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公開国:アメリカ
時 間:89分
監 督:デヴィッド・リンチ
出 演:ジョン・ナンス、シャーロット・スチュワート、アレン・ジョセフ、ジーン・ベイツ、ローレル・ニア、ダーウィン・ジョストン 他
受 賞:【1978年/第6回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭】黄金のアンテナ賞
【1978年/アメリカ国立フィルム登録簿】新規登録作品
印刷工のヘンリーは、付き合っているメアリーから、子供を身篭って、すでに出産したことを告げられる。責任をとって結婚し、ヘンリーの家で新婚生活を開始するが、その赤ん坊は鳥のような奇形の子供で、絶えず甲高い声で泣き続ける。メアリーはその声のせいでノイローゼになり、とうとう実家に帰ってしまう。ヘンリーは仕方なくその子の面倒もみるが、次第に心を病んでいき…というストーリー。
『アニー・ホール』の主人公が監督の投影と思われるように、本作の主人公も間違いなくデヴィッド・リンチの投影に違いない。よく、キャラクターが勝手に動き出すなんていう表現があるが、そりゃ自分なんだから思うままに動くよね。案外、傑作っていうのは、現実の人物の投影であることが多いのかもしれない。
『アニー・ホール』もキレキレ演出だったけど、本作はそれに輪をかけてキレッキレのキレである。ただ、キレている方向性はもう“あっち”の世界である。
自分の中にある女性や家庭や子供というモノに対する漠然として不安の具現化と解釈するのは簡単だし、脳内世界といってしまえばそれまでなんだけど、カフカの『変身』の斜め上を行く、陰湿ともいえる湿り気と虚無感が漂う世界観、それに加わる有無を言わせぬクレイジーっぷりに、観ている私はただ立ち尽くすのみであった。
この年代の特撮っていうのは、いくらリアルだーうまく作れているだーと褒めたところで、所詮作り物だよな…って思いが頭の片隅にあるもの。だが、本作の“赤ん坊”のクオリティは「もしかして本物なんじゃね?」とすら思わせるほどで、一線こ超えている。そして、そのリアルさが、より一層不安感を煽るのである。
これは映画史にのこる特撮技術によるクリーチャーと断言してよい。1976年においてこのデキは異常。リンチ監督は、この赤ん坊をどうやって製作したのか、語ったことがあるのだろうか。
また、その赤ん坊の泣き声が、いい大人の私ですらノイローゼになりそうで。胃から出血しそうなくらいのストレス。
はっきりいって、ストーリーは難解というか、理解することを放棄したくなるレベル。でも、何度か観ればだんだんと味が出てくるからこそカルトムービーとして名を馳せてるんだろう(肝心の、消しゴム頭の意味はよくわからんけど)。
でも、私が今後、何度も観たくなるかどうか…自信ねえなぁ(笑)。
それにしても、これがリンチ監督のデビュー作っていうんだから。製作がリンチ本人だとしても、こんな映画の完成までに付き合いきったスタッフもスゴイわ。
お薦めはしないよ。だって、「お前が薦めたから観たけど、毎晩変な夢見るわ!どうしてくれるんじゃ!」っていわれても責任取れないもん。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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