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公開国:アメリカ
時 間:106分
監 督:トム・マッカーシー
出 演:ポール・ジアマッティ、エイミー・ライアン、ボビー・カナヴェイル、ジェフリー・タンバー、バート・ヤング、メラニー・リンスキー、デヴィッド・トンプソン、マーゴ・マーティンデイル、アレックス・シェイファー 他
ノミネート:【2011年/第27回インディペンデント・スピリット賞】脚本賞(トム・マッカーシー)
【2011年/第17回放送映画批評家協会賞】オリジナル脚本賞(ジョー・ティボーニ、トム・マッカーシー)
コピー:突然きみが家族になった。人生がもっと厄介で、愛すべきものになった。
弁護士のマイクは不況で仕事もほとんど無くなり事務所の運営もままならないほど困窮していた。高校のレスリング部のコーチで僅かな報酬を得ているが、焼け石に水。とうとう生活費を捻出することも苦しくなってきて、妻と幼子2人の家庭を守るために、とある公判に目を付ける。その公判とは、初期の認知症を患う独居老人レオに対して、州が後見人となり施設に入れるというもの。しかし、老人は自宅に留まることを希望している。マイクはレオ後見人に名乗りを上げる。なぜなら、後見人は月に1500ドル以上の報酬を受け取ることができるからだ。晴れて後見人となったが、マイクはレオを介護施設に入所させてしまう。身寄りが無い老人を騙してまんまと報酬を受け取ったマイクだったが、ある日突然、レオの孫だというカイルという青年が現れ…というストーリー。
弁護士とはいってもピンキリ。アメリカならその差は日本以上だろう。一応事務所も構えているけれど、ほとんど仕事がない状態。家族を抱えていながら破産寸前。レスリングのコーチをしているが、体調もいまいち。もう詰んだ状態。
#話は逸れるが、レスリングはアメリカのほうがしっかり根付いているな。今回のオリンピック騒動は日本よりアメリカのほうが本気で怒っていると思う。
主人公のマイルは弁護士として一線を越える。表面上ノーマルに見えるけどクソ人間…っていうキャラを演じさせたらポール・ジアマッティはピカイチだ。このヤバい橋をどうやって渡りきるのか?破滅するのか?を主軸に展開していくのかと思ったら、金髪に染めた謎の少年が登場。施設に放り込んだ老人の孫だという。
ほとんど喋らないし、ぶっきらぼうで、はじめはみんなヤバいやつだという先入観を持つ。悪そうに見えて、彼の純朴さはすぐに周囲に伝わり、みんなの“手を差し伸べたい”という欲求をくすぐる。ミステリアスな少年でなにか問題を抱えていそう。純粋ゆえに迷える若者ということで、利他という気持ちを周囲の人たちに湧き上がらせる。観ている方も手助けしてあげたくなる。
ここでマイクの妻の“男気”みたいな精神が発揮され、カイルに手を差し伸べていく。彼女がこの作品で一番まともな人物。
結局は、母親の素行が悪く、環境の悪さゆえに道を踏み外していただけ。それが無ければレスリングで大成していたに違いないことを知り、マイクたちは、色めき立つ。仕事もダメ、生きがいだったコーチ業もダメだったのに、途端に生きがいを感じ始めるマイクたち男連中。マイクを通して、みんなが失いかけていた夢を思い出し始める。
一見良さそうに見えるが、これがよくない。しかし、みんながカイルに夢をのせ、純粋な利他の気持ちではなくなってしまった。カイルのために駆け引きなしで応援しているつもりだったのだが、実際はカイルにみんながタダ乗りしていた。その重みに耐えかねたわけではないだろうが、あっさりとその夢を去っていく。
さて、その“夢”が消失したあとも、マイクはカイルに手を差し伸べることができるか。純粋な利他の気持ちが湧いたところで、しかしながら
冒頭の悪事が露見してしまう。さて、カイルとマイクの間の溝は埋まるのか。再び二人は前を向いて歩いていくことができるのか。
昨日の『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』に続いて、生きるってなんだろうなって考えさせてくれた作品。他人のために何かできているかいないかという物差しを忘れてしまったら、生きている意味なんか無いってことだな。自分のやりたいこと、成し遂げたいこととのバランスが大事。ハッピーエンドじゃないけど、ラストも嫌いじゃない。
連日のグッとくるコメディ。当たり。お薦め。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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