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公開年:2004年
公開国:日本
時 間:116分
監 督:那須博之
出 演:伊崎央登、伊崎右典、酒井彩名、渋谷飛鳥、宇崎竜童、阿木燿子、冨永愛、ボブ・サップ、KONISHIKI、夢野まりあ、小倉一郎、洞口依子、松本博之、小林幸子、今井雅之、大沢樹生、金山一彦、モロ師岡、きたろう、的場浩司、嶋田久作、鳥肌実、清水宏、染谷将太、布川敏和、船木誠勝、本田博太郎、永井豪 他
コピー:人間は庇護(まも)るにたるべき存在か。
4年前に両親を事故で亡くし、クラスメイトである美樹の家族に引き取られた高校生の不動明と、父・飛鳥博士の下で何不自由なく育った飛鳥了は、無二の親友。了は、明に危害を加えようとするものが現れると、見境無く凶暴性を発揮し、しばしば取り返しのつかない行動をとる。そしてその暴走を止められるのは明だけだった。ある日、新エネルギーを探していた飛鳥博士は、南極地底湖をボーリング調査している時に、“デーモン”を目覚めさせてしまう。デーモンは、他の種族の体を乗っ取り姿を変え続ける邪悪な生物。次々と人間を乗っ取ったデーモンは、明も餌食にする。しかし、明の心は乗っ取られることなく、人間の心を残したデーモン“デビルマン”となるのだった。明は運命を受け入れ、愛する人々を守るために、デーモンと戦うことを決意する。しかし、デーモンの存在を怯えた人間たちは、“デーモン狩り”を開始。明確なデーモンの特徴もわからぬまま、変わった様子の者や、気に喰わない者を殺戮しはじめ…というストーリー。
『幻の湖』『北京原人 who are you?』と観たので、続いて『シベリア超特急』と思ったのだが、近所のレンタルビデオ屋には置いていなかった。何箇所か廻ったが置いていない。扱っていない所が多いみたい。でも、なんとか探してみる。ということで、代わりといっては何だが、本作を。
まあ、散々、笑いの種になった作品なので、いまさらという感があるが、今回は、逆にちょっとフォローしてみたいかも。
まず、原作無視も甚だしいという意見があるが、それは、アニメ版と比べてのことではなかろうか。本作は、原作漫画の流れをそれなりになぞっていると思う。原作者の永井豪が出演しているほどなので、プロット的にむちゃくちゃということはないだろう。
漫画単行本は、たったの5巻で、たしかに一本の映画にまとめられそうに感じるかもしれない。でも読めば判るが、それは無理。巻数に不釣合いなほどの深遠さと、カトリック的な宗教感をベースにした天使と悪魔の戦い。さらに善悪とは何なのか…という哲学的な思索まで喚起してくれる作品なのだ。それをたかだか120分程度でまとめようというのが無謀だった。
よく揶揄されるのが、整合性のない編集や場面転換というのがある。例えば、友人の牛久がジンメンに襲われた後のシーン。ショッピングモールで助けを呼ばれたのに、なぜか海を探し、その後なぜか山でジンメンを見つけるという流れ。もっともらしい指摘だが、別に変ではない。襲われた牛久はジンメンに乗っ取られ、ジンメンは移動。デビルイヤー(?)で牛久の声を聞いた明は、その声の方向を探しただけ。海のあたりで聞こえたから海を探した。海に顔を突っ込んだ様子をみて、そんなところにいるわけねーだろー!とツッコむ人が多かったが、デビルマンの能力を持ってすれば海の中の有る程度の範囲を確認できる。その後、すぐに山にいったのはおかしいというツッコみもあった。しかし、海の傍に山がある地形などゴマンをあるだろう。何が変なのか。
問題はそこじゃないのだよ。先ほど行ったように、本作は原作を凝縮しすぎていて、展開を丁寧に描くことを放棄している。その凝縮具合が甚だしすぎて、展開が突飛に見えるだけなのだ。
あれ、だんだんフォローできなくなってきたぞ。
どうしても許せないのは、寺田克也の無駄遣い。デビルマンやシレーヌなどコンセプトデザインは彼が行っている。ちょっと前に、京都のマンガミュージアムで寺田克也の展示を見てきた。デビルマンの絵も展示されていたが実にすばらしいものだった。あのイメージのまま忠実に本作が作られていたなら、何の問題もなかっただろう。しかし、本作は、寺田克也の味わいをまったくといっていいほど反映していない。シレーヌのスクール水着に羽毛をつけたような衣装は最悪。ヒールってなんだよ(てか、シレーヌとの戦い、中途半端で終わってるじゃん)。
明とデビルマンの中間体のデキの悪さも、かなりヒドい。
ラストのサタンとの戦いは、本当にパチンコ台のアニメみたい。さらに動きも変。どうしようもない。これなら手書きアニメのほうがマシ。散々、アメコミみたいなカットを差し込んで、ユニークな演出を狙っていたのに、それも台無し。
明と了を演じている役者は同じ苗字。どうやら双子らしい。なんで?原作でも似ているという設定はないし、本作のストーリー上も似せる意味はない。むしろ似ていたら混乱するわけで、結局、髪の色やらメイクの具合など、はっきり区別を付けているように見える。双子にこだわらず、もっと骨太で熱い演技ができる役者を使うべきではなかっただろうか。
もう一人のデビルマンであるミーコは、デーモンに変身するが、全然デーモンらし風体じゃなかったのも納得できず。なんで、そこで力を抜くのか。演じた渋谷飛鳥は、マトモな演技だったのに実に残念。
まとめよう。
①原作の2巻くらいまでのお話でまとめるべきだった(成功したら続編を…くらいのノリで)。
②デーモン族の造型はもっとしっかり作りこむべき。
③主役の選定をやり直す。
この3点だけ直せば、もうすこしまともになったと思う。やっぱ、フォローするのは無理だった。
#KONISHIKIとか、カメオ出演がすべて裏目になて作品に悪影響をおよぼしてるって、スゲーよな。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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