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公開国:ブルガリア
時 間:89分
監 督:カメン・カレフ
出 演:フリスト・フリストフ、オヴァネス・ドゥロシャン、サーデット・ウシュル・アクソイ、ニコリナ・ヤンチェヴァ、ハティジェ・アスラン 他
受 賞:【2009年/第22回東京国際映画祭】東京サクラグランプリ、最優秀監督賞(カメン・カレフ)
ブルガリアの首都ソフィア。イツォはアーティストとして成功することができず、薬物に溺れてしまっている。現在は治療しているが、それでも酒に溺れる日々を繰り返していた。そんな彼は、食事の帰り道に、トルコ人旅行者一家がネオナチと思しきグループに襲撃されているのに遭遇する。思わず助けに入るものの、反撃されて怪我を負ってしまう。しかし、イツォはそのグループの中に、しばらく合っていなかった弟ゲオルギの姿を見つけるのだった。その後、トルコ人家族の父が重症を負ったため入院することになったが、イツォは娘ウシュルに一目惚れして…というストーリー。
めずらしいブルガリア映画。東京国際映画祭でそれなりの評価をうけての、国内リリースってことかな。でも、邦題は悩んだようにみえる。原題のEASTERN PLAYSだとちょっと意味がわからない。日本のほうがよっぽどEASTだし。ブルガリアの政治・社会情勢を踏まえての内容だから、そうとわかる題にしようとしても、ブルガリアを冠すればヨーグルトを連想しちゃう。まあ、首都名にしておくか…と。そして、各地で民主化運動がおこってるし、そういう感じの作品かな? と引っかかってくれれば儲けモノ…ってことで“夜明け”と。
実際の内容は、民主化とか体制批判っていう内容ではないので、的外れではあるのだが。
ネオナチに巻き込まれていく弟、心を病んでいて薬漬けの兄、トルコからの旅行者の娘。この3人が、移民問題や右翼化が顕著なブルガリアでどう絡んでいくのか…というのが焦点。でも、結論をいっちゃうと、あまり明確なメッセージはない。
だって、移民政策自体にも問題があるのは明白だし、それを政治に利用している人がいる(社会問題の原因を移民に押し付けて目をそらそうとしている勢力がいる)以上、こういう状況になるとはあたりまえだと思う(元々ヨーロッパには、ジプシーに対するアレルギーとかあるしなぁ)。
民主化なんてのは制度さえ導入すれば成立するわけではない。自分や家族以外の人々に対して良いことをしてあげよう、便利にしてあげよう…、そういう気持ちの人が雨後の筍のように現れないと、まともな国にはならんのよ。だから、市場原理主義や金儲けに走る人が一時的によく見えても長期的にはおかしくなってくる(基本からはずれてるんだから)。そこにきづくべき。いや、気付いても、そんな殊勝なことできるわけんーじゃんって、ことになるんだよね。そこが“民度の差”ってやつなんだけど、一言で片付けるのは、何か悲しいわな。とにかく、この物語からは、まったく希望が感じられない。若者から未来を掴もうという気概が伺えず、まるで暗闇の世界に見えてそら恐ろしいくらい。
最後、改心した(のかよくわからん)弟が見ず知らずの彼女をつれて兄のところに転がり込み、不自然ではあるが何かを変えようとする雰囲気を醸し出して終わる。尻切れトンボだよなぁ…って感じだったのだが、調べたら、主演の俳優さんが撮影中に急逝したことできちんと終われていないんだって。でも、それを消化不良の言い訳にされても困るし、そんな中途半端な状態なのに無理やりまとめるのもどうかと思うわ。
移民問題の根が深いことはよくわかった。そして、悩めるブルガリアの状況もわかったのだ。でも、これはドキュメンタリーのほうが適している内容。伝えたいことを表現方法(もしくは表現能力)のミスマッチを強く感じた作品。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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