になる前に観ておいたほうがいい作品かも。観た後の「ごちそうさま」の重みは変わってくるに違いない。

ほんとに、観る前は予想だにしなかった、おだやかな心持ちになることができた作品。私はお薦めしたい。

#理由はわからないが、何故か「一生懸命働かなきゃなぁ…」って気持ちになった。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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