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9a157936.Png公開年:2006年 
公開国:オーストリア,ベルギー,フランス
時 間:112分  
監 督:フーベルト・ザウパー
出 演:ロビン・ウィリアムズ、ジェフ・ブリッジス、マーセデス・ルール、アマンダ・プラマー、キャシー・ナジミー 他
ノミネート:【2005年/第78回アカデミー賞】ドキュメンタリー長編賞 (フーベルト・ザウパー)
コピー:一匹の魚から始まる悪夢のグローバリゼーション


タンザニアの巨大湖であるビクトリア湖は、約半世紀ほど前から、外来種の肉食魚“ナイルパーチ”が在来種を駆逐し湖の生態系を破壊。しかし、その身は食用としてEUや日本で好まれ、湖畔の町にはナイルパーチを加工・輸出する一大産業が誕生する。新たな産業は雇用を生み出したが、地域社会に経済格差・売春・エイズ・ストリートチルドレン・ドラッグも生み出した。さらに、ロシアからの輸送機は大量の魚をEUへ空輸するが、その往路は武器を輸送している疑惑が…という内容。

ダーウィンの悪魔というタイトルの意味がまったくわからなかったので調べてみた。アフリカのビクトリア湖は多様な生物が生息していて、“ダーウィンの箱庭”と呼ばれていたそうで、そこでおきた悲劇だからからだそうだ。そこをきちんと説明してくれないと、ピンとこないね。人間の行為(経済行為)が環境を激変させる流れと、ダーウィンは関係ないからね。

でも、経済行動によって社会が変わっていくのはあたりまえのことだし、どんな社会であっても、どこで折り合いを付けるか、落としどころはどこなのかを模索しているものである。どうも、搾取する側と搾取する側という対立軸で、語ろうとしているようでもあり、ちょっと観点が古臭くはないだろうか。そういう搾取の手がおよばない手付かずの社会をよしとして、経済行為自体を否定するならば、それは自然に還れというもっともらしい言葉に偽装したアナーキズムでしかない。

こういう状況であることはよくわかったのだが、だからどうすればよいのか、そういう示唆は一切ない。ドキュメンタリーなのはわかるが、ただ、製作者がいる以上、その人なりの光の当て方というものがあるはずなのだが、ただただ、現実をそのままみせようという、生態学者的な態度である。別にそれでもいいのだが、残念ながら、それは“映画”の範疇ではなく、資料映像である。
#ドキュメンタリーというわりには、まるでシナリオがあるような、アングルやセリフまわしなのが、若干気になるのだが、本当にドキュメンタリーならば、そういうカットを取れるのは、なかなかの才能だと思う。

ということで、残念ながら映画としての評価はしない。こういうアフリカでおこっていることに興味のある人が観てくれればいい。とりあえず、アフリカが舞台の映画だと思って、まちがって観てしまい、がっかりしてしまうことがないよう、注意喚起だけさせていただく。

話は変わる。
随分、英語を話す人が多いなぁと思ったが、後で調べたら、タンザニアはスワヒリ語と英語が公用語だった。納得。ただ、あくまで国語はスワヒリ語だし、ここまで英語を話せる人がいるということ、ひいては識字率が7割以上ということで、発展できる要素はあるということだろう。
ただし、マックスウェーバーによるところの、資本主義がうまれるにはプロテスタンティズムという要素が不可欠だという点を考慮するならば、タンザニアはこの状態を打破できない。日本いまがりなりにも資本主義が生まれたのは、“仕事”自体を無条件に尊いとして邁進できたからである(それがプロテスタンティズムと同じ効果を生んだから)。本作の登場人物は仕事を欲しているが、その“仕事”とは収入を得る手段のことを言っているだけど、仕事そのものを尊いものとは思っていない。登場する布教の様子は、カソリックの一派のようであるし(カソリック批判ではないので、誤解ないように)。
援助を否定はしないが、この状態では打破されないことをわかった上で(悪くいえば、援助は捨てたものとして)行わなければいけない。時間がかかるでしょう。
 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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