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公開年:1979年
公開国:日本
時 間:75分
監 督:(演出)浦山桐郎
出 演:加藤淳也、冨永みーな、熊倉一雄、北村和夫、黒田絢子、矢吹寿子、樹木希林、佐奈田恒夫、酔銘亭桐庵、吉永小百合、黒田絢子 他






 貧しい山村で、祖母と暮らす龍の子太郎。太郎は怠け者でいつも寝てばかりいたが、そのくせ大飯喰らいで祖母を悩ませていた。そんなある日、太郎が山で動物たちと相撲をとって遊んでいると、天狗が現れ勝負を挑んでくる。相撲が得意の太郎は見事に勝って、その褒美に“百人力”を授かるのだった。その後、太郎が祖母に母親のことを訊ねる。他等の母は太郎がお腹の中にいるときに、空腹に耐えられず、村のおきてを破って、他の人の分までイワナを食べてしまう。その罰として龍の姿に変えられてしまったという。母は、太郎が成長したら北の国にある湖を訪れるように言い残し消えたと聞いた太郎は、母を探すために村を出る決意をする。その頃、仲良しになったあやが赤鬼にさらわれてしまったと聞き、救い出そうと乗り込むのだったが…というストーリー。

これ、私が劇場ではじめて観た作品だと思う(なんで“思う”なのかというと、『劇場版 アルプスの少女ハイジ』とどっちが先だったか記憶が微妙だから)。ただ、間違いなく『東映まんがまつり』中の一作。本作のほかに『ピンク・レディーと春休み』『SF西遊記スタージンガー』『キャプテン・フューチャー』『闘将ダイモス』などのが同時上映されているはずなのに、一切記憶がない。『キャプテン・フューチャー』はNHKだったと思うが当時観ておらず、ピンク・レディーにはまったく興味がなかったので爆睡状態だったのだろう、観た記憶すらない。『闘将ダイモス』は恋愛要素が強すぎてあまり好きではなかったしなぁ。

閑話休題。
本作も『西遊記』を同じく、主人公の龍の子太郎が劇中で歌う唄が、脳裏に焼きついている。「♪ひーがーしーのー、かーぜーよー、ぷぃ~とふーけー」ってやつ。
そして、目玉をなめて育つというグロ設定に、「うぇ~」と思ったのもよく覚えている。また、竜の中から全裸のおかあさんが出てくるシーンが、何か観ていて猛烈に恥ずかしかった記憶がある。今みても、やっぱりちょっとエロチックだ。

それほど知られていない作品だが、とても1979年の作品とは思えないクオリティに改めてびっくり。浦山桐郎監督の力なのだろうが、画面の構図が、他のアニメ作品と異なる。特の引きの画の構図が良くて、こういう昔話ベースの内容だと、狭い世界観になりがちだが、しっかりと空間を感じられる。キャラデザインもそれほど古臭くないし。

童話然としているが、ストーリー展開の緩急というかメリハリがある。
なんとも社会教育的なテーマが底にあって、地味に今の常識とちょっと相容れないところがあるのが面白い。
黒鬼、にわとり長者、白蛇、山姥と、改心の余地が無さそうな“悪い大人”がたくさんでてくるころが面白い。単純な敵役という描き方ではなく、世の中には邪悪な存在がいるのだよ、子供たちよ気をつけなはれや~って感じなのが、ユニークだと思う(まあ、ある意味、そういう注意喚起的なシグナルは、童話の主目的ではなんだけどね)。

さらに、なんで母は龍にされなければならなかったのか…という根源問題を追及しようとする太郎(あほっぽい感じなのになかなかロジカル)。経験と熟考の末に出た答えが、簡単に表せば“貧しい人々の生活をよくするために、どんどん努力・開発していこう”“貧しいのは悪だ”ってうこと。
ちょっと、今の一般的な価値観とはズレているところもおもしろい。だって、はっきりいって、最後に太郎と母ちゃんがやることは自然破壊だもの。その沼に棲んでいた、たくさんの魚たち、みんな死んでしまったんけ? いくら下の人々に警告したって、あんな大水で被害が無いわけないじゃろ。沼の水を一過的に流しても、湧き水でもない限りそれでおしまいで、下で田んぼなんかつくれねーだろ!とか、色々つっこみどころはあるのだが、観ている最中はそんなことに気付かせることなく、大団円で観終えることができる。
#当時、公害問題が噴出している時期だとは思うので、時代のせいってわけじゃないと思うんだけどね…。

内容とはまったく無関係なのだが、不思議なもので、『ゴジラ対メカゴジラ』とフィンガー5のポスターが映画館の売店に貼られていたのを克明に覚えている。当時の私はフィンガー5を良く知らなかったが、親たちの会話にでてくる5人兄弟の話はこれのことか…と。そして、メカゴジラとかシーサーとか、なんかスゲーな…と。いつか観たいなぁと思った記憶がある(そういば、今の今まで観たことがないかも。借りるか)。

文部省推薦的なアニメの中では、出色の出来映え。胸を張ってお薦めできる作品だと思う。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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