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image1570.png公開年:2009年 
公開国:イギリス
時 間:101分
監 督:スチュアート・ヘイゼルダイン
出 演:ルーク・マブリー、ジェンマ・チャン、ジミ・ミストリー、ジョン・ロイド・フィリンガム、チュク・イウジ、ナタリー・コックス、ポリアンナ・マッキントッシュ、アダル・ベック、コリン・サーモン、クリス・ケアリー 他
ノミネート:【2009年/第63回英国アカデミー賞】新人賞(スチュアート・ヘイゼルダイン)
コピー:世界一危険な就職試験 合格者は死ぬまで年俸1億円の報酬
究極のサバイバル・ブレイン・サスペンス

とある企業で行われた採用試験。条件が非常に良かったため志願者が殺到したが、最終試験に残ったのは国籍も年齢も能力も異なる8人。会場は窓一つない密室で、武装した警備員が常時待機。試験監督から①試験監督や警備員に話しかけるのは禁止②自分の試験用紙を破損してはならない③部屋から出てはならないという3つのルールが告げられ、80分の試験がスタートする。ところが、受験者たちが試験用紙を裏返すと、それはまったくの白紙で…というストーリー。

今の映画製作会社は、とてつもない制作費を投入した大作を連発する一方で、それこそ『パラノーマル・アクティビティ』や『SAW』みたいなコストパフォーマンスのよい作品を血眼になって探したり作ったりしている。そうしないととてもじゃないが、経営は成り立っていかない。本作の興収がどうだったかはしらないが、そういう意味ではものすごく優等生な作品だと思う。有名な俳優もいなければ、CGどころか特殊なセットや小道具すらない。割り切りはものすごい。

以下、完全にネタバレ。

非常にハラハラする展開で、飽きずに観ることができたのは認める。奇抜な展開もないし、至極まっとうな話の運び方なのに、ものすごく巧み仕上げたと思う。そういう面では『SAW』や『CUBE』より上かもしれない。間違いなく次作のオファーはあるだろう。しかし最後の一押しが足りないというか、肝心のツメが甘いというか…。

まず、観ている人の8割がCEOの正体に気づいているわけで、そこは何とかもう一ひねり欲しかった。それに世界観のSF具合も中途半端で、世界の混乱ぶりがリアルに見えてこない。なんで新薬の生産量が少ないからって、仕事仲間に人並みはずれた注意力が必要なのかも、わかったようなわからないような。そういう仔細な違和感を押し切っちゃうくらいの勢いやスピード感があるかというと、そうでもない。

でも、初監督作品だと考えると、非常に期待できるわけで、苦言を呈したくなるのも高い才能が覗えるから。及第点以上なのは間違いないので、エグいサスペンスにうんざりな方にはお薦めしたい。

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