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image2139.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:95分
監 督:デニス・リー
出 演:マイケル・シーン、トニ・コレット、ジェイソン・スペヴァック、サマンサ・ワインスタイン、フランク・ムーア、アーロン・エイブラムス 他






祖父スタンと母パトリシアと共に暮らす少年ヘンリーは、生まれてすぐに会話をするようになった天才少年。彼は一度聞いたことをすべて記憶してしまう。同じ年齢の子と一緒に教育を受けることは困難で登校を拒否されることもしばしば。憤慨したパトリシアは10歳のヘンリーに強引に大学受験させると、大学側はヘンリーの能力に驚愕し、多額の奨学金を与え入学を認める。しかし、ヘンリーにはとある悩みがあった。それは、自分の父親が誰なのかパトリシアが語ろうとしないこと。スタンに相談すると、ヘンリーは驚愕の事実を聞かされる。女性の権利向上運動家のパトリシアは、精子バンクを利用して妊娠・出産していたのだ。さらに、同じ精子から生まれた姉まで存在することをスタンは調べてくれた。それを聞いたヘンリーは、遺伝子上の父と姉に会ってみたいを考えるのだったが…というストーリー。

ジュリア・ロバーツが製作総指揮に名を連ねている作品。なかなか良い作品だと思うんだけど、日本未公開なのが不思議。たしかに目立った俳優は出ていないし派手な内容でもないが、単館上映すらないとは…。

明らかに周囲の子とは異なる能力を持ってしまった故に苦労する少年ヘンリー。しかし、その賢さ故か、表立ってヘコむこともないしグレることもない。そんな彼が、やっとこだわりを見せたのは、遺伝子学上の父が誰かということ。そこから、彼の冒険が始まる。

生まれてすぐに言葉を話す…という突飛すぎる設定は不要だったかもしれない。幼児で高等数学を解するくらいでストーリーは十分成立したと思う。ただ、何でも記憶するだけで論理的な思考ができるわけでもないし、創造力が高いわけではないので、あまり記憶力に特化した設定にするのは、無理があったかもしれない(そういう子は大抵サバンなので、日常生活に支障をきたしているのがほとんどだ)。

無駄な演出があるせいでボヤけているのも認める。例えば、ヘンリーとスタンのスペイン語の会話を立ち聞きし、こつこつ訳すが、途中までしか立ち聞きしておらず、スタンが父親の存在をヘンリーに教えたと勘違いするくだりがあるが、それ必要か?とか。
また、良く考えると、ちょっとわかりにくい部分も。ヘンリーは、同じ精子から生まれた子がいるという情報から、オハラ博士に辿り着いたのだから、オハラとヘンリーが親子なら、自動的にオードリーとヘンリーは姉弟なのでは?とか思う。まあ、オードリーは、オハラの精子から生まれたのか、グンターの子なのか、判然としないから調べたんだな…と、考えるとわかるんだけど、一瞬あれ?となる。
なんでパトリシアまでDNA検査してるわけ?彼女とヘンリーの親子関係は確実でしょ?

大人なんて大きな子供。子供の時についた心の傷は、大人になってもそのままで、大人らしくあれと思っているから、そのギャップに苦しむ。登場人物全員が、心の傷で形作られたキャラばっかりなのが良い。賢いけれど無垢なヘンリーは、とてもまともな大人とは思えないスタンと一番ウマが合う。だって二人とも、自分がどんなもんかわかっていて、嘘がないからね。むしろ、他の年長者は、自分の心の傷を覆い隠して、私は大人でございますと偽って生きているんだもの。

パトリシアもオハラも、少しずつ自分の中に傷があることを認識しはじめ、彼らは変化していく。このデニス・リーという監督が脚本も書いているんだけど、正直、穴のある脚本だし、演出も迂遠な部分を整理できていないと思う(カナダに逃げた兄のくだりとかも、あまりうまく消化できていないよね)。でも、そこはキャリアが浅いと思って大目に見てあげるべき。人って、いつでも成長できるチャンスがあるんだ。ちょっとしたきっかけで踏み出すことができるんだ。やさしくなることができるんだ…という、主題は十分に伝わってきた。

あえてお薦めしようと思う。もしかすると、今後、いい作品を生む監督になるような気がする。エピローグに少しセンスを感じるんだよね。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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