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公開国:イギリス
時 間:124分
監 督:トッド・ヘインズ
出 演:ユアン・マクレガー、ジョナサン・リス=マイヤーズ、クリスチャン・ベイル、トニ・コレット、エディ・イザード、エミリー・ウーフ、マイケル・フィースト、ミッコ・ウェストモアランド、リンゼイ・ケンプ 他
受 賞:【1998年/第51回カンヌ国際映画祭】芸術貢献賞(トッド・ヘインズ)
【1998年/第52回英国アカデミー賞】衣装デザイン賞
【1998年/第14回インディペンデント・スピリット賞】撮影賞(マリス・アルベルチ)
コピー:もっと、グラマラスに もっと、スキャンダラスに70'sロンドン、世界を変えられると思っていた。
1984年、ニューヨーク。ヘラルド紙の記者であるアーサーは、70年代初頭のロンドンでカリスマ的人気を誇ったロック・ミュージシャン、ブライアン・スレイドの追跡調査を編集長から指示される。アーサーはロンドン出身で、ロック少年だあ自分が過ごしたロンドンを思い出すのだった。ブライアンは、宇宙時代の神“マックスウェル・デイモン”をステージで演じ、グラムロックの旗手としてカリスマ的存在だったが、74年のワールド・ツアーの最終日にステージ上で暗殺される。しかし、それはマックスウェル・デイモンという架空の役柄を演じることに疲れたブライアンの狂言だったことが4か月後に発覚。彼の支持者は激しく失望し糾弾する。そのまま、ブライアンは消息を絶ったのだが…というストーリー。
ユアン・マクレガーが主演となっているが、主演はどうみてもジョナサン・リース=マイヤーズだろう。でも、ユアン・マクレガーを主演扱いしたくなるのは、カート・ワイルドの野外ライブを演じる彼の演技を観れば理解できる。大胆でキレキレの演技は、狼に育てられたと噂がたつほどの男を見事に演じ、すっかり観ている側を納得させてしまう。そして、単なるバイセクシャル的な風貌だったブライアン・スレイドに、羨望と困惑と羞恥心の入り混じった表情をさせ、完全な転換点であることを、強烈に印象付けている。
また、クリスチャン・べール演じるアーサー記者が、ロック少年だった自分の過去と、ブライアン・スレイド関係者の証言とが照らし合わせ、そして交錯させながら、ストーリーを展開させていくのが、非常にユニークで秀逸な構成だと思う。
実際のロックの歴史としてグラムロックが正しく表現できているか否かは脇においておくとしよう。音楽シーンに詳しい人には、納得できない描写が盛りだくさんに違いない。でも私は洋楽は詳しくないので。詳しくはないけど、グラムロックは好きなジャンル(“20th Century Boy”もグラムロックの範疇か)。
モダンなイギリスと、いかにもショービジネスなアメリカの音楽シーンの比較が、発信側と受け手側の境界のあるべき姿というものを考えさせてくれる。「世界を変えようとして自分を変えてしまった」 自分がムーブメントの中心になればなるほど、まるで量子物理学でいうところの観察者効果のように、客観と主観が渾然となり混乱の極みに達する。その破綻の結果が、狂言暗殺だったわけだが、果たしてそれは破綻だったのか否か…。この視点は実におもしろい。
シナリオ上、ちょっと理解できないのが、なんでヘラルド紙はこのタイミングでブライアン・スレイドの追跡調査をしようと思い、なんでその調査に突然興味を失ったのか…という点である。特に陰謀だとか作為があったわけでもなさそうで、そこだけなにか釈然としない。
14年前の作品だが、時間が経過して、妙味がじわじわとわいてくる作品だと思う。評価がぱっくり分かれる作品だとは思うが、未見の方にはお薦めしたい。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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