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公開年:1990年
公開国:アメリカ
時 間:120分
監 督:ペニー・マーシャル
出 演:マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、マリ=ジョゼ・クローズ、アンヌ・コンシニ、パトリック・シェネ、ニエル・アレストリュプ、オラツ・ロペス・ヘルメンディア、ジャン=ピエール・カッセル、イザック・ド・バンコレ、エマ・ドゥ・コーヌ、マリナ・ハンズ、マックス・フォン・シドー 他
受 賞:【1990年/第56回NY批評家協会賞】男優賞(ロバート・デ・ニーロ)
コピー:-実話には、本物の感動がある-
精神病院に赴任した医師セイヤーは、これまでの研究所生活との違いに戸惑い馴染めずにいた。ある日、患者が特定の刺激にだけ反応し、健常者のように動くことを発見する。中には投げたボールをキャッチする患者まで表れた。しかし、同僚の医師たちに説明するも、単なる反射行動だと相手にされない。諦めきれずにいたセイヤーは、ある新薬の研究報告を発見。それが患者達に有効なのではないかと思いつく。病院と母親を説得し、30年間昏睡状態だった男レナードに投薬を開始。ほどなく奇跡的に意識を回復し…というストーリー。
過去に観たことがあるけれど、先日の『潜水服は蝶の夢を見る』や『ジャケット』を観て、本作を思い出したので。原因は異なるけれど、脳幹の異常により停止状態に陥ってしまう点は一緒でしょ。そして、結末は『アルジャーノンに花束を』に近くて、未知の治療薬を探し投薬するところは『ロレンツォのオイル』に似ている。そう考えると、似たようなモチーフの作品は結構あるのね。
とはいえ、驚くべきことに本作は実話ベースである。本当に実話か?と思うほどの劇的な展開は、まるで奇跡のよう。加えて特筆すべきは、きちんとラストがまとめあげられていて、ストーリーとして成立している点(だって、実話ですから…と投げっぱなしにはしていない)。セイヤーと看護婦のくだりや、もしかするとレナードの恋のエピソードはフィクションかもしれないけれど、そういう演出が実によい味付けになっていて、実話ベースにありがちなモヤモヤした結末を払拭してくれている。
なぜか受賞歴は少ないのだが、ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズも素晴らしい。特にデニーロの徐々にチック症状が出始めたころの演技は、観ている側に「もしかして…」とかすかに感じさせる適度さが絶妙。ポンコツ役者では興醒めは必至だったろう。
誰一人、悪意のある人は登場せず(他の医師が当初非協力だったことなど悪意のうちに入らず)、誰もが他者のことを慮っているにもかかわらず、まったく報われない顛末に、なんともやるせなくなり心臓がぎゅっと握られたような苦しさを覚える。世の中には簡単に答えを出せないことが多々あるのだな…と、感慨深さと無常感が合わさって、それらが転じて何故か清清しくなるほど。
案外、若い世代は未見の人もいるかもしれない。是非観るべき作品だろう。お薦め。実話ベースでも、この程度の演出は必須、こうあるべきだ!と思える作品。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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