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公開年:2000年
公開国:アメリカ、ドイツ、イギリス、アイルランド
時 間:131分
監 督:ジャン・ジャック・アノー
出 演:ジュード・ロウ、ジョセフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ボブ・ホスキンズ、エド・ハリス、ガブリエル・トムソン、エド・ハリス、ロン・パールマン、ロバート・スタッドローバー、エヴァ・マッテス、マティアス・ハービッヒ 他
コピー:愛するターニャ。今日も僕は君のために またひとり敵を撃つ
1942年。ナチスの猛攻にさらされ陥落寸前のスターリングラードに送り込まれた新兵ヴァシリ。劣勢の中、青年政治将校ダニロフのライフルを借りて、驚くべき正確さで敵兵を次々と仕留めた。それをきっかけにソ連の英雄に仕立て上げられ…というストーリー。
観ていないと思って借りたのだが、既視感が。レイチェル・ワイズの顔を見たところで、過去に観た事をはっきり思い出したが、とりあえず最後まで観た。私がお気に入りの映画『薔薇の名前』の監督の作品なのだから、そりゃぁ観てるだろうに。
実在したスナイパーがモデルとのこと。他の登場人物もほぼ実在するらしいが、エピソード的にはかなりの部分脚色だと思う(根拠はないのだが作り話っぽい臭いがするので)。とはいえ冒頭の戦闘シーンは出色だった。ソ連将校の人を人とも思わない指揮命令には、いくらなんでも…と閉口してしまうが、草いきれならぬ“死体いきれ”でむわーっとしてきそうな感覚が画面から伝わってきそうな、なかなかの迫力。評価できる。
なかなか緊張感のある男くさい作品なのだが、展開が進むにつれて、ぼんやりしてくる。決してつまらなくなるわけではないのだが、ひとつだけで一本映画ができそうなテーマが、似たようなレベルで盛りこまれていて、主軸がなんだかわからなくなるのだ。ぱーっと挙げても、下記くらいある。
・一兵卒が英雄譚としてまつり上げられる話
・英雄と女兵士と将校の三角関係
・二大スナイパーのプロ対決
・共産主義対ナチ
・ユダヤ迫害
・子供の二重スパイの話
エピソードとして並存するのが悪いわけではないのだが、主軸がどこなのか、もうすこしメリハリをつけるべきだ。いろいろな太い軸が交錯し、カウンターバランスが利きすぎて、がんじがらめなのだ。こういう場合はどこかをガス抜きすべきだと思う(素人が偉そうに…)。
例えば、私なら三角関係の要素はもうちょっと軽くする。だから、ヴァシリとターニャが深い仲になるくだりは、私が脚本家なら付けない。さらに、お互いの気持ちすらはっきりさせないようにして、それなのに、ターニャはダニロフの求愛を拒む。なんでキミに振り向きもしないヴァシリに俺は負けるんだーと嫉妬に狂う…程度に。
それを横目に、ヴァシリはスナイパーとしての対決に執着して暴走していく。
それにしても、『薔薇の名前』でもそうだったが、異常なシチュエーションのセックスシーンを入れるのが好きな監督なんだな。趣味が悪いと思う。さらに、個人的な理由で、大変もうしわけないのだが、レイチェル・ワイズという女優があまり好きではない(『ハムナプトラ』『コンスタンチン』もなんか引っかかる)。それどころか、結構な頻度でイラっとするくらいなので、余計イヤな気分になって、あのシーンは早送りしてしまった。
そのほかで、入れたくなるのはわかるが、結果として生きていないのが、ユダヤ迫害の部分だ。ターニャは両親が殺され、それに憤慨して前線に戻るのだが、重すぎてそれに引っ張られてしまう。私ならば、すでに両親は殺されていて、ずっと前線から頑なにに離れないことにする(実は、女兵士が前線にいるなんていう状況が信じられず、リアリティが無く感じられてしょうがなかったのだが、観終わった後に調べてみると、第二次世界大戦時、イギリスやフィンランドやソ連など欧州各国でではけっこう女性兵士がいたようである)。
褒めるところはひとつある。エネミー・アット・ザ・ゲートじゃあよくわからないところを、“スターリングラード”というタイトルにしたことで、ソ連側の戦争映画であることがピンとくる。秀逸な邦題だ(その分、なぜか残念コピーがつけられているので、プラマイゼロではあるのだが…)。
まあ、いろいろ苦情はいったが及第点の作品ではあるので、軽くお薦めしておく(よりよくなるのになぁ…という心ある苦情だと思っていただければ)。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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