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image1804.png公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:91分
監 督:ウディ・アレン
出 演:ラリー・デヴィッド、エヴァン・レイチェル・ウッド、パトリシア・クラークソン、ヘンリー・カヴィル、エド・ベグリー・Jr、マイケル・マッキーン、コンリース・ヒル、ジョン・ギャラガー・Jr、ジェシカ・ヘクト、キャロリン・マコーミック、クリストファー・エヴァン・ウェルチ、オレク・クルパ 他
コピー:これぞ、ハッピー・エンディング


偏屈な初老の物理学者ボリスは、かつてはノーベル賞候補になるほどの天才で家庭も築いていたが、自殺未遂を機にすっかり落ちぶれ、寂しい独身生活を送っている。近所の子供に悪態を付きながらチェスを教えるなどして、日々をやり過ごすボリスだったが、ある日帰宅すると、若い娘が泊めて欲しいと押しかけてくる。南部の田舎町から家出してきたメロディという娘に、幾ばくか同情した彫りすは、渋々ながらも数日間だけ泊めてやることにする。知的レベルも常識も年齢もまったく異なる二人の会話はかみ合うことはなあったが、なぜか、メロディはボリスを愛してしまい…というストーリー。

1977年の『アニー・ホール』から、一足飛びに2009年の本作に続いたのは、間違いだったかもしれない。もうちょっと間の作品を挟めばよかったかも…。

偏屈な男が、知的レベルは自分より低いが見た目美しい女性と交際し、その女性の知見が高まったあと、捨てられる…というプロットは『アニー・ホール』とまったく一緒。焼き直しなんじゃないかと思ったほど。もしかすると、意図的に狙ったのか?とも思ったのだが、そういう面での作為的な笑いは感じられず。画面の向こうに話しかけるボリスに、周囲の子供が「一人で話してる!」とか指摘するところなんか、笑いどころなのかどうかもよくわからない。『アニー・ホール』のときのキレキレの演出は鳴りを潜めた感じで、むしろ、グレードダウンした印象が拭えない。

「ハイゼンベルクの不確定性原理」等々、物理素人の私でもピンとくるようなキーワードこそ出てくるが、ボリスの発言から彼が天才物理学者である片鱗が見えてこない。私の知識が乏しくて物理通の人ならニヤリとできるのか、演出上の失敗なのかはよくわからないが、とにかく私にはそうは見えなかった。

とはいえ、焼き直しに感じたとしても、知的な格差のある二人の日々の生活は、なんとなく面白くて、それなりに見ごたえはあった。しかし、母親が登場したあたりで、くっだらないアメリカドラマになりそうな雰囲気が漂って一旦鑑賞を中断。まあ、我慢して鑑賞を再開すると、“内なる自分に正直に生きる”という流れに変貌する。フリーセックスやホモセクシュアルに目覚めるメロディの両親。両方とも敬虔なクリスチャンであり愛国者だったのに。そういう共和党的な価値観を否定したいのかもしれないが、手法が古臭くはないだろうか。挙句の果てには、メロディまで、自分の肉体的な性の欲求を認識するに至り、別の男に走る。結局は、ボリスが良しとする永遠の愛はない!とか固定観念は捨てろ!とかいうポリシーどおりの人種に彼らが変貌と遂げるんだけど、当のボリスは再自殺してしまう。

これ、どういうことやねん。世間の何も考えていないやつらのポリシーとか行動様式なんてのは、偉そうに言っていてもこの程度の薄っぺらなものなんだってことをいいたいのかな?それに比べて、俺はそれより何枚も上まで考えてるんだぜ! メタ意識を持っているから私は天才(キリッ!)とか、そんな程度で周りを見下されてもね…。なんかトホホ感ばかりで笑うに笑えないのは私だけか?

大体にして、自殺したらたまたま歩いてる女性がクッションになって助かりましたって…。、その女性と病室で話すことにリアリティがないし(ふつう、傷害罪で逮捕でしょ)、仲良く会話して付き合っちゃうとか、笑うに笑えない。その女性が占い師で…とかも、笑うところらしいけど、面白くもなんともない。

時間が経過するにつれて、内容が汚れていき、最後には後ろ足で砂をかけられたみたい。これ、なかなかの駄作だと思うんだけど…。



負けるな日本  

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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