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公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:デヴィッド・フランケル
出 演:ジャック・ブラック、オーウェン・ウィルソン、スティーヴ・マーティン、ブライアン・デネヒー、アンジェリカ・ヒューストン、ラシダ・ジョーンズ、ロザムンド・パイク、ダイアン・ウィースト、ジョベス・ウィリアムズ、アンソニー・アンダーソン、コービン・バーンセン、バリー・シャバカ・ヘンリー、ジョエル・マクヘイル、ティム・ブレイク・ネルソン、ジム・パーソンズ、ケヴィン・ポラック、ネイト・トレンス、スティーヴン・ウェバー 他
コピー:大人げないオトナたちが見つけた、小さな幸せ。
1年間に北米大陸内で観察できた野鳥の数を競う、探鳥コンテスト“ザ・ビッグイヤー”。出場者は、仕事や家庭生活を犠牲にしてまで時間とお金を注ぎ込む熱狂的なバードウォッチャーたち。そして、その大会への挑戦を目指す3人の男たちがいたが、それぞれ問題を抱えていた。一人は、大企業の社長のステュ。彼は、引退してかねてからの夢だった鳥探しに打ち込むことを決心し、家族もそれを応援してるのだが、有能な経営者である彼の引退を社員は認めず、引きとめに必死。もう一人は、原子力発電所で働くブラッド。これまで“鳥”という趣味にのめり込みすぎて妻に愛想を付かされ離婚歴あり。今も独身のまま親と同居していた。何とかフルタイムでの仕事を続けながら“ザ・ビッグイヤー”に挑戦しようとしていたが、なかなか仕事との折り合いがつかない。最後の一人は、前年度の覇者で最高記録保持者のケニー。ニュージャージーの土建屋で裕福だったが、鳥が原因でこれまで二度離婚している。もう“ザ・ビッグイヤー”には挑戦しないと約束していたのに、自分の記録が抜かれるのではないかと毎日気が気ではなく、三度目の結婚にも危機が訪れていた。そんな三人が、野鳥を求めて奔走するのだが…というストーリー。
メインキャストであるジャック・ブラックとオーウェン・ウィルソンは、ほとんどコメディばかりだし、たまにシリアスな作品にでてもイマイチなことが多い。ジャケット画像を見ていつもどおりのコメディか…とまったく期待していなかったのに、いい意味で裏切られた。結論からいうと、彼らと同じようにコメディ作品への出演が多いスティーヴ・マーティンだが、『大災難P.T.A.』のようにグッとくるコメディがお得意の彼が入ることによって、ものすごく締まった作品になっている。当たり作品だ。
まず、“ザ・ビッグイヤー”なる大会(というか競技)に面食らう。本当にこんなイベントが存在するのか?と疑ったが実在するようだ(原作はノンフィクション作品とのこと)。何に驚くって、その鳥を見たか否かは“自己申告”だってこと。こんなのインチキする奴が出てくるだろ?って思って観ていたのだが、鳥への愛ゆえに、そんなことをする奴はいないということが前提になっているという、高潔な大会なのだ。
で、主役の3人とも、色々ダーティな妨害をして傷つけ傷つけられを繰り返すわけだが、この高潔さという点で共通して、その点において理解し合えていることが、実に愉快なのだ。
700種類以上の鳥を観察するということは、とてつもない苦労が必要なのだが、この“このとてつもなさ”っていうのが、無理すれば不可能ではないというところがミソなんだと思う。まず、北米大陸内の観察に限定されること。確かに広いが1年でめぐるのが不可能な広さではない。
研究されつくしていて、普通に生息する種類だけでは700種類以上を観察することは不可能で、アメリカ国土に迷い込んでくる周辺に生息する種類とどれだけ遭遇するかが勝負になっている。でも、それも過去のデータから可能性のあるポイントは絞れてくる。遭遇するためには、天才的な能力が必要ではなく、努力と運であり、それは自分の野鳥愛のバローメータであり鳥からの愛のお返しとも捉えられるわけだ。この難しいけどできなくもない。この線が、長く人を虜にする魅力なんだろう。
本作はコメディに違いないが、面と向かって笑わせようという場面は一切ない。一生懸命に行動し苦悩する彼らを強く共感してしまう。それを軽妙な場面運びによって紡いでいる。おそらく男性特有の“コレクション癖”みたいなものもくすぐるんだと思う。いてもたってもいられない彼らの気持ちは良くわかる。(実際に参加者のほとんどが男性だ)。
同じことをやっているのに、ある者は何かを得て、ある者は何かを失う。そんなバカなことに1年も費やすなんて…と思うし、自分はそんなことにチャレンジしたいなんて思わないけれど、生きる意味ってなんだろうな…と考えさせられた作品。男にはくだらないとわかっていても乗り越えなければならないものがある…そんなところか。
良作。お薦めしたい。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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