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image0879.png公開年:2003年 
公開国:アメリカ
時 間:99分
監 督:ビリー・レイ
出 演:ヘイデン・クリステンセン、ピーター・サースガード、クロエ・セヴィニー、スティーヴ・ザーン、ハンク・アザリア、メラニー・リンスキー、ロザリオ・ドーソン、マーク・ブラム、チャド・ドネッラ、ルーク・カービー、テッド・コッチェフ、クリスチャン・テシエ、アンドリュー・エアリー、キャロライン・グッドオール 他
受 賞:【2003年/第38回全米批評家協会賞】助演男優賞(ピーター・サースガード)
コピー:ニュースに、本当と嘘は、あるのか?

1998年、ワシントンD.C.。25歳のスティーブン・グラスは、最も権威ある雑誌“THE NEW REPUBLIC”の最年少記者で、斬新なスクープを連発し今やスター記者。気さくな人柄で社内外の人望も厚かった彼だったが、彼の手掛けた“ハッカー天国”という記事が他誌から捏造疑惑を指摘され、それをきっかけに彼の驚くべき事実が露呈していく…というストーリー。

アメリカで発生した実話なのだが、第四の権力といわれる報道の自由がこういう形で暴走したという事実…、ネット上の色々な感想や指摘を読むと、多くの人はこの点に主眼を置いてご覧になったようだが(もちろん間違いではないのだが)、私の観点は異なるなぁ…と。
“ウソを突き通すために辻褄合わせのウソを重ね、それらがバレそうになりさらにウソを付くときの緊迫感”とか、“ただの周りの注目を浴びたかっただけの若者の過ち”とか、“他人から愛されたい深層心理”とか…そういう感想があったのだが、私はそうは思わないのだ。彼は、残念ながら“普通の人”ではないから。簡単にいってしまうと、『平気でうそをつく人たち―虚偽と邪悪の心理学』(M.スコットペック著)という書籍にて研究対象となっているカテゴリの人ということ。“普通の人”ならば、不誠実なことをした場合、多かれ少なかれ良心の呵責に苛まれるだろうが、そうでない人々の一群がいるのだ。もう10年以上も前に出版された本なのだが、社会生活を営む上で、かなり有益な書籍だと思うので、読むことをお薦めする。未読の人は、読んだ後に、本作を観なおすと印象が変わることだろう。

私は、グラスは確信犯だと見ている(確信犯の意味を、悪いと“確信”しながら罪を犯す人と思っている人が多いのだけれど、それは間違い。確信犯というのは、自分の行為が正しいと“確信”して罪を犯す人のこと。間逆だからね)。捏造は良くないこと自体は彼は理解している。でも、それを行うことに微塵の呵責もないのである。

『平気でうそをつく人たち~』では、そういう人の特徴は以下だといっている。
・どこにでもいる普通の人
・非常に意志が強い
・自分には欠点がないと思っている
・罪悪感や自責の念に駆られることを嫌う
・他人から善人だと思われたいと強く望む
・他者をスケープゴードにして責任転嫁する
・体面を保つために人並みはずれた努力ができる
等々…
本作の中のグラスの行動すべてが当てはまっていることに気付くだろう。若干語弊があるかもしれないが、彼は“サイコパス”“闇世界の住人”なのだ。だから、先に挙げさせてもらったような感想は、普通の人間ではない彼に対して該当しないと私は考えている。本作は、血も出なきゃ人も死人も出ないが、『羊たちの沈黙』くらいのサイコパスムービー。それも実話なのだから、強烈に恐ろしい。
そろそろお気づきかもしれないが、程度の差はあれ、こういう人は確実の廻りに存在するよね。絶対、記憶にあるはず(なければ、もしかするとあなたが“平気でうそをつく人”なのかも)。私は、そういう人に悩まされてこの本を読んだクチである。
#あれ?なんか一昔前のヒルズ族もこんなかんじじゃなかったか?(笑)

周知の事件を映画化したことを考えると、なかなかうまくまとめたと思うし、希代の詐欺師の話だと思っていた人は、私の目線で観てみると、違った見方ができるかもよ。けっこうお薦め。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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