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公開年:1988年
公開国:アメリカ
時 間:90分
監 督:グレアム・ベイカー
出 演:ジェームズ・カーン、マンディ・パティンキン、テレンス・スタンプ、ケヴィン・メイジャー・ハワード、レスリー・ビーヴィス、ピーター・ジェイソン、ジョージ・ジェネスキー、ジェフ・コーバー、ロジャー・アーロン・ブラウン、トニー・シモテス、ブライアン・トンプソン、フランク・マッカーシー、キオニー・ヤング、ドン・フッド、アール・ボーエン 他
大量の異星人が移住してきた近未来のロサンゼルス。刑事のサイクスはパトロール中に強盗事件に遭遇。応戦するが、強盗の“新移民”が使った強力な銃で相棒が殉職してしまう。翌日、署に出勤すると、連邦新移民局の指導を受けた市長の命令で、新移民のサム巡査を刑事に昇格させる人事発表が。新移民を相棒にすることを多くの刑事が嫌がるなか、サイクスはサムをパートナーにすることを申し出る。そして、それと引き換えに2日前に発生した新移民ヒューブリー殺害事件を担当させろと要求する。その事件で使用された銃が、相棒を殺した銃と同一のものだったからだ。そうして、て人間と新移民の刑事コンビは、二つの殺人事件に迫っていくのだが…というストーリー。
1980年代のアメリカの移民政策への批判を大いに含んだ作品。超低予算のB級中のB級ながら、しっかりとSFできているところがすごいし、且つ、しっかりと伝統的な刑事バディ物になっている点が秀逸だと思う。
新移民が冗談が下手で生肉を食うところから、もしかして日本人のこと?と思うかもしれないが、たぶん単なる味付けであって違うだろう。どちらかといえば、メキシコ人や韓国・中国人などのように、別の国に移民しておきながらも現地社会に同化しようとせず、閉鎖的なコミュニティをつくる集団を投影しているものと思われる。じゃあ、単純に移民政策を批判しているかというと、劇中のサイクスの態度を見ればそうではないことが判るし、この作品がその後TVシリーズになったことからも、アメリカ人の受け止め方もそうではないということが判る。
『イキガミ』のときにも書いたけど、ただ話をつらつらと展開させただけだと、観客が先回りして想像してしまうので、ちょっと目をそらさせないといけない。そういう意味で、異星人の特徴、ビーバーの生肉大好き・急所は脇の下・腐った牛乳で酔う・海に溶けるなんていうギミックがとても効果的に働いている。秀逸なプロットの作品は多々あるが、映画というのは、こういう遊び心が無いと、なかなかいい結果にならないものである。
発生する事件はとても平凡で、もしこれで相棒が異星人でなければ、なんてことない話。それをここまで愉快な作品に仕上げられたのは素晴らしいと思う。
#このセンスが、昨日の『ゴースト・オブ・マーズ』にあれば、いくらか違ったと思うのだが。
本作と『第9地区』はまったく同じテーマだが、どちらが昇華できてるか?と聞かれれば間違いなく本作だと答える。無駄なシーンも少なくて編集的にもすっきりとしている。その点でも評価したい。古い作品なので、観ていない人もいいだろうが、掘り起こして観て欲しい。お薦め。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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