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公開年:1963年
公開国:日本
時 間:143分
監 督:黒澤明
出 演:三船敏郎、香川京子、江木俊夫、佐田豊、島津雅彦、仲代達矢、石山健二郎、木村功、加藤武、三橋達也、伊藤雄之助、中村伸郎、田崎潤、志村喬、藤田進、土屋嘉男、三井弘次、千秋実、北村和夫、東野英治郎、藤原釜足、沢村いき雄、山茶花究、西村晃、浜村純、清水将夫、清水元、名古屋章、菅井きん、山崎努 他
靴メーカーの権藤専務は、自分の息子と間違えられて運転手の息子が誘拐され、身代金3千万円を要求される。苦悩の末、権藤は運転手のために私財を投げ出して身代金を用意するが…というストーリー。
散々紹介されているし、映画検定の問題ネタでは必ず出てくる一本なのだが、今まで観たことはなし。ストーリーも、電車からお金を投げることしか知らなかったくらいである。
誘拐のくだりでずっと引っ張るのかと思っていたら、1時間くらいであっさり子供は奪回。正直意外だったが、これで、そんじょそこらの映画でないことを察知させる。とはいえ、当時はどう捉えられたかはわからないが、推理モノとしてそれほど優れているとは思わない。それでも、惹きつけるのは、編集のうまさだろう。ずばっと切ってみたりちょっとひっぱてみたり(そんな小手先作業ではなかったとは思うが)、私にはかなり新鮮に写った。おかげで、結構長尺なのだが、あっというまに観終えることができた。
#まあ、犯人がドヤ街をうろつくあたりは、もうちょっとサクッと切り上げても良かったとおもうが、逮捕までのじらしということなんだろう。
あと、とても特徴的なのは街や列車の音。本当に拾った音声なのか、後から足したのかはわからない。音声が聞き取りにくくなるくらいなのだが、おかげで臨場感がかなり増している。
もし、私なんかが、このシナリオを書いてしまうと、会社の重役連中を痛めつけたくなってしまうところだが、あくまで、三船敏郎と犯人でタイトルの状態を形成しなくてはいけないので、そこはあえて放置というわけだろう。
青木もちょっとイラっとくるので、少し痛い目にあわせたくなったが、そう思ったのも演技と演出がうまいおかげで惹き込まれたという証拠だろう。また、ラストでは、三船敏郎には「破産して一から出直しているいけど俺は幸せ」と、つらっと言って欲しかったのだが、それは言わぬが華というやつなんだろうね。
本当に脚本・カット割・編集・演技・演出ともにすばらしと思うのだが、まったく受賞歴がないので不思議に感じて、調べてみた。どうやら、当時の営利誘拐に対する刑罰の軽さを訴えていたり、公開後に誘拐事件が多発したりして国会に取り上げられていたり等々、ちょっと賞をあげにくい状況だったのかもしれない。こういう映画には、後年になってから賞をあげるのが粋というものだと思うのだが、いかがなものかね(アメリカ国立フィルム登録簿みたいに、日本でもひとつのステータスを与えるべきだと、私は思う)。
白黒で若干音声も聞き取りにくい部分はあるのだが、一度は見てみるべき映画だと感じた。ヘタなハリウッドのサスペンスを借りるくらいなら、未見の人はだまされたと思って借りてみてはいかがだろう。
#それにしても、仲代達矢も山崎努も若くて、彼らだと気付かない人もいるかもしれないね。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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