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公開年:2011年
公開国:フランス
時 間:109分
監 督:ダヴィド・フェンキノス、ステファン・フェンキノス
出 演:オドレイ・トトゥ、フランソワ・ダミアン、ブリュノ・トデスキーニ、メラニー・ベルニエ、ジョゼフィーヌ・ドゥ・モー、ピオ・マルマイ、モニーク・ショーメット、アリアンヌ・アスカリッド、クリストフ・マラヴォワ、アレクサンドル・パヴロフ、マルク・シッティ 他
ノミネート:【2011年/第37回セザール賞】脚色賞(ダヴィド・フェンキノス)、新人監督作品賞(ダヴィド・フェンキノス、ステファン・フェンキノス)




最愛の夫フランソワを亡くしたナタリー。それから3年、悲しみを乗り越えようと仕事に邁進。今では、プロジェクトのリーダーを任されるまでに。そんなある日、部下のマーカスにいきなりキスをしてしまう。マーカスという男は、頭髪も薄くなっており、いつも不格好なセーターを着ていて、絶対に女性のモテない風貌。ナタリー自身もなんでキスしてしまったのかわからないし、実際何の感情もない。それどころか満足に名前も覚えていないほどだったので、このことは忘れるようにマーカスに言い渡す。しかし、キスをされたマーカスはそうはいかない。彼女のことが四六時中頭から離れなくなってしまう。とりあえず、一度だけ食事をして、これでおしまいという約束をするのだが、いざ食事をしてみると意外とマーカスがユーモアに溢れた常識人であることを知る。その後も、食事や観劇、散歩などを重ねる2人だったが、実はナタリーのことを密かに狙っていた社長が、2人を関係を知ってしまい…というストーリー。

なんで本作は、日本劇場未公開なのか。ちょっとありえないなぁと思いつつ、反面、理由は明確かな…とも思うのだ。やっぱり、ナタリーがなんで突然薄らハゲ男にキスしてしまったのか?が、とにかく不条理だからである。

恋愛なんて不条理なものよ!という人もいるかもしれないが、根本的にあのキスは恋愛感情に起因しているわけではない。チラりとそういう感情がよぎったとかでもなく、なんとなく。いや、なんとなくという表現もおかしくて、“狂った”と言ったほうが正しいほどである。
いや、まあ、そういう“奇跡”がおこったんだよ。彼女の中に何が生じたのかは、考えちゃいけない。ただ受け止めよう。そう心に決めて鑑賞を続けると、本作はとてもおもしろい。

もう一つ、本作の難点を言え、男性ターゲットなのか女性ターゲットなのか微妙だ…というところだろうか。私は男性なので、マーカスが話の主体になるまでは、まったく本作をおもしろく感じなかった。マーカスの日々の生活が描写され、悶死しそうになっている様子が描写されて、「マーカス、こいつ、まるで俺だわぁ…」って感じはじめてからがものすごく引き込まれた。逆に、マーカスの成分が増えた後半部分を、女性はどう観るのだろう(わからん)。

見た目は愚鈍、仕事も大したことない。ただそれだけで見下されるマーカス。見ていて痛くなってくる。そういう周囲の決めつけや目線に対して、静かに対処し(というかあきらめ)ていく。それを上司であるナタリーが守るのかな?と思いきや、別に見た目なんかどうでもいいじゃん…という態度で、至極普通にふるまうナタリー。いや、本当はそれで正しい。それは判っているのだが、マーカスのハートは、ボロボロになっていく。

社長の乱心で、やっとナタリーがブチ切れるという展開に。まあ、そういうターニングポイントがないと、ナタリーが新しい道を歩むことができない。やっぱり、マーカスに比べると、ナタリーは真の意味で真剣に考えていなかったのかしら…とも思う。

その後の、2人と逃避旅行のシーンは、結構好き(観てくだされ)。最後の2人の覚悟は、なんてことのない内容なんだけど、いい感じだった。実際に結婚したら、意外と喧嘩の絶えない2人な気もするけど。

女性に比べたら、男性は何だかんだピュアで傷つきやすいんですよ…という作品だな(なんだそりゃ)。軽くお薦め。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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